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第6章 帝国の侵略

第269話 激突!強化ポーション軍団vsデストロイ!

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「ザレド、俺の邪魔をするなよ」

辺境伯領から帝国軍はゆっくりと王都へと進軍を開始したのだった。
進軍を開始して暫くしたところで、デストロイがザレド伯爵に釘を刺す。

「全権を任されたワシ...」

反論しようとしたザレド伯爵に対して、ハルバートを出してきて脅しをかける。オレール戦でもそうだったのだが、ハルバートを自由自在に召喚できるスキルなのだ。

「なにか文句でもあるのか?もし、邪魔だと判断したらお前らでも容赦なく叩き斬るぞ」

そう言ってデストロイは、馬を走らせて先頭に行くのであった。

「ザレド伯爵様、あのような横暴許してよろしいのですか?」

「お前は、初の副官だったな?前の副官がどうなったか知りたいか?」

副官に任命された男が、デストロイの態度に遺憾の念を抱いてザレド伯爵に言う。

「前任の副官は、戦死されたとお聞きしています。まさか...」

「お前の考える通りだ。戦果を上げようとデストロイの邪魔をした瞬間殺された...」

それを聞いた副官は、黙ってしまうのだった。

「もし、戦果を上げる気で来ているなら諦めることだ。邪魔をしないように有象無象を殺すことだな」

「わかりました...」

半ば納得していない表情ではあるが、ザレド伯爵が言い返せない何かがあると察した副官はそれ以上なにも言わずに持ち場に戻るのであった。

「ふっははは、見られているな。そろそろ来るか!?」

デストロイが、1km先の何もないはずの木を眺めながら呟くのだった。





「伝令!帝国軍が、この先の村まで来ています」

暗部の一人がルーヘンに伝える。

「全員止まれ!ご苦労様です!そうですか...もうここまで来ていますか。伝令ありがとうございます。ヘリオス、すぐに今のことを全員へ知らせてきて」

今回も副官としてついてきているヘリオスに伝令を頼むルーヘン。

「ハッ!畏まりました」

同じ男爵同士なので、ここまで畏まることはないのだが、真面目なヘリオスは、男爵同士だからといって上官に対して適当なことはしないようだ。

その後、ヘリオスが全員に伝令を済ませて戻ってくると、オレール達も先頭にやってくる。

「ルーヘン男爵、デストロイを見た瞬間、攻撃をして分断させようと思いますが構いませんか?」

オレールが、事前に考えた作戦をルーヘンに伝える。同じ場所で戦っていたら騎士団や一般兵士達にも甚大な被害がある為である。

「はい!構いません。それ程の相手なら分断してくれた方が助かります」

「ありがとうございます」

そして、セバス達には遭遇した瞬間、強化ポーションを全て服用して先制攻撃するように伝える。





「もうすぐしたら村が見えてくるはず...あれは...全員戦闘準備!」

村が見えてきたのだが、火の手が上がって蹂躙されていたのだ。
だが、一人だけ参加していない者がいた。デストロイである。

「やっときたか!ん?お前生きて...ぐはぁっ...」

デストロイは、弱い者に興味はなく、村を襲う時は、いつも入口に座って待っているのだ。今回も、同じように待っていたのだが、強い気配を瞬時に察して、凄い勢いでこちらまでやってきたのである。

「では、ルーヘン男爵後は任せました」

「畏まりました。オレール子爵様」

デストロイが、話している時を狙って、強化ポーションを飲んだセバスが疾風迅雷改ニューライトニングストームで瞬時に近付いて殴り、マクガリアスがスキルである瞬動で一気に近付いて棍棒で追い打ちをかけて吹き飛ばしたのだ。あまりの威力に棍棒が耐えきれず一撃で粉砕したのだった。

「なんて力だ!だが、集中を切らせると全てを持っていかれそうだな」

ノックスの時もそうであったが、ある一定以上のレベルと精神力があれば理性を保ちながら戦うことができるようだ。

「こいつは、久々にやり甲斐のある相手だ!俺も本気を出すか」

あり得ない程、遠くへ飛ばされたデストロイは、ムクッと立ち上がって何事もなかったかのように首をコキコキと鳴らすのであった。

「休む暇はない」

ジンが、高速で槍をデストロイ目掛けて刺すのであった。デストロイもハルバートを出してきて応戦するが、強化されたジンの方が早くデストロイに槍が突き刺さる。

「ふっははは、つぇ~な...たが、捕まえた」

槍を引き抜こうとするが、デストロイは筋肉で槍を締め付け、抜けないようにするのだ。
そして、ハルバートでジンを斬る。

「なんだと...」

強化されたジンの硬い鱗には全くダメージがなく、ジンは竜の息吹を目の前で放つのだった。

「ぐぁぁぁぁ」

デストロイは、悲痛な叫びをあげる。それもそのはずだ。ジンの槍が溶ける程の攻撃なのである。

「クソがぁぁぁぁあ」

だが、竜の息吹を浴びながらもデストロイは、悲痛な叫びから怒りの叫びへと変化するのであった。
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