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第7章 新たな出会いと仲間

第298話 王都のギルドに依頼達成を報告!

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次の日の朝を迎えて朝食を済ませた後、アレクは冒険者ギルドを訪れていた。
夜明けの雫はというと、暫く王都で暮らすらしく、家を借りに行くとのことで決まり次第、住む場所を教えてくれるとのことである。そして、朝一番で日本でいう郵便屋のような場所にファビロが手紙を届けに行ったのであった。

「お姉さん、依頼を達成したんですけど数が多過ぎて、どこに出せばいいですか?」

決闘の時に、審判をしてくれた受付嬢のところにやってきたアレク。

「アレク様、お疲れ様でした。えっと、数が多いですか?依頼には1体と書かれていましたが...まさか、繁殖していたのですか?」

受付嬢は、驚いた表情で尋ねる。

「数えられない程いましたよ。解体出来ないので全て持ってきました。どうしたらいいですか?」

「アレク様、まずは依頼と異なる内容になってしまったこと申し訳ございませんでした。それと、数が多いということでしたら、解体場までお越し下さい。案内致します」

受付嬢は、頭を下げて謝る。アレクからしたら、一瞬で倒したので謝ってもらう必要はないと思うのだが、常識のある信用できる受付嬢だなと思うのだった。

「謝らないで下さい。繁殖は予想できませんよ。あと案内よろしくお願いします」

それから、受付嬢に連れられてアレクは解体場に行く。

「おっ?こんな朝早くからどうしたんだ?大物でも...ってそんなわけねぇか」

解体場につくと、スキンヘッドで筋肉隆々の解体用エプロンを着た男がいた。

「大物ですよ。サンダーバードが多数です」

「サンダーバード?その坊主がか?」

「バイロンさん、坊主じゃありません!アレク・フォン・タカハシ伯爵様ですよ!」

辺境伯ということを訂正する気もないアレクはそのまま受け流す。

「王都を救ったアレクとは坊主のことだったのか!ありがとうな。嫁と娘と暮らしていけるのも坊主のお陰だ」

バイロンは、伯爵と聞いても特に畏まる様子もない。だが、しっかり頭を下げて感謝する。

「バイロンさん!なんて口の聞き方をしているのですか!貴族様ですよ!」

受付嬢は、凄い剣幕でバイロンに対して怒るのであった。

「ブッハハハ、こんなことで怒るようなやつが、王都を守るわけがねぇだろう。なぁ、坊主!?」

バイロンは、受付嬢の言ったことなど、どこ吹く風のように受け流すのだ。

「気にはしませんよ。でも、公の場ではちゃんとして下さいね。俺が良くても周りが何と言うかわかりませんから」

「わかってるわかってる。俺も、そこまで馬鹿じゃねぇよ。それより、サンダーバードを出してくれ。解体してやる」

ブッハハハと笑いながらアレクの肩を叩くのだ。レベル差があるから痛くはないが、普通の13歳が受けたら骨折するのではないかというくらいの強さである。

「ちょっと待って下さいね。まずは、一番大きいやつから出します」

そう言うとアレクは、最後に倒した一番大きいサイズのサンダーバードを出す。

「・・・・待て!こいつは、キングサンダーバードじゃねぇか!なんちゅうもんを持ってきたんだ」

「キングサンダーバード?普通のサンダーバードと何が違うんですか?」

アレクが、首を傾げていると、グワッと受付嬢が両肩を掴んで揺らしながら語りだす。

「何を言っているんですか!大違いですよ!S級の魔物ですよ!大災害になっていなかったのが不思議なくらいです。繁殖期だったからよかったものの、もしアレク様が倒してくれなければ大変なことになっていました」

アレクは、そんな大変な魔物を倒していたんだと思ったが、そこまでの強さはなかったので実感が湧かないのである。

「ブッハハハ、こりゃ化け物だな。坊主、今すぐにS級にしてもらえ!」

バイロンが、笑いながら言う。

「待っていて下さい!今すぐギルドマスターを連れてきます」

受付嬢は、そう言って解体場を出ていくのだった。

「え?どういうこと...」

「まぁ、待ってりゃわかるさ。で、こいつは、どうする?」

「どうするとはどういうことですか?」

バイロンの言ってる意味がわからず、聞き返すアレク。

「全てギルドの買い取りでいいか?」

「えっと...もしかして肉は食えますか?」

「当たりめぇ~だ!キングサンダーバードの肉なんて滅多に出回らねぇ高級品だ」

アレクは、もしかしたらかなりおいしいのではないかと考える。

「じゃあ、肉以外を買い取りでお願いします」

「わかった!本来なら肉も売ってほしいが、仕方ねぇか。解体だが、これからギルドマスターとの話し合いになるだろうから、それまでに解体しといてやるよ。それと、他のサンダーバードもあるなら出してくれ」

アレクは、言われた通りサンダーバードを次々と出していく。

「待て待て!これ以上は出すな!解体場から溢れちまう!それよりもだ、こいつらは駄目だな...」

バイロンは、サンダーバードを見ながら首を振って駄目だと言う。

「何が駄目なんですか?」

「どうやったかは知らんねぇが、丸焦げだ。これじゃあ、肉も素材も使い物にならねぇな。次から倒すなら綺麗な状態で持って来い」

アレクとマンテ爺の合わせ技で倒した魔物は、まっ黒焦げになっているのだ。

「あ~確かに倒すことしか考えていませんでした。はい!次から気を付けます。じゃあ、片付けますね」

そう言ってアレクは、丸焦げサンダーバードを魔法鞄に入れていくのだった。

「うわっ...本当にキングサンダーバードですね。久し振りに見ましたよ」

アレクが、その声を聞いて振り返ると細身だが何とも言えない雰囲気を漂わせた人物がいたのであった。
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