上 下
166 / 730
第6章 帝国の侵略

第281話 帝都の宿で作戦会議と寝坊助三人衆!

しおりを挟む
何台もの乗り合い馬車を乗り継いで、5日かけて帝都に着いたのであった。

「次のやつ、身分証を出せ」

これまでに訪れた街もそうなのだが、やはり偉そうな兵士ばかりなのだ。
そして、言われた通りに冒険者証を出すオレール達。

「冒険者か!とりあえず剣と防具...防具は皮か、なら剣を置いていけ!それと金もあるなら置いていけよ」

またまたオレール達は、言われた通りに剣や金を渡す。何故、逆らわないかというとここで騒ぎになりたくないのと、貴重品は魔袋に全て入れているからだ。

「素直でいいな。通っていいぞ。次のやつこい!」

素直に言うことを聞いたお陰ですんなりと中に入れてもらえた三人。

「あの対応に慣れてきた自分が情けなくなるよ...」

オレールとヘリオスがうんうんと頷きながら帝都を歩くのだった。

「とりあえず、宿を見つけてゆっくりしたいですね。ここまで休まず来ましたからね」

早くマルティル辺境伯の家族を救いたいと思った三人は、ノンストップで帝都まできたのである。

「そうだね。早く体を拭きたいのと服を着替えたいよ」

ルーヘンは、自分の服の匂いを嗅いで嫌な顔をするのであった。
それから、暫く歩くと無事に宿を見つけて、三人は体を拭いて新しい服に着替えることができた。

「作戦は、どのような感じですか?」

オレールが、今回の捕縛or殺害と奪還作戦を聞く。

「オレールに正面で暴れてもらっている間に、俺が皇帝を捕縛か殺害!ヘリオスは、マルティル辺境伯様の家族を救い出すという作戦だね」

今回に限り対等でいいということで、呼び捨てにするルーヘン。

「また私が、損な役回りですね。手加減なしに暴れ回っていいですか?」

「敵を引き付けてくれるならどんなことをしてもいいよ。一撃が強力で魔力量が一番多いオレールにしか任せられない役回りだからね」

ルーヘンが、本音で語るもオレールは、「はぁ~」とため息をついて「わかりましたよ」と渋々了承するのだった。

「俺とヘリオスは、速攻で終わらせる必要があるから出し惜しみなしに帝国兵士を倒していくよ。回復ポーションもあるしね。作戦終了の合図は...」

大きな魔法を打ち上げたら終了の合図として、それを確認したらオレールは、即時撤退することを言われる。

「わかりました。なんとか耐えてみせますよ。なるべく早く終わらせて下さいね。帝国兵士は、ゴキブリみたいに湧いてきそうですから」

オレールが、帝都に来てからの兵士の姿を思い浮かべて話すのだった。こう考えるのも、街を歩くと右を向いても左を向いても兵士だらけだったからである。

「任せてよ。すぐに終わらせるからさ」

「任せて下さい」

ルーヘンとヘリオスが、自信満々に返事を返してくる。

「それなら、私も努力しないといけませんね」

与えられた仕事は、きっちりこなさないといけないなと気合いを入れるオレール。

「いつ決行予定ですか?」

「明日の夜かな。それまでは、自由行動ということにしよう」

それから、旅の疲れがあったのだろう。その日は、早くに全員が床に就き、すぐに寝てしまうのだった。





なんと三人は、疲れていた所為か、決行日の夜まで寝てしまっていたのだ。

「やってしまいましたね。こんな時間まで寝てしまうとは...」

「本当に疲れていたんですね。それに、いつもより快調な気がしますよ」

「俺はまだ眠いよ。でもそうも言ってられないね。一仕事しますかね」

三人は、各々話しながらも着替えて準備をする。
そうして着替えた三人は、城へと向かうのであった。

「思った以上に兵士の数が多いですね。オレール殿、負担をかけますが、よろしくお願いします」

ヘリオスが、申し訳なさそうにオレールに言う。

「気にしないで下さい。元から簡単には行かないと思っていましたから。お互い全力で行きましょう」

有象無象が相手だとしても、数で押し切られてしまっては、どうすることもできないと思っているオレールは、最初から全力を出そうと言うのだった。

「間違えても城を破壊しないでくれるかい?俺達も死んじゃうからさ」

「わかっていますよ。なるべく当たらないようにしますね」

それを聞いた二人は、これは絶対当たるなと確信して、死なないように立ち回らなくてはと思うのであった。

「じゃあ、俺とヘリオスは、離れたところにいるから、派手にやっちゃってよ」

「わかりました。派手に開幕の狼煙を上げるとしますよ」

そう言ってオレールは、ニヤリと笑うのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。

しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹 そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる もう限界がきた私はあることを決心するのだった

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい

斑目 ごたく
ファンタジー
 「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。  さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。  失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。  彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。  そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。  彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。  そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。    やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。  これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。  火・木・土曜日20:10、定期更新中。  この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。