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第7章 新たな出会いと仲間

第303話 久々に若返りの薬を作っちゃうよ!

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応接室に着くと、すでに飲み物が用意されており、屋敷全体もそうだったが、掃除が隅々まで行き届いており、埃すらない綺麗な部屋なのだ。

「そちらにお掛け下さい」

アレクとリッドは、言われた通りに座るが、アレクがリッドに一言言う。

「リッド、護衛ではないけど、こういう時は後ろに控えて立っているものだよ」

「え?あ!はい!申し訳ございません」

リッドは、慌てて立ち上がりアレクの後ろに立つのだった。

「構わないよ。初めてのことだしね。それに、メルビン殿も気にする様子はなさそうだし、今日はいっぱい勉強してほしい。メルビン殿、そう言うわけだから、リッドが粗相をするかもしれないけど目を瞑ってやってくれないかな?」

リッドには、恥ずかしい思いをさせてしまったかもしれないが、このような機会など早々ないので、敢えて言ったのである。

「私も構いません。そのようなことで揚げ足をとるようなことは致しません。それに、この領地から出た者が、このように扱って頂いていることを嬉しく思う程です」

アレクの読み通り、メルビンは話の分かる男のようである。

「メルビン殿、ありがとうございます。リッド、今日はいっぱい学んで帰ってほしい。いいね?」

「はい!ありがとうございます」

リッドは、笑顔になるのであった。それを見たアレクとメルビンも笑顔でリッドを見るのである。

「タカハシ辺境伯様、まずは以前領地をお救い頂きありがとうございました。そして、中々お礼に伺うことが出来ず、申し訳ございませんでした」

メルビンは、机に額をつけて謝罪するのだ。

「メルビン殿、スタンピードの件は王国の貴族としてやるべきことをしただけのこと、お礼など不要だよ。早く頭を上げてね」

「タカハシ辺境伯様...なんと器の大きな方なのですか!本当にありがとうございました」

メルビンは、感動のあまりウルっときてしまうのだ。

「それよりも、今はオドヘート殿の治療の話の方が重要じゃないかな?」

そこまで感謝されると、またむず痒くなるので、アレクは話を変えようとするのだった。

「あっはい!タカハシ辺境伯様、本当に父は治るのでしょうか?」

「治ると思うよ。でも、まずは容態を見せてもらいたいかな。オドヘート殿の下に案内してもらってもいいかな?」

アレクには最終手段として、エリクサーがあるので治ると言い切るのだ。

「はい!すぐにご案内致します」

それから、アレクはメルビンに連れられてオドヘートが寝ている部屋へと案内されるのだった。

「父のオドヘートです。タカハシ辺境伯様、治せそうでしょうか?」

「少し待って下さい。診断」

患者:オドヘート・フォン・ペッカラ
病名:老衰(心身の衰え)
症状:握力、歩行速度、筋力の低下。 急速な体重の減少。 睡眠時間が長くなる。 自力で食事ができなくなる。 意識レベルを保てなくなる。衰弱。
感染︰媒介確率なし
余命:3日

「老衰...病気とかではなく寿命ですね。助ける方法はなくもないのですが...信用してくれるか...それに、誓約書を書いてもらう必要があります」

流石に、死期を伝えるのに砕けた言葉遣いをするほど馬鹿ではないアレク。
しかも、オドヘートはまだ50代なのである。まさかの老衰であったことに驚くのだ。

「病気ではなく寿命ですか!そんな...ですがタカハシ辺境伯様、信用します。誓約書でもなんでも書きます!ですので、父を助けて下さい」

メルビンは、一瞬下を向いて悲しむ素振りを見せたが、すぐに顔を上げてアレクに懇願するのだった。

「わかったよ。ならメルビン殿とリッドは、これに名前を書いて!魔法で誓約をしなくても二人なら黙っていてくれると信用しているからこれで十分だからさ。でも、使用人には魔法で誓約を結んでもらうけどいいかな?」

「はい!すぐに書きます。そして、使用人も全員集めて誓約を結ばせて貰います」

「アレク様、書きました。どうか、オドヘート様を助けて下さい」

メルビンとリッドは、真剣な表情でアレクを見つめる。アレクは、信用してくれるのは嬉しいことだが、こんな簡単に信用して将来二人がすぐに騙されないかと少し心配になるのだ。

「二人の決意を無駄にしない為にも、早速準備をするね。全知全能薬学」

久し振りに使う全知全能薬学。ヨゼフとカリーネにも作った薬だったが、再度ちゃんと調べるためにスキルを使用したのだ。

「よし!次は薬素材創造(ex) 」

書かれている素材を創造して目の前に出す。

「それから、調合(ex) 」

創造した素材をあっという間に、混ぜ合わせて薬を作るのだ。手慣れた物で、すぐに完成まで至る。

「これが、薬だよ。ちなみに若返りの薬!」

そう、アレクはオドヘートを若返らせて寿命を回避させようとしたのである。

「え?若返りの薬ですか!!そんなわけ...いや、ヴェルトロ伯爵様も若返って...タカハシ辺境伯様、そういうことだったのですね!」

メルビンは、頭の回転が速いのか、すぐにヨゼフが若返っていたことを思い出す。そして、これが要因だったのかと確信するのだ。
リッドに関しては、何がなんやらといった風な表情をしているのだ。

「メルビン殿、オドヘート殿にこの薬を飲ませて上げて下さい」

「わかりました」

メルビンは、薬を受け取るとオドヘートの下に駆け寄るのであった。
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