チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第7章 新たな出会いと仲間

第305話 使用人も良き人ばかり！メルビンお見合い？

アレクとオドヘートが、将来の契約を交わしたところに、凄い勢いでポールが入ってくるのだ。

「・・・・本当に旦那様が若返っておられる。それにお元気な姿になられて...このポール感激です」

ポールは、その場で大泣きするのであった。

「久しいなポール。よくメルビンを支えてくれたな。早速だが、今から話すことは他言無用だ。それと、ポールにも後々、魔法での契約を結んで貰う」

その後オドヘートは、ポールに若返った経緯を話したのだ。それを聞いたポールは、何度もアレクに対して泣きながら礼を述べるのであった。

「ポール早速だが、湯浴みと正装を頼む！」

「はい！湯浴みはいつでもご用意出来ております。早速参りましょう」

そう言って、オドヘートとポールは風呂に向かうのであった。

「タカハシ辺境伯様、私はこれから魔法による誓約書の準備をして参ります。お時間になりましたら呼びに参りますので、先程の応接室でお待ち下さい」

メルビンも、そう言って部屋を出ていくのだ。

「え？俺達で、勝手に行けってこと？仕方ないか...リッド、応接室に向かおう」

「はい！わかりました」

勝手に屋敷を闊歩していいのかと思いながらも応接室に向かう。アレクは、自分たちのことを信用し過ぎだろうと思うのであった。


◆


それから暫くの時間を応接室で過ごしていると、ノック音がしてメルビンが入ってくる。

「お待たせ致しました。父の準備と誓約書の準備が整いましたので、ご一緒にホールまでお越し下さい」

「わかったよ。なんだが、最初を思い出すなぁ～」

「タカハシ辺境伯様、何か言いましたか？」

「なんでもないよ。行こうか」

アレクはこの時、ヨゼフとカリーネを若返らせて、ホールに呼ばれて自己紹介をさせられたことを思い出していたのだ。今となっては、かなり昔のことのように感じている。

「オドヘート殿の奥様やメルビン殿の奥様に挨拶をしたいのだけど、今はいないのかな？」

ホールに向かう途中で、メルビンに対して尋ねる。

「母は、病気で早くに亡くなりました。妻も事故で亡くしてしまいおりません...」

「ごめんなさい！いらないことを聞いてしまって...」

これは、いらないことを聞いてしまったと、すぐに謝るアレク。

「気にしないで下さい！過ぎたことですから、それに、新しい出会いを求めてはいるのですが、この年になるとなかなか...」

まだ30代前半ならと思ったが、異世界では中々見つからないのである。

「貴族でないといけないとかのこだわりがないならいい人いるよ。常識もあって綺麗だし、年は29歳か30歳になったばかりだったような...どうかな？」

アレクは、ある人を思い浮かべていたのだ。メルビンであればきっと気に入るだろうと、何故か確信めいたものがあったのだ。

「え？そんな方がいらっしゃるのですか？逆に貴族の娘でない方が有り難いです。裏表なくありのままの相手を知りたいですからね」

メルビンもアレク同様、普通の貴族ではないようである。

「じゃあ、一度会ってみる？その気があるなら俺が場を設けるよ」

「是非お願い致します。ここ最近夢に妻が出てきて、早く新しい人を見つけなさいと言ってくるんです。まぁ、夢なので妻がそんなことを言ってはいないのでしょうがね...」

アレクは、創造神や神界を知っているので、一概に真実ではないと言い切れないのである。どちらかと言えば、本当に訴えかけているのではないかと思っているのだ。

「わかったよ。なら相手には話しておくね」

「あの～アレク様、私にも紹介...」

「リッドにはまだ早いよ！早く一人前にならないとね」

「そんなぁぁぁぁ」

リッドは、その場で項垂れる。それを見たアレクとメルビンは大笑いするのであった。


◆


それからアレクとメルビンとリッドが、ホールに着くと、既にオドヘートとポールが待っており、ホールに集まった使用人に説明を始めていたのである。

「お！噂をすれば、タカハシ辺境伯が来たようだ。皆の者、注目するのだ」

アレクが、姿を現すとホール中に大歓声が巻き起こる。アレクは、注目とか言うオドヘートにやめてくれと思うのだった。

「オドヘート殿、これはどういうことですか？驚きましたよ」

「早く私の回復した姿を皆に見せたかったのです。ですので、全て皆に話をし、魔法による誓約も済ませております」

やること早すぎだろうと思うアレク。まさか、誓約書まで既に書かせているとは思わなかったのだ。

「既にオドヘート殿から話は聞いていると思いますが、他言無用でお願いします。それから、オドヘート殿が快気したこと心より嬉しく思います」

アレクが、使用人に向けて話すと、また凄い歓声が上がるのだ。

「皆が気にしていることだろうから、先に言っておくが、領主は今まで通りメルビンだ。私は、タカハシ辺境伯の下で仕事をすることになるだろう。皆の者、これまで通りメルビンを支えてやってくれ」

分かってはいたことだが、どうやら領主はメルビンのままであるようだ。使用人達も、任せて下さいといった様子である。

「皆さん、順応するのが早いですね...驚きましたよ。それ程までに、オドヘート殿とメルビン殿が皆に慕われているのですね」

若返ったことに対してもそうだが、誓約書をすぐに書いて、メルビンを領主のまま認めるあたりなど普通なら反発があってもいいものではと思うアレク。

「そうですな～！確かにすぐ受け入れてくれたことは驚きです。ですが、だからこそ信用できる使用人ばかりなのです。良き人材が集まってくれましたよ」

それを聞いていた使用人は、涙を流す者・歓喜する者にわかれて大変なことになった。
その後、オドヘートが一人一人に声をかけてなんとかその場を収めることができたのであった。