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第7章 新たな出会いと仲間

第315話 陞爵当日の馬車の中での会話!

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陞爵当日を迎えたアレクは、正装に身を包み、馬車で王城へと向かっている。馬車には、ノックスとパスクとオレールも乗り合わせているのだ。なんでも三人は、普段馬車の移動などしないので、乗せてほしいと言ってきたのである。そしてマンテ爺は、ヘルミーナに預けているのである。

「アレク様、それにノックス様とオレール様にも先にお伝えしておきたい話があります」

パスクが、急に深刻そうな表情で話し出す。それに、宰相アントンから学んだお陰か、自分より爵位が上のノックスとオレールにも様付けをするようになっていた。

「ん?どうしたの?深刻そうな顔して...まさか、陛下からまた面倒なことを頼まれそうな感じ」

アレクが、嫌そうな顔をしながら、返事をする。

「面倒なことには違いありません。アレク様は将来になりますが、強力な魔物が蔓延る手付かずの土地を開拓して街を作り、そこの領主になって貰うそうです」

またしても、面倒事を押し付けられそうになっていてアレクは、嫌な顔をすると思いきや、何故か笑顔なのである。

「それは朗報だね。1からの方が色々やりやすいし、大変だろうけど面倒事に巻き込まれることがないから有り難いよ」

「そのように考えて頂けるならよかったです。一応その時は私がアレク様の補佐となり支えさせて頂きます」

「アントンさんから学んだパスクが横にいてくれるなら助かるよ。これからもよろしくね」

「はい!この身が尽きるまで仕えさせて頂きます!」

それを聞いたアレクは、嬉しい反面、縛られ過ぎずもっと自由にしてくれてもいいんだよと思うのであった。

「俺とオレールは、どうなるんだ?」

ノックスが、自分達のことが気になって聞いてくる。

「ノックス様もオレール様も、領地を与えられて領主になる手筈となっております。そして、2年後アレク様の卒業を期にアレク様の領地の補佐として行って頂く感じになっています」

「2年間余裕があると思っていたが、まさか領地経営をさせられるとはな。領主の知識など皆無だが、構わないのか?」

ノックスもオレールも、本当に知識は皆無であり、大丈夫なのだろうかと気になっているのだ。

「基本は代官に任せる形で構いませんが、アレク様の補佐として力になれるように2年間で学んで頂けると有り難いと思っています」

早い話が、経験と知識を実地で身に着けろということである。

「はぁぁ、正直面倒だが仕方ないか...オレールは、できそうか?」

「なんとかなるんじゃないでしょうか?代官次第なとこはあると思いますよ。面倒くさくない優秀な代官であることを望みます」

「それについてはご安心下さい。二人が去った後に、その土地の正式な領主となって頂く方達です。なので、必死で仕事に取り組むでしょう」

正式な領主になった場合、最悪でも準男爵の地位を手に入れることができるので、代官も適当にはしないだろうし、適当に仕事をする人物を代官にしないように、あらかじめ手回しされていたのである。

「それなら安心できますね。ですが、大変なことに変わりはないですので、気を引き締めて望まないといけませんね」

こういう所は、真面目なオレールらしいなと痛感する。

「本当に真面目だな。これで俺だけやらないわけにはいかなくなったな」

ノックスが、仕方ないなと言った感じで、やる気を出す。

「みんな、そろそろ着きそうですよ!」

アレクが、外を見ながら城に着いたことを知らせる。

「皆様、到着致しました!今開けますのでお待ち下さい」

馬車が止まり、御者をしてくれたファビロが扉を開けてくれたのだ。

「ファビロ、ありがとう。待ってる間、これでも食べておいて」

「ありがとうございます!旦那様」

アレクは、バスケットを渡す。中には、色んな種類のサンドイッチが入っているのだ。アレクから貰える食べ物が美味しいと知っているファビロは非常に喜ぶのだった。





それから、城に入るとバトラーがおり、控え室へと案内される。

「皆様、暫く時間がかかると思いますので、こちらでお待ち下さい」

「はい!わかりました」

「アレク様、よろしいですか?」

バトラーが去った後、パスクがアレクに耳打ちをする。

「どうしたの?」

アレクも、周りに聞こえない程度の小声でパスクに返事をする。

「今、玉座の間では、降爵又は廃爵になる人物が呼ばれているところです。時間がかかるということは、何かしら問題があったのかもしれませんね」

「先にそんなことが行われていたのかぁ。陛下も大変だろうな」

言われる方も辛いだろうが、言う方も喜ばしいことではなく苦言を言わなくてはいけないので辛いだろうと感じるアレクであった。

「今回は、侯爵や伯爵といった上級貴族が降爵や廃爵するので、大変なことになっているはずです!」

アレクは、そんな殺伐とした玉座の間に絶対行きたくないなと思うのであった。
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