チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第7章 新たな出会いと仲間

第312話 ファールは高所恐怖症?お構いなく乗せるジキタリス!

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「陛下これが、転移の魔導具ですか?」

ファールが、王城にある転移の魔導具を見つめながら呟く。
これから、魔ノ国を経由して帝国に訪れようとしているのだ。

「一瞬にして、魔ノ国まで移動できるのでな。驚くほどであるぞ」

陛下が、そう答えていると、転移してくる人物がいた。

「ウズベル陛下ご無沙汰しております。そして、ウスベル公爵様、初めまして魔王様の補佐をしております。ジキタリスと申します」

迎えにやってきたのはジキタリスであり、陛下と公爵に礼をして挨拶をする。

「ジキタリス殿、わざわざお迎えありがとうございます。ファール・フォン・ウズベルと申します。よろしくお願い致します」

ガッチリと二人は握手を交わして親交を深める。今更ながらではあるが、ファールも陛下と同じで異種族差別をするような人物ではないのである。

「では、早速参りましょう!」

「は、はい!」

「緊張しなくても、あっという間に着きますから」

ファールは、初めての転移に緊張してしまい、声がうわずってしまうのだ。

「うまくやってくるのだぞ!ファール期待しておるからな」

陛下は、ファールに活を入れるように発言をするのであった。

「ファール様、こちらに立って下さい」

「わかりました」

そう言って、ファールが指定された場所に立った瞬間、ジキタリスとファールは姿を消すのであった。

「ファール様、目を開けて下さい。着きましたよ」

恐怖で目を閉じてしまっていたファールに声をかけるジキタリス。

「も、もう着いたのですか?」

「はい!今は魔王城にある転移の間でございます。この後、すぐに四天王と合流して頂き、ワイバーンにて帝国に移動して頂きます」

驚くファールに対して、淡々と説明をするジキタリス。

「ずっと気になっていたのですが、ワイバーンでの移動とは、ワイバーンに乗るということですか?」

「はい!ワイバーンに乗って頂きます。あっという間に着きますからご安心下さい」

「ちょ、ちょっと待って下さい!空を飛ぶのですよね?絶対に無理です」

ワイバーンに乗って空を飛ぶ自分を想像したファールは、恐怖で絶対に無理だと言い切るのであった。

「大丈夫ですよ。落ちないように固定致しますし、呼吸もできるように結界を張っておりますから」

ファールは、それを聞いた時に、そういう問題じゃないと心の中で強く叫ぶ。

「本当に無理です!ワイバーン以外に移動手段はないのですか?」

「やはりこうなりましたか...暫く寝ていて下さい」

ジキタリスが、そう言った瞬間、急に眠くなりファールは、その場に倒れ込むのであった。

「事前に聞いていた通りになりましたね。では、起きないうちにワイバーンに乗せてしまいましょう」

陛下経由で魔王からファールが駄々をこねる可能性があると聞いていたジキタリスは、眠りの魔道具を用意していたのだ。

「よいしょっと!」

ジキタリスは、ファールを抱えて四天王とワイバーン部隊が待つ場所へと向かうのだった。





「ガリル隊長、王国の公爵のファール様です。丁重に帝国までお送り下さい。よろしくお願いします。四天王の皆様も、護衛よろしくお願いします」

「はい!ジキタリス様、粗相のないよう努めさせて頂きます」

ガリル隊長は、胸に手を当てて任せて下さいと言う。

「にしても、公爵を眠らせて抱えてきて大丈夫なのか?」

マクガリアス、凄い格好で登場したファールのことを見て気になり問いかける。

「どうしても、ワイバーンに乗りたくないみたいでしたので。魔王様の許可は得ていますし、起きたらこちらの手紙をファール様にお見せ下さい。納得されると思います」

ファールが、騒ぎ出した時の為に、ウズベル陛下が手紙を用意してくれていたようである。

「わかった。じゃあ、早速行くとするか。ガリル、公爵を乗せてやってくれ」

「畏まりました」

ガリルが、ファールを抱えてワイバーンに固定をする。

「では、出発します」

そう言ってワイバーンが、空高く舞い上がるのであった。

「どうか、帝国いや公国がいい国になるよう願っております。ファール様、よろしくお願いします」

ジキタリスが、ワイバーン部隊を見送りながら、ボソッと呟くのであった。
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