チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第5章 大和ノ国へ出発

第260話 大和ノ国から帰国する日に最悪な知らせが届く!

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大和ノ国から帰国する日を迎えて、持東親王に昨日のお礼を言う為に訪れていた。

「持東親王様、昨日どうしても必要となり、こちらを使用させて頂きました...」

四角い板を取り出して昨日の出来事を説明をする。

「ふっははは、何があったかは聞いている。大立ち回りをしたそうじゃないか」

てっきり少しは怒られてしまうかと思っていたアレクは、全然怒るような素振りを見せない持東親王に驚く。

「お恥ずかしい話ですが、妻に対して色目やあのような言葉を言われてしまい、ついカッとなってしまいました」

「いや、当たり前のことだ。だが、この国にそのような不貞な者がいることが悩ましい。せっかくの旅行を台無しにしてしまいすまなかった。国を担う者として謝罪させてくれ」

あぐらをかいていた持東親王は、いきなり両膝と両手をついて謝ってきたのだ。それを見たアレクは慌てて止めに入る。

「頭をお上げ下さい!持東親王様は、何も悪くないではありませんか」

「いや!国を担う者としては、それではいけない。だがアレク、また大和ノ国へ遊びに来てくれるだろうか?」

それでも、国民がしでかしたことである為、絶対に頭を上げようとはしない持東親王である。

「え?遊びに!?絶対来ますよ!街並みは素晴らしく、料理もおいしく、素敵な物がいっぱいあって、素敵な人達ばかりですからね」

「そうかそうか!そう言って貰えると嬉しく思うよ」

顔をやっと上げてくれた持東親王は、満面の笑みで話を返してきたのだ。

「あ!忘れるところでした。これは、今回のお礼です。持東親王様だからこそお渡し致します」

ポーションの入った瓶を1つ取り出して持東親王に渡すアレク。

「これは、ポーション?」

「はい!エリクサーでございます。持東親王様なら公言はされず、適切な場で使って頂けると信じてお渡し致します」

それを聞いた持東親王は、驚きのあまり後ろにコケてしまうのであった。

「な、な、な、なんとエリクサー!本当なのか?」

「はい!一部の人にしか話してませんので、絶対に公言してほしくはないのですが、私が作りました」

「ふふっふっははは、こんなことがあるとは...これは天啓だ」

急に大笑いをしだす持東親王に、何事なのかと思うアレク。

「急にどうしたのですか?」

「これはすまない。長年仕えてくれた家臣がいたのだが、帝国との戦争で味方を庇い腕を斬り落とされた者がいるのだ。治してやれると思うと嬉しくなってしまって...」

またしても、帝国が関わっていることにどれだけ周りに迷惑をかける国なんだと思うアレク。

「持東親王様~お話し中に申し訳ございません!緊急の連絡です」

アレクと持東親王が、話し合っているところへ、最初に案内をしてくれた文官の男が多慌てでやってくる。

「どうしたのだ?今大事な話し合いをしているところだぞ」

持東親王も、いつもより強い口調で話しかける。

「そ、それが、魔ノ国のジキタリス様が参っておりまして、王国に帝国が攻め込んで来ているとのことで、至急アレク伯爵様一行は、ウズベル王国に帰還してほしいとのことです」

言葉が乱れており、本当に緊急だと言うことが伝わる。

「アレク、早く行きなさい!」

「は、はい!持東親王様、また必ず会いに来ます」

そう言って文官の指示に従って、転移魔道具のある部屋に向かうのであった。
すると、すでにみんなが集まっていて、ジキタリスから話を聞いているようであった。

「アレク伯爵!今すぐにウズベル王国に転移してください。すでに四天王が救援に向かっております」

「はい!わかりました。みんな集まって」

ジキタリスが、珍しく慌てているようで、切羽詰まった状況を醸し出す。

「転移」

王城に転移すると、文官や武官が慌ただしく動き回っていた。

「アレク伯爵、お待ちしておりました。今すぐに、向かってほしい場所がございます」

アントンがアレクを見つけて駆け寄ってくる。

「どこに行けばいいのですか?」

「マルティル辺境伯が治めている領地に向かって下さい。なんとか食い止めてはいますが、切羽詰まった状況です」

アントンは、悲痛な思いでアレクに伝える。

「アントンさん、ヘルミーナを城で匿って下さい。師匠、パスク、マンテ爺行きましょう」

アントンは、ヘルミーナのことは任せるように言い、ノックスとパスクとマンテ爺は、任せろといった感じで応える。

「あなた、必ず無事で戻ってきて下さい。あなたがいなくなったら私...」

最悪な事態を想定して泣いてしまったヘルミーナを抱きしめるアレク。

「大丈夫!必ず帰ってくるから安心して待ってて」

そう言い残して、アレク達は戦場に向かうのであった。
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