チート薬学で成り上がり！ 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました！

第6章 帝国の侵略

第273話 戦後処理とアレク達の帰還！

アレク達が、村の場所に戻ると王国軍の勝利で幕を閉じていた。亡くなった兵士や亡くなった村人達を馬車に乗せて、負傷兵の治療や帝国軍の生き残りの捕縛をしているところであった。

「ルーヘンさん、ヘリオスさん終わったようですね」

アレクが、戦後処理をしている二人に声をかける。

「・・・・誰ですか？」

すると、ルーヘンとヘリオスは成長したアレクの姿を見て誰かわからないようだ。

「誰ってアレクですよ！薬で今はこの姿ですが...」

「アレクく...いやタカハシ伯爵様でしたか！これは失礼致しました」

アレクくんと言いかけたが、すぐにタカハシ伯爵と言い直すルーヘン。

「いつも通りにして下さいよ。ルーヘンさんが、畏まった言葉遣いをしたら変ですよ」

アレクは、笑いながらルーヘンに指摘をする。

「わかったよ。アレクくんの希望通りにするよ。それにしても、いきなりこんな大きくなって違和感しかないよ」

「そうですね。若き伯爵様としてならこの姿の方がしっくりきますけどね」

ルーヘンとヘリオスが、アレクの成長した姿をジロジロ見ながら話すのだった。

「そんなジロジロ見ないで下さいよ。それより、帝国軍は意外にあっさり片付きましたね」

5000人くらいの帝国軍vsルーヘンとヘリオスと騎士団と200人の一般兵士で圧勝したのである。

「あの時の戦いで強くなれたのと、このポーションのお陰で無限に復活できましたし、あっさり終わりましたよ」

ヘリオス曰く、負傷してもポーションで回復してまた戦いにすぐ出てくる。その繰り返しをされて帝国軍は次第に士気が下がったのだ。
更に、ルーヘンとヘリオスが、ゼロの部下との戦いでかなり強くなっており、5000人程度の有象無象など一瞬で蹴散らすだけの力をつけていたのである。

「あはは...それは敵も災難ですね...」

所謂、ゾンビアタックを無限に続けられて敵もお手上げ状態になったんだなと思うアレク。それを考えると同情の念が生まれるのだった。

「それでは、デストロイを連れていきますので、失礼しますね」

デストロイが逃げないようにパスクとノックスが脇を固めて護送している。しかし、デストロイは一切逃げる様子もなく、既に一人で歩ける状態まで回復しているのだ。

「皆さん転移しますから、こちらに来てください」

アレクが、呼びかけるとデストロイと戦ったみんなが近寄ってきて転移するのだった。

「転移は便利だな！俺も使えるようになりてぇな」

捕虜のはずのデストロイが、大笑いしながら明るく話すのだ。

「はぁ～お前、捕虜だってことわかってるのか？」

ノックスが、やれやれといった表情でデストロイを見る。

「俺は、尋問されて死ぬだけだろ？なら最後くらい最高の戦いをしたお前達と冗談を交わしてもいいと思うが！」

あっけらかんとしているデストロイに全員が、呆気に取られるのだった。

そんなやり取りをしていると、前からジキタリスとアントンがやってきた。

「遅くなって失礼しました。またしても、王国を救って頂き感謝します」

アントンが、頭を下げる。

「魔ノ国からも感謝を申し上げます。そして、この足枷をデストロイに着けさせてもらいます」

そう言うと、ジキタリスはデストロイの足に足枷をはめる。するとデストロイは、急に両足を着いて少し息が上がるのだ。

「ハァハァ、お前、なにをした？」

デストロイが、ジキタリスを睨みつけるように言う。

「これは、能力を最低まで下げてレベルを1にする足枷です。凶悪犯罪者が逃げないようにするものです」

魔ノ国の魔道具の発展は、他の国を凌駕していると思うアレク達であった。

「チッ！まともに歩けやしない。支えてくれ」

両腕がなく、両足に足枷をされては歩く事自体ままならないのである。そして、横にノックスとパスクが支えて、兵士の案内のもと牢屋に連れて行くのだった。

「アレクくん、陛下がお呼びです。今すぐ...」

「あなた～大丈夫？」

アントンが、陛下のところへ連れて行こうと言った時にヘルミーナが走って抱き着いてくる。

「ヘルミーナ、俺は元気だよ。こんな姿になっちゃったけどね」

「どんな姿でもあなたはカッコいいわ。最高の旦那様よ」

二人は、見つめ合いながら愛を確かめ合うのだった。

「ゴホン！よろしいですかな？陛下がお待ちですから、あとにして頂けると嬉しいのですが...」

アントンが、二人の空間に割って入るのだった。

「は、はい！申し訳ございません。ヘルミーナ、陛下と話し終わったら迎えに行くから待ってて」

「はい！あなたのお帰りをお待ちしています」

もう一度ギュッと抱きしめてから別れの挨拶を交わして陛下の下に行くのだった。