チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第6章 帝国の侵略

第287話 魔ノ国に着いたはいいが、勲章に陞爵に大忙し!

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「皆様、お疲れ様でした。見事目的を果たされたようですね」

ワイバーン部隊の隊長ガリルが、着いて早々に声をかけてくる。

「なんとか無事に目的の者を捕縛できました。あとはお任せ致します」

ルーヘンが代表して答える。

「任せて下さい。ワイバーン部隊が責任を持って連行致します。この者をワイバーンに繋げ!」

ガリル隊長は、部下に指示を出して皇帝をワイバーンに括り付けるよう命令するのだ。また皇帝は、空の旅を楽しむことになる。

「では、皆様もお乗り下さい。魔王様と国王陛下がお待ちです」

簡単に、魔ノ国と王国の行き来ができるようになり、今回は陛下が魔ノ国を訪れているようである。

「はい!よろしくお願いします」

そう言うと、ルーヘン達はワイバーンに乗るのであった。
それから、空の旅を楽しんで魔王城に向かう。

「やはり帝国と魔ノ国は違うね...」

ルーヘンが、ワイバーンの上から魔ノ国の街と村を見ながら染み染み語るのだった。

「そこまで違いますか?」

ふと漏れた言葉を聞き逃さなかったガリル隊長が聞き返す。

「え?あ!聞こえてましたか?そうですね。活気もありますし、街や村は綺麗ですし、何より怯えがありません」

「これが当たり前だと思っていましたが、活気に怯えですか...考えただけで恐ろしい国ですね...」

ガリル隊長は、魔ノ国の街を見ながら、この国に生まれてよかったと思うのであった。
そういう話をしていると、魔王城が見えてくる。ガリル隊長が、手で指示を出して降下の準備態勢に入る。

「そろそろ降下致しますので、掴まっていて下さい」

今回は、歓迎の垂直降下などはせず普通に着陸地点に降下する。

「お疲れ様でした」

「送って頂きありがとうございます」

ルーヘンとガリルが、挨拶を交わす。すると、そこにジキタリスが走ってきたのだ。

「皆様、任務お疲れ様でした。無事にご帰還されたこと嬉しく思います。皇帝は、こちらで預からせて頂きます。そして...」

その後は、執事に案内されて風呂に行き、着替えを済ませて仮眠を取るルーヘン達。
オネルヴァとライネルは、疲れていたのだろう。一日中寝てしまったのであった。





「良くぞ無事に帰ってきた。余は、お前達を誇りに思う」

仮眠後、ラヴァーナと陛下がいる部屋に呼ばれたルーヘンとオレールとヘリオスは、感謝の言葉を投げかけられる。

「妾からもお礼を言わせてもらおう。あの忌まわしき皇帝を良くぞ捕まえてくれた。これで、平和が訪れるであろう。感謝するぞ。ジキタリス、あれを持って参れ」

ラヴァーナが、ジキタリスに指示を出すと、高級そうな箱を持ってくる。

「お主たちよ、前へ来るのだ」

そう言われた三人は、ラヴァーナの前にやってきて片膝をつく。

「ルーヘン男爵に、特別功労十字勲章を授ける」

「ヘリオス男爵に、特別功労十字勲章を授ける」

「オレール子爵に、特別功労十字勲章を授ける」

ラヴァーナが、一人一人の胸に勲章を付けていく。

「この勲章は、デストロイを倒したアレク達とお主たちしか持っておらん。一生贈られることないものだと考えてほしい」

アレク達は、既にラヴァーナから勲章を受け取っているようだ。魔ノ国では、名誉なことをした人物に勲章を贈る習わしがあるようだが、いまだかつてこの勲章を頂いた者はおらず、今回のデストロイと皇帝の件が、どれほど凄く魔ノ国にとって重要だったのかを物語っている。

「ありがとうございます」

ルーヘンが、そう述べるとオレールもヘリオスも続いて「ありがとうございます」と述べる。

「本当にありがとうございました。では、元の位置に下がって下さい」

本来であれば、下がるように欲するだけだが、本当に感謝しているのだろう。思わず感謝を述べるジキタリスである。

「勲章、良いな!王国でも採用したいくらいであるぞ。余からもお前達に伝えたいことがある三人の陞爵が決まった。それにともない大幅な領地変更が行われるので心しておくのだぞ」

なんと、ルーヘンとヘリオスが子爵に、オレールは伯爵になったのである。

「ちなみに、アレク達も陞爵が決まった。セバスとバトラーは相変わらず辞退しよったがな」

アレクは辺境伯にノックスは伯爵にパスクも今までの功績を称えて一気に伯爵に叙爵されたのだ。セバスとバトラーは、一生執事でいることを望んでいるということで辞退したとのことである。

「公式な場での陞爵や叙爵は、後日行われるであろう。ここだけの話であるが、余もそろそろ安寧がほしいのだ。信用の置ける者で固めておきたいのが事実である。お前達には、色々迷惑をかけるが頼んだぞ」

今回のデストロイや皇帝の件は、非公式で行われたことが多く、本来であれば陞爵はなく、密かに感謝を述べるだけで終わるはずだったが、陛下は早く改革を進めたいと望み、このような結果になったのだ。これにより、反発はあるだろうが無理矢理説き伏せようと考えているのである。だが、それにより一番割を食うのは、アレク達なのだ。その為に、陛下は最後に迷惑をかけると述べたのだった。
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