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第6章 帝国の侵略

第266話 王城での会議と魔ノ国に援軍要請!

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オレールが、王城へ辿り着いたのは夜中であった。腕輪の力で肉体的には回復したものの、戦闘での精神的疲労までは回復しておらず、更には飛行フライ+風魔法を最大限まで上げて飛ばしてきたので、魔力も半分以上使い疲労困憊であり、王城に着いた瞬間に倒れたのであった。

「宰相様にご報告がございます」

アントンが、溜まった書類仕事を夜中に片付けていると慌てて文官の一人が部屋へ駆け込んできたのだ。

「こんな夜更けにどうしたのですか?何か緊急事態でも?」

普段なら夜中にノックもなしに部屋へ入ってくることもないので、緊急事態だと察して責めるようなことはしないアントン。

「はい!オレール子爵様が王城にやってきたのですが、着いた瞬間に倒れ、倒れる間際に帝国が来たと呟きながら気絶したそうです」

それを聞いたアントンは、すぐさま立ち上がり、なんてことだと慌てる。

「今すぐに陛下の部屋に行きますから、緊急会議の用意を進めて下さい。そして、オレール子爵が起き次第、すぐに私に報告しなさい」

本来であれば、秘密裏に動いていた事実もある為、ギリギリまでは信用のおける人物で会議を進めるべきなのだろうが、ここまで大事になり王城内でもオレールの発言が出回っているだろう状況で隠すのはおかしなことになりかねないと緊急会議を開くことを指示するのであった。





それから、武官・文官・王城内の貴族が集められて緊急会議の準備が進められていた。そこへ、寝ていたウズベル王がやってくる。

「皆の者、話は聞いておるかも知れぬが、たった今オレール子爵から報告があり、帝国が攻めてきたという情報が入った。アントンあっておるな?」

「ハッ!オレール子爵は、王城に着いた段階で意識を失った為、詳しい情報はまだ入っておりませんが概ね合っております」

陛下の言葉に対してアントンが同意するように返答をする。

「陛下!お聞きしてもよろしいでしょうか?」

一人の貴族が、陛下に問いかける。

「どうしたのだ?申してみよ!」

「オレール子爵は、何か特別な任務に就いていたのでしょうか?帝国が攻めてきたというのは大きな情報ですが、会議を開くには、あまりにも情報が少なすぎると思いまして...」

ゼロの部下達が、攻めてきた時にいた王城で働いていた貴族達は官職に追いやられて、より実力のある者に入れ替えたのだ。その為、以前とは違い、まともなことを聞いてくるのであった。

「特別任務は命令した。だが、それを公にはできんのだ。すまぬ!それから、会議では戦争になった場合の話し合いを先持って進める為に集めたのだ。情報は少ないが、お前達の力を貸してくれぬだろうか?」

ウズベル王は、頭を下げて全員に謝りお願いをする。それを見たみんなは、慌てて頭を上げるように欲する。

「陛下!今すぐに頭をお上げ下さい。秘密裏に行われている以上お聞きすることが出来ないことはわかりました。それでは宰相様、今ご報告して頂ける情報をお願いできますか?」

前のようにあーだこーだと御託を並べる貴族ではなく、しっかりと現状を見ることが出来る貴族のようである。

「では、お話出来る...」

トントントン!

アントンが、話し始めようとした時に、ノック音が会議室に流れている。

「誰ですか?会議中ですよ」

アントンが、緊急会議ということもあって、少し強めに言う。

「オレールです。知らせねばならない情報がありますので、入室の許可を頂けませんか?」

なんと気絶していたオレールが、こんな早く目覚めて情報を伝えにきたのであった。

「オレール子爵、今すぐ入りなさい」

アントンが陛下を見ると首を縦に振り、入る許可を出したので入るように欲する。

「はい!失礼します」

オレールが、会議室のドアを開けて入室する。

「すまぬが、すぐに何があったか聞かせてくれないか?」

ウズベル王は、労いの言葉をかける必要があるとは分かりつつも緊急事態だということで、すぐに本題に入ろうとする。

「わかりました。ですが、まずは人払いをお願いできますか?」

緊急事態ではあるが、特別任務の内容もある為、陛下とアントン以外は席を外して貰うようお願いをする。

「皆の者、すまぬが暫し席を外してくれぬか?」

ウズベル王が、その場にいる全員に言うと、誰も反発することなく、席を立ち上がり部屋を出て行く。

「これでよいか?そして、何があったか話してくれぬか?」

「はい!まず...」

オレールは、辺境伯領に着いた段階で、門が閉じられ帝国の兵士が既にいたこと、マルティル辺境伯を捕らえることは出来なかったこと、そして化け物級に強いデストロイ将軍との交戦があり、復活は出来たが一度死んだことを伝えた。

「なんということなのだ...もう辺境伯領が占拠されたというのか...アントン今すぐに会議の続きをする。そして、魔ノ国に協力要請を頼むのだ」

「ハッ!畏まりました」

その後、会議は朝方まで続き、兵の召集が行われて魔ノ国からも続々と援軍が駆け付けるのであった。
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