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第5章 大和ノ国へ出発
第258話 朝チュンからのアレクとヘルミーナのデート!
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チュンチュンと鳥が鳴いている。魔ノ国と違ってこういう朝の鳥ですら日本に近いのである。
「ふわぁぁぁ~」
アレクが、伸びをしながら大あくびをする。
「あなた、おはよう」
「ごめん!起こしたかな?」
「ううん。起きていたから大丈夫よ...ってあなた...ん!あっ!」
アレクは、寝起きのかわいいヘルミーナに我慢が出来ず抱きしめてキスをする。その後は、言わずもがなである。
◆
「もうあなたたら...朝から激しすぎるわよ」
ベッドの上のシーツは、あり得ない程乱れていた。アレク自身もここまで自我を失う程、ヘルミーナのことを愛しているんだと再確認する。
「ごめん...あまりに可愛いから我慢できなくて」
申し訳無さそうにシュンとなるアレク。それを見たヘルミーナは、優しく頭を撫でるのだ。
「フフッ、嬉しいから謝らなくていいのよ。私だって幸せを感じるもの。でも、今日はこれからデートに連れて行ってくれるのよね?」
アレクは、欲望のままに動いていたが、デートと聞いて、あっ!となる。
「そうだね。明日には帰るから早く行かないと時間なくなっちゃう...」
「デートのこと忘れてたでしょ?」
ジト目でアレクのことを見るヘルミーナにアレクは慌てる。
「ごめんなさい!衝動に駆られて記憶から消えてました~」
その場で土下座をするアレク。それを見たヘルミーナは、クスクスと笑うのだった。
「もういいわ。それより、湯浴みをしてから出掛けましょ」
尾を引かないヘルミーナに救われるのであった。アレクは、こういう性格も好きになった要因なのである。
「うん。そうしよう」
◆
それから、旅館にある湯浴み場で体を綺麗にしてからアレクとヘルミーナは、ロビーに集まる。ちなみにマンテ爺は、気を遣ってくれたのか、昨晩からパスクの部屋に行ってくれているのだ。
「どこに行くか決めてるの?」
「着いてからのお楽しみと言うことで、ほら行くよ」
ヘルミーナの手を握って街に出るのであった。
「初日は、ゆっくり観光出来なかったからあまり見られなかったけど、王国とは全然違う世界よね?」
ゆっくり見れなかったのは、師匠が悪いとは言えないアレクは、苦笑いを浮かべるのであった。しかし、ヘルミーナの言う通り建物や街ゆく人の衣服からして王国とは全然違うのである。
「本当だね。だからこそ余計に旅行に来たって感じがするよ」
「フフッ、確かにそうね。何故か時間がゆっくり流れている気がするわ」
走っている人や慌てている人が誰もいないので、自然とそう感じてしまうのだろう。
「じゃあ、俺達もこの国の住人になろう。まずは、この店だよ」
「ここの住人に?なんのお店なのかしら?」
外観からは一切どんなお店か、想像できない感じであった。
だが、中に入ると袴や浴衣や着物が展示されている。所謂、呉服屋である。
「いらっしゃいませ。これは珍しいお客様だこと。ゆっくり見ていって下さいね」
着物を着た和をイメージする黒髪のキレイな女性が出迎えてくれた。
「私と彼女に似合う着物を選んでもらえませんか?」
「あなた、この国の住人になるって、そう言うことだったのね。でも、着てみたかったし嬉しいわ」
「似合う着物ですね。お任せ下さい。ちょっと、こちらの旦那様をお願い出来るかしら?私は、奥様を担当するわ」
どうやら、男女別々のところで着付けをするようなので担当を分けて対応するらしい。そして、アレクの担当として呼ばれたのが、30代だとは思うが、また別嬪さんであった。
「奥様を虜にする着物をお選び致しますので、こちらに付いてきて下さい」
「奥様、私達も行きましょう。旦那様に、かわいいと言って頂ける物をご用意致しますわ」
「は、はい!」 「よ、よろしくお願いします」
アレクもヘルミーナも、店員さんのやる気に満ちた表情にタジタジになるのであった。
それから、何着か着付けをする二人は、お互いに気に入ったものを見つけて店員さんもOKを出してくれたので、それを買うことにした。
そして、お互いが着付けしていた部屋から出てきてご対面する。
「わぁぁ!ヘルミーナ、凄く似合っているしかわいいよ」
「あなたこそ、いつもカッコいいけど、それ以上にカッコいいわ」
ヘルミーナは、帯は白で全体は黄色を基調とした花柄が散りばめられたかわいい着物であった。
アレクは、茶を基調としたレトロモダンな感じの着物であった。
「あら~ご馳走さま」
店員さんが、二人の甘酸っぱい姿を見て言う。それを聞いた二人は顔を赤くして恥ずかしがるのであった。
「お二人ともお似合いですよ。異国の方が着る姿など滅多にお目にかかれませんが、ここまでお似合いになるとは驚きました」
「ありがとうございます」
褒められて嬉しさもあるが、気恥ずかしさもある二人は頬を染めるのである。
それから、アレクは会計を済ませて二人で街に戻るのだった。
「あなた、凄く見られてるわね」
「そうだね。物珍しいんだよきっと。それに、ヘルミーナがかわいいからね」
「フフッ、ありがとう。あなたもカッコいいわ」
街ゆく人にアレク達は見られるのだ。日本でも外国人が着物を着たりしたら見られるあれである。
「おっ!かわいい姉ちゃんじゃねぇか!俺達と遊ばねぇか?」
幸せいっぱいの二人の前に、4人組の若い男達が声をかけてくるのであった。
「ふわぁぁぁ~」
アレクが、伸びをしながら大あくびをする。
「あなた、おはよう」
「ごめん!起こしたかな?」
「ううん。起きていたから大丈夫よ...ってあなた...ん!あっ!」
アレクは、寝起きのかわいいヘルミーナに我慢が出来ず抱きしめてキスをする。その後は、言わずもがなである。
◆
「もうあなたたら...朝から激しすぎるわよ」
ベッドの上のシーツは、あり得ない程乱れていた。アレク自身もここまで自我を失う程、ヘルミーナのことを愛しているんだと再確認する。
「ごめん...あまりに可愛いから我慢できなくて」
申し訳無さそうにシュンとなるアレク。それを見たヘルミーナは、優しく頭を撫でるのだ。
「フフッ、嬉しいから謝らなくていいのよ。私だって幸せを感じるもの。でも、今日はこれからデートに連れて行ってくれるのよね?」
アレクは、欲望のままに動いていたが、デートと聞いて、あっ!となる。
「そうだね。明日には帰るから早く行かないと時間なくなっちゃう...」
「デートのこと忘れてたでしょ?」
ジト目でアレクのことを見るヘルミーナにアレクは慌てる。
「ごめんなさい!衝動に駆られて記憶から消えてました~」
その場で土下座をするアレク。それを見たヘルミーナは、クスクスと笑うのだった。
「もういいわ。それより、湯浴みをしてから出掛けましょ」
尾を引かないヘルミーナに救われるのであった。アレクは、こういう性格も好きになった要因なのである。
「うん。そうしよう」
◆
それから、旅館にある湯浴み場で体を綺麗にしてからアレクとヘルミーナは、ロビーに集まる。ちなみにマンテ爺は、気を遣ってくれたのか、昨晩からパスクの部屋に行ってくれているのだ。
「どこに行くか決めてるの?」
「着いてからのお楽しみと言うことで、ほら行くよ」
ヘルミーナの手を握って街に出るのであった。
「初日は、ゆっくり観光出来なかったからあまり見られなかったけど、王国とは全然違う世界よね?」
ゆっくり見れなかったのは、師匠が悪いとは言えないアレクは、苦笑いを浮かべるのであった。しかし、ヘルミーナの言う通り建物や街ゆく人の衣服からして王国とは全然違うのである。
「本当だね。だからこそ余計に旅行に来たって感じがするよ」
「フフッ、確かにそうね。何故か時間がゆっくり流れている気がするわ」
走っている人や慌てている人が誰もいないので、自然とそう感じてしまうのだろう。
「じゃあ、俺達もこの国の住人になろう。まずは、この店だよ」
「ここの住人に?なんのお店なのかしら?」
外観からは一切どんなお店か、想像できない感じであった。
だが、中に入ると袴や浴衣や着物が展示されている。所謂、呉服屋である。
「いらっしゃいませ。これは珍しいお客様だこと。ゆっくり見ていって下さいね」
着物を着た和をイメージする黒髪のキレイな女性が出迎えてくれた。
「私と彼女に似合う着物を選んでもらえませんか?」
「あなた、この国の住人になるって、そう言うことだったのね。でも、着てみたかったし嬉しいわ」
「似合う着物ですね。お任せ下さい。ちょっと、こちらの旦那様をお願い出来るかしら?私は、奥様を担当するわ」
どうやら、男女別々のところで着付けをするようなので担当を分けて対応するらしい。そして、アレクの担当として呼ばれたのが、30代だとは思うが、また別嬪さんであった。
「奥様を虜にする着物をお選び致しますので、こちらに付いてきて下さい」
「奥様、私達も行きましょう。旦那様に、かわいいと言って頂ける物をご用意致しますわ」
「は、はい!」 「よ、よろしくお願いします」
アレクもヘルミーナも、店員さんのやる気に満ちた表情にタジタジになるのであった。
それから、何着か着付けをする二人は、お互いに気に入ったものを見つけて店員さんもOKを出してくれたので、それを買うことにした。
そして、お互いが着付けしていた部屋から出てきてご対面する。
「わぁぁ!ヘルミーナ、凄く似合っているしかわいいよ」
「あなたこそ、いつもカッコいいけど、それ以上にカッコいいわ」
ヘルミーナは、帯は白で全体は黄色を基調とした花柄が散りばめられたかわいい着物であった。
アレクは、茶を基調としたレトロモダンな感じの着物であった。
「あら~ご馳走さま」
店員さんが、二人の甘酸っぱい姿を見て言う。それを聞いた二人は顔を赤くして恥ずかしがるのであった。
「お二人ともお似合いですよ。異国の方が着る姿など滅多にお目にかかれませんが、ここまでお似合いになるとは驚きました」
「ありがとうございます」
褒められて嬉しさもあるが、気恥ずかしさもある二人は頬を染めるのである。
それから、アレクは会計を済ませて二人で街に戻るのだった。
「あなた、凄く見られてるわね」
「そうだね。物珍しいんだよきっと。それに、ヘルミーナがかわいいからね」
「フフッ、ありがとう。あなたもカッコいいわ」
街ゆく人にアレク達は見られるのだ。日本でも外国人が着物を着たりしたら見られるあれである。
「おっ!かわいい姉ちゃんじゃねぇか!俺達と遊ばねぇか?」
幸せいっぱいの二人の前に、4人組の若い男達が声をかけてくるのであった。
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