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第6章 帝国の侵略
第276話 救出と真実と卑劣な皇帝!
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ルーヘン達は、ネックレスに示された部屋へと入る。部屋を歩き回ると一箇所だけ濃い赤に光る場所があったのだ。
「ここを引っ剥がすよ」
三人で、赤く示された床を剥がしていく。すると、一箇所だけ床の下に金属で補強された場所があったのだ。
「任せて下さい。巨大な腕」
部下の一人がスキルを発動して腕を巨大化し、金属の床を難なく引っ剥がすのだった。
「ありがとう。でも、服と鎧の一部がボロボロだよ。今はいいけど騎士団の鎧を着ている時はやめてね。経費がかさむからさ」
こんな時でも笑いながら冗談を言うルーヘン。
「あはは...すみません。気をつけます」
頭を掻きながら苦笑いをして謝る騎士団の部下。
「よし、入ろう」
そう言って、下へと続く階段を下りていく三人であった。
地下へと繋ぐ階段は石壁で囲まれており、一番下へ着くと木のドアがあった。ルーヘンは、施錠されている鍵を壊してドアを開ける。
「あぁ、面倒なのが一人いるね。兵士二人は任せたよ。あの厄介そうなのは俺が相手するから」
「わかりました」
ドアを開けると、兵士二人と全身真っ黒な服装の敵がいた。ルーヘンは、一瞬にしてこの敵が、かなり強いと察する。
「あの~そこにいるマルティル辺境伯様は、王国の貴族なので解放してくれないかな?」
「断ると言ったら?」
「戦うしかないね。でも、帝国軍は壊滅して切り札のデストロイも拘束されたけど続けるかい?」
それを聞いた帝国軍兵士二人は、驚きの声を出すが、黒装束の敵は狼狽えることはなかった。
「そうか...その表情からして事実なのだろう。そうだな...取引きといかないか?引き渡す代わりに俺のことは見逃してくれないか?」
なんと取引きを持ち出してきたのだ。
ルーヘンは、暫く考えたあと返事をする。
「いいよ。その代わり本物じゃなかったら一生追い続けるけどいい?」
ジキタリスから変身のスキルか魔道具を使うから気をつけるように言われていたのだ。
「そこまでわかっているのか!ここにいるのは本物だが、いいことを教えてやる」
黒装束の男は、色々語りだした。1つ目は、何ヶ月もマルティル辺境伯は幽閉されており、裏切っていたのは、変身した帝国の人間だということ。2つ目は、マルティル辺境伯に変身した人物が、デストロイの強さと帝国の恐ろしさを語り裏切った王国の貴族を扇動していたこと。3つ目は、今回の侵攻に負けた場合、マルティル辺境伯と家族を人質に王国と交渉をしようとしていたこと。この三つを暴露してくれたのだ。
「どうだ?貴重な情報だろ?あと家族は、帝国にいるらしいな。失敗しても奴隷にするかおもちゃにできると皇帝は考えたらしいぞ」
それを聞いたルーヘンは、なんと卑劣なやつなんだと思うと同時に今回の裏切りは仕組まれた罠だったと知るのだった。
「俺は有り難いけど、そんな情報を軽々しく語ってよかったのかい?」
「構わない。俺は他国に逃げるだけだからな。それに、部下が戻ってこないところをみると捕まったか殺されたかだろう。俺は、早く逃げるだけだ」
部下とは、暗殺部隊のルーヘン達によって殺されたやつらのことである。そして、この黒装束の男はリーダーなのだろう。
「あとは、好きにしていいよ。目撃者は俺達しかいないからね」
いつの間にか、帝国の兵士二人はルーヘンの部下二人によって殺されていたのだ。
「じゃあ、そうさせてもらおう。これが、牢の鍵だ。あとは、ご自由に...もう会うことはないだろう」
そう言った暗殺部隊のリーダーは、スッと消えるのだった。
「ふぅ~戦いにならなくてよかったよ。壁をすり抜けたのか?姿を消したのか?知らないけど、そんなスキルを使われたら勝てないからね」
周りは石壁に囲まれているにも関わらず、一瞬にして姿を消した暗殺部隊のリーダーと戦闘にならなくてよかったと思うルーヘンであった。
それからルーヘンは、貰った鍵で牢を開けて中にいるマルティル辺境伯に声をかける。
「マルティル辺境伯様、ご無事ですか?第3騎士団団長のルーヘンです」
「ルー...ヘン...団長...俺は助か...たのか?家族は...無事か?」
マルティル辺境伯は、やせ細りしゃがれた声でたどたどしく話し始める。
「家族については後程!今は貴方様を連れ出します」
そう言って、部下にマルティル辺境伯を背負わせて来た道を戻って屋敷に戻るのだった。
「これは面倒なことになったね...君は、ここで待っててよ。俺が行くからさ」
屋敷を出ようとすると帝国兵士の団体さんがこっちに向かってやってきたのだ。この危機を抜け出す為にルーヘン自ら動くのだった。
「ここを引っ剥がすよ」
三人で、赤く示された床を剥がしていく。すると、一箇所だけ床の下に金属で補強された場所があったのだ。
「任せて下さい。巨大な腕」
部下の一人がスキルを発動して腕を巨大化し、金属の床を難なく引っ剥がすのだった。
「ありがとう。でも、服と鎧の一部がボロボロだよ。今はいいけど騎士団の鎧を着ている時はやめてね。経費がかさむからさ」
こんな時でも笑いながら冗談を言うルーヘン。
「あはは...すみません。気をつけます」
頭を掻きながら苦笑いをして謝る騎士団の部下。
「よし、入ろう」
そう言って、下へと続く階段を下りていく三人であった。
地下へと繋ぐ階段は石壁で囲まれており、一番下へ着くと木のドアがあった。ルーヘンは、施錠されている鍵を壊してドアを開ける。
「あぁ、面倒なのが一人いるね。兵士二人は任せたよ。あの厄介そうなのは俺が相手するから」
「わかりました」
ドアを開けると、兵士二人と全身真っ黒な服装の敵がいた。ルーヘンは、一瞬にしてこの敵が、かなり強いと察する。
「あの~そこにいるマルティル辺境伯様は、王国の貴族なので解放してくれないかな?」
「断ると言ったら?」
「戦うしかないね。でも、帝国軍は壊滅して切り札のデストロイも拘束されたけど続けるかい?」
それを聞いた帝国軍兵士二人は、驚きの声を出すが、黒装束の敵は狼狽えることはなかった。
「そうか...その表情からして事実なのだろう。そうだな...取引きといかないか?引き渡す代わりに俺のことは見逃してくれないか?」
なんと取引きを持ち出してきたのだ。
ルーヘンは、暫く考えたあと返事をする。
「いいよ。その代わり本物じゃなかったら一生追い続けるけどいい?」
ジキタリスから変身のスキルか魔道具を使うから気をつけるように言われていたのだ。
「そこまでわかっているのか!ここにいるのは本物だが、いいことを教えてやる」
黒装束の男は、色々語りだした。1つ目は、何ヶ月もマルティル辺境伯は幽閉されており、裏切っていたのは、変身した帝国の人間だということ。2つ目は、マルティル辺境伯に変身した人物が、デストロイの強さと帝国の恐ろしさを語り裏切った王国の貴族を扇動していたこと。3つ目は、今回の侵攻に負けた場合、マルティル辺境伯と家族を人質に王国と交渉をしようとしていたこと。この三つを暴露してくれたのだ。
「どうだ?貴重な情報だろ?あと家族は、帝国にいるらしいな。失敗しても奴隷にするかおもちゃにできると皇帝は考えたらしいぞ」
それを聞いたルーヘンは、なんと卑劣なやつなんだと思うと同時に今回の裏切りは仕組まれた罠だったと知るのだった。
「俺は有り難いけど、そんな情報を軽々しく語ってよかったのかい?」
「構わない。俺は他国に逃げるだけだからな。それに、部下が戻ってこないところをみると捕まったか殺されたかだろう。俺は、早く逃げるだけだ」
部下とは、暗殺部隊のルーヘン達によって殺されたやつらのことである。そして、この黒装束の男はリーダーなのだろう。
「あとは、好きにしていいよ。目撃者は俺達しかいないからね」
いつの間にか、帝国の兵士二人はルーヘンの部下二人によって殺されていたのだ。
「じゃあ、そうさせてもらおう。これが、牢の鍵だ。あとは、ご自由に...もう会うことはないだろう」
そう言った暗殺部隊のリーダーは、スッと消えるのだった。
「ふぅ~戦いにならなくてよかったよ。壁をすり抜けたのか?姿を消したのか?知らないけど、そんなスキルを使われたら勝てないからね」
周りは石壁に囲まれているにも関わらず、一瞬にして姿を消した暗殺部隊のリーダーと戦闘にならなくてよかったと思うルーヘンであった。
それからルーヘンは、貰った鍵で牢を開けて中にいるマルティル辺境伯に声をかける。
「マルティル辺境伯様、ご無事ですか?第3騎士団団長のルーヘンです」
「ルー...ヘン...団長...俺は助か...たのか?家族は...無事か?」
マルティル辺境伯は、やせ細りしゃがれた声でたどたどしく話し始める。
「家族については後程!今は貴方様を連れ出します」
そう言って、部下にマルティル辺境伯を背負わせて来た道を戻って屋敷に戻るのだった。
「これは面倒なことになったね...君は、ここで待っててよ。俺が行くからさ」
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