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第6章 帝国の侵略

第274話 陛下の依頼を断るアレク!犠牲者になる三人!

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トントントン
アントンが、陛下が待つ執務室をノックする。

「陛下、タカハシ伯爵をお連れ致しました」

「入ってよいぞ」

中から陛下の声がして入室の許可が下りる。
その声を聞いてアレクとアントンが執務室に入るのであった。

「アレク、無事でなによりだ。そして、今回も王国を救ってくれたこと感謝する」

陛下が頭を下げてお礼を言うのだった。

「陛下、頭をお上げ下さい。当たり前のことをしたまでです」

いつものように頭を下げる陛下に対して慌てるアレク。

「うむ。そう言われては、より一層アレクには頭が上がらないではないか。それはそうと、こうまで見た目が変わるのだな」

アレクは、20代半ばくらいになっており、アレクだと言われないとわからない容姿なのだ。

「一気に10歳以上年を取りましたので...ですが、明日のこの時間には元に戻っていますよ」

「うむ。アントン、今日中にパーティーを開けることが出来ればよかったのだがな。みんなの驚く顔が見てみたかったぞ」

「本当ですね。私も見てみたかったです」

二人は、大笑いをしながら、もしパーティーを開いたらどうなっていたかを想像するのだった。





「あの~そろそろ何故呼ばれたのか聞いてもよろしいですか?」

陛下とアントンが二人して長い時間盛り上がっているのを見せられ続けたアレクは、我慢の限界が来て問いかけるのであった。

「つい盛り上がってしまった。済まなかった。それで本題なのだが、帝国を滅ぼしてくれぬか?」

「え?」

滅ぼすという一言にアレクは、戸惑いの色を隠せずにいるのだった。

「待って下さい。帝国の民もという意味ですか?」

「あぁ、すまぬかった。言葉が足りぬかったな。城を破壊して皇帝を捕えてくれぬか?だが、無理なら生死は問わぬ!」

また俺に頼むのと思うアレクであったが、今回は断る理由があった。

「私もパスク殿もノックス殿も1ヶ月間はレベル10になるので戦闘はできませんよ。それなら、オレール殿とルーヘン殿とヘリオス殿に任せてみてはいかがですか?」

この三人なら失敗することはないだろうと推薦したのだ。

「うむ。それは残念ではあるが、オレール達であれば任せてよいな。アントン、3日後三人を召集してくれぬか?」

「ハッ!畏まりました」

心の中で三人に謝るアレクであった。「ごめん。いつかお返しはします」と。

「アレク、わざわざ呼び出してすまぬかったな。そして、今回のことについては、後日式典を開くのでな。頼んだぞ」

「はい!畏まりました」

一応返事はしたものの何を頼まれているのやらと思うアレクであった。ここで深く聞かなかったことが後の後悔に繋がるとは、この時はまだ知らないのである。




あれから、すぐに執務室を出てヘルミーナを迎えに行くのであった。

「ヘルミーナ、お待たせ」

伯爵令嬢というだけあって、城でも高価そうな部屋に案内されていたようだ。

「全然待ってないわ。それより、また頼まれ事?」

いつも陛下から何かしら頼まれているので見透かされているようだ。

「今回はちゃんと断ったよ。というより1ヶ月間は戦闘できないからね。のんびり過ごそうかなって」

「デートもできるのね?出来れば、明日デートしたいわ」

成長した貴重なアレクと一緒に歩きたいなと思うヘルミーナだった。

「いいね。デートしようか!それなら、ストレン領に行こう。久し振りに故郷でデートもいいと思うよ」

「そうね!そうしましょ。次はマンテ爺も一緒にね」

「ワシも、ええんか?邪魔にならんかのぅ?」

マンテ爺は、極力二人のデートを邪魔しないようにしようとしてくれているようなのだ。

「フフッ、マンテ爺は優しいわね。でも、家族でしょ?みんなでデートしましょ?」

「俺もマンテ爺がいてくれたら嬉しいな。お願い?マンテ爺」

そう言われたマンテ爺は、満更でもない表情をするが、恥ずかしいので顔を隠す。

「わかったわい。あとで邪魔になっても知らんぞい」

ツンデレなマンテ爺は、ちょっとツンツンした口調で返す。だが、心の中では嬉しくて笑っているのだ。

「邪魔にならないよ。じゃあ、デートの為に早く帰ろう。じゃあ転移するよ」

そう言って我が家に転移して帰るのだった。
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