154 / 761
第6章 帝国の侵略
第269話 激突!強化ポーション軍団vsデストロイ!
しおりを挟む
「ザレド、俺の邪魔をするなよ」
辺境伯領から帝国軍はゆっくりと王都へと進軍を開始したのだった。
進軍を開始して暫くしたところで、デストロイがザレド伯爵に釘を刺す。
「全権を任されたワシ...」
反論しようとしたザレド伯爵に対して、ハルバートを出してきて脅しをかける。オレール戦でもそうだったのだが、ハルバートを自由自在に召喚できるスキルなのだ。
「なにか文句でもあるのか?もし、邪魔だと判断したらお前らでも容赦なく叩き斬るぞ」
そう言ってデストロイは、馬を走らせて先頭に行くのであった。
「ザレド伯爵様、あのような横暴許してよろしいのですか?」
「お前は、初の副官だったな?前の副官がどうなったか知りたいか?」
副官に任命された男が、デストロイの態度に遺憾の念を抱いてザレド伯爵に言う。
「前任の副官は、戦死されたとお聞きしています。まさか...」
「お前の考える通りだ。戦果を上げようとデストロイの邪魔をした瞬間殺された...」
それを聞いた副官は、黙ってしまうのだった。
「もし、戦果を上げる気で来ているなら諦めることだ。邪魔をしないように有象無象を殺すことだな」
「わかりました...」
半ば納得していない表情ではあるが、ザレド伯爵が言い返せない何かがあると察した副官はそれ以上なにも言わずに持ち場に戻るのであった。
「ふっははは、見られているな。そろそろ来るか!?」
デストロイが、1km先の何もないはずの木を眺めながら呟くのだった。
◆
「伝令!帝国軍が、この先の村まで来ています」
暗部の一人がルーヘンに伝える。
「全員止まれ!ご苦労様です!そうですか...もうここまで来ていますか。伝令ありがとうございます。ヘリオス、すぐに今のことを全員へ知らせてきて」
今回も副官としてついてきているヘリオスに伝令を頼むルーヘン。
「ハッ!畏まりました」
同じ男爵同士なので、ここまで畏まることはないのだが、真面目なヘリオスは、男爵同士だからといって上官に対して適当なことはしないようだ。
その後、ヘリオスが全員に伝令を済ませて戻ってくると、オレール達も先頭にやってくる。
「ルーヘン男爵、デストロイを見た瞬間、攻撃をして分断させようと思いますが構いませんか?」
オレールが、事前に考えた作戦をルーヘンに伝える。同じ場所で戦っていたら騎士団や一般兵士達にも甚大な被害がある為である。
「はい!構いません。それ程の相手なら分断してくれた方が助かります」
「ありがとうございます」
そして、セバス達には遭遇した瞬間、強化ポーションを全て服用して先制攻撃するように伝える。
◆
「もうすぐしたら村が見えてくるはず...あれは...全員戦闘準備!」
村が見えてきたのだが、火の手が上がって蹂躙されていたのだ。
だが、一人だけ参加していない者がいた。デストロイである。
「やっときたか!ん?お前生きて...ぐはぁっ...」
デストロイは、弱い者に興味はなく、村を襲う時は、いつも入口に座って待っているのだ。今回も、同じように待っていたのだが、強い気配を瞬時に察して、凄い勢いでこちらまでやってきたのである。
「では、ルーヘン男爵後は任せました」
「畏まりました。オレール子爵様」
デストロイが、話している時を狙って、強化ポーションを飲んだセバスが疾風迅雷改で瞬時に近付いて殴り、マクガリアスがスキルである瞬動で一気に近付いて棍棒で追い打ちをかけて吹き飛ばしたのだ。あまりの威力に棍棒が耐えきれず一撃で粉砕したのだった。
「なんて力だ!だが、集中を切らせると全てを持っていかれそうだな」
ノックスの時もそうであったが、ある一定以上のレベルと精神力があれば理性を保ちながら戦うことができるようだ。
「こいつは、久々にやり甲斐のある相手だ!俺も本気を出すか」
あり得ない程、遠くへ飛ばされたデストロイは、ムクッと立ち上がって何事もなかったかのように首をコキコキと鳴らすのであった。
「休む暇はない」
ジンが、高速で槍をデストロイ目掛けて刺すのであった。デストロイもハルバートを出してきて応戦するが、強化されたジンの方が早くデストロイに槍が突き刺さる。
「ふっははは、つぇ~な...たが、捕まえた」
槍を引き抜こうとするが、デストロイは筋肉で槍を締め付け、抜けないようにするのだ。
そして、ハルバートでジンを斬る。
「なんだと...」
強化されたジンの硬い鱗には全くダメージがなく、ジンは竜の息吹を目の前で放つのだった。
「ぐぁぁぁぁ」
デストロイは、悲痛な叫びをあげる。それもそのはずだ。ジンの槍が溶ける程の攻撃なのである。
「クソがぁぁぁぁあ」
だが、竜の息吹を浴びながらもデストロイは、悲痛な叫びから怒りの叫びへと変化するのであった。
辺境伯領から帝国軍はゆっくりと王都へと進軍を開始したのだった。
進軍を開始して暫くしたところで、デストロイがザレド伯爵に釘を刺す。
「全権を任されたワシ...」
反論しようとしたザレド伯爵に対して、ハルバートを出してきて脅しをかける。オレール戦でもそうだったのだが、ハルバートを自由自在に召喚できるスキルなのだ。
「なにか文句でもあるのか?もし、邪魔だと判断したらお前らでも容赦なく叩き斬るぞ」
そう言ってデストロイは、馬を走らせて先頭に行くのであった。
「ザレド伯爵様、あのような横暴許してよろしいのですか?」
「お前は、初の副官だったな?前の副官がどうなったか知りたいか?」
副官に任命された男が、デストロイの態度に遺憾の念を抱いてザレド伯爵に言う。
「前任の副官は、戦死されたとお聞きしています。まさか...」
「お前の考える通りだ。戦果を上げようとデストロイの邪魔をした瞬間殺された...」
それを聞いた副官は、黙ってしまうのだった。
「もし、戦果を上げる気で来ているなら諦めることだ。邪魔をしないように有象無象を殺すことだな」
「わかりました...」
半ば納得していない表情ではあるが、ザレド伯爵が言い返せない何かがあると察した副官はそれ以上なにも言わずに持ち場に戻るのであった。
「ふっははは、見られているな。そろそろ来るか!?」
デストロイが、1km先の何もないはずの木を眺めながら呟くのだった。
◆
「伝令!帝国軍が、この先の村まで来ています」
暗部の一人がルーヘンに伝える。
「全員止まれ!ご苦労様です!そうですか...もうここまで来ていますか。伝令ありがとうございます。ヘリオス、すぐに今のことを全員へ知らせてきて」
今回も副官としてついてきているヘリオスに伝令を頼むルーヘン。
「ハッ!畏まりました」
同じ男爵同士なので、ここまで畏まることはないのだが、真面目なヘリオスは、男爵同士だからといって上官に対して適当なことはしないようだ。
その後、ヘリオスが全員に伝令を済ませて戻ってくると、オレール達も先頭にやってくる。
「ルーヘン男爵、デストロイを見た瞬間、攻撃をして分断させようと思いますが構いませんか?」
オレールが、事前に考えた作戦をルーヘンに伝える。同じ場所で戦っていたら騎士団や一般兵士達にも甚大な被害がある為である。
「はい!構いません。それ程の相手なら分断してくれた方が助かります」
「ありがとうございます」
そして、セバス達には遭遇した瞬間、強化ポーションを全て服用して先制攻撃するように伝える。
◆
「もうすぐしたら村が見えてくるはず...あれは...全員戦闘準備!」
村が見えてきたのだが、火の手が上がって蹂躙されていたのだ。
だが、一人だけ参加していない者がいた。デストロイである。
「やっときたか!ん?お前生きて...ぐはぁっ...」
デストロイは、弱い者に興味はなく、村を襲う時は、いつも入口に座って待っているのだ。今回も、同じように待っていたのだが、強い気配を瞬時に察して、凄い勢いでこちらまでやってきたのである。
「では、ルーヘン男爵後は任せました」
「畏まりました。オレール子爵様」
デストロイが、話している時を狙って、強化ポーションを飲んだセバスが疾風迅雷改で瞬時に近付いて殴り、マクガリアスがスキルである瞬動で一気に近付いて棍棒で追い打ちをかけて吹き飛ばしたのだ。あまりの威力に棍棒が耐えきれず一撃で粉砕したのだった。
「なんて力だ!だが、集中を切らせると全てを持っていかれそうだな」
ノックスの時もそうであったが、ある一定以上のレベルと精神力があれば理性を保ちながら戦うことができるようだ。
「こいつは、久々にやり甲斐のある相手だ!俺も本気を出すか」
あり得ない程、遠くへ飛ばされたデストロイは、ムクッと立ち上がって何事もなかったかのように首をコキコキと鳴らすのであった。
「休む暇はない」
ジンが、高速で槍をデストロイ目掛けて刺すのであった。デストロイもハルバートを出してきて応戦するが、強化されたジンの方が早くデストロイに槍が突き刺さる。
「ふっははは、つぇ~な...たが、捕まえた」
槍を引き抜こうとするが、デストロイは筋肉で槍を締め付け、抜けないようにするのだ。
そして、ハルバートでジンを斬る。
「なんだと...」
強化されたジンの硬い鱗には全くダメージがなく、ジンは竜の息吹を目の前で放つのだった。
「ぐぁぁぁぁ」
デストロイは、悲痛な叫びをあげる。それもそのはずだ。ジンの槍が溶ける程の攻撃なのである。
「クソがぁぁぁぁあ」
だが、竜の息吹を浴びながらもデストロイは、悲痛な叫びから怒りの叫びへと変化するのであった。
97
お気に入りに追加
6,126
あなたにおすすめの小説
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。