136 / 730
第5章 大和ノ国へ出発
第251話 老永の女将さんに試される!?
しおりを挟む
「なんだが、戦ったら腹が減ったな。アレク坊行くぞ」
「えっ?師匠、挨拶とかはいいんですか?」
蔵之介の周りには子供達が集まりワァァァと盛り上がっているので、挨拶し辛い雰囲気ではあるが、流石に戦った相手に何も言わず去るのはどうかと思うのであった。
「ん?そうか?じゃあ、蔵之介~また来るからな。次は、あっさり勝たせてもらう」
なんちゅう挨拶をかましとんねんと思うアレク。
「もう行くでござるか?寂しいでござるな。私も次は勝つでござるよ。いつでも来るでござる」
蔵之介も似たようなものだったので、これでいいのかと納得するのだった。
「よし、挨拶したぞ。なんて店かは忘れたが、あのおっさんが言ってた店にいくぞ」
「師匠、わかりましたから、その前に清潔で綺麗して破れた服を着替えて下さい」
砂埃と血で汚れており、胸はぱっくり破けているのだ。そんな格好で街中を歩いたらみんな驚くでしょと思うアレク。
「ん?あ!こりゃ酷いな。ちょっと着替えてくる」
そう言って、別れたはずの蔵之介に部屋を借りに行くノックスであった。
◆
それから数分後、着替えを終えて戻ってきたはいいのだが、何故か袴姿だったのだ。
「え?その姿...」
「あぁ、蔵之介が着ていけと言うから貰ったんだ。着てみたら案外楽でいいぞ。涼しいしな」
何故似合うというくらい似合っているノックスに、ちょっと嫉妬するアレク。ワイルドイケメンに袴がここまで似合うとはズルいと思うのだった。
「師匠だけいいですね。ご飯を食べたら俺達も買いに行こう」
アレクも人生一度でいいから袴を着てみたいと思っていたのだ。それに、ヘルミーナの袴姿も見たいと思ってしまったのである。
「私も着てみたいです。異国の文化に触れるのはいいことですよ」
パスクもどうやらノックスの袴姿を見て羨ましかったようだ。
「女性用があるなら着てみたいわ」
「あると思うよ。可愛らしい感じのやつだと思う」
「なら興味あるわね。じゃあ、あとで行きましょう」
ヘルミーナも、可愛らしいと聞いて着てみたくなったようだ。
「とりあえずは、紹介された老永に行ってみよう」
◆
それからアレク達は、老永に着いたのだった。老永は、日本でいう老舗のお店という佇まいで一元様お断りではないかと思わせるほどであった。
「ここだよね?入って大丈夫かな?」
「大丈夫だとは思うけど、高級そうな感じね」
「ワシみたいな魔獣が入って大丈夫なのかのぅ?」
ヘルミーナとマンテ爺も心配しながら店の前で呟くのだった。
「入ってみりゃわかるだろ!行くぞ」
ノックスは、お構いなしに引き戸を開けて中に入っていくのだった。
「あそこで屋台をしている店主の紹介で来たんだが、飯は食えるか?」
ノックスは、いつもと変わらない口調で話しかける。見ているこっちは心強いがハラハラドキドキである。
「いらっしゃいませ!屋台で紹介というと源さんかしら?どうぞお入りになって下さい」
その言葉にアレク以外は、ちんぷんかんぷんなのである。何故かというと、全て日本語なのだ。
「なんて言ってるんだ?」
「さぁさぁ~お入りになって下さい」
アレクは、試されているなと感じるのだった。やはり一見様お断りのお店に近い感じのようだと。
「3名と従魔がいるのですが、入っても大丈夫ですか?それと、日本語は私にしか通じませんよ。わざと試してますよね?」
そういうと、女将さんらしき人物が「フフッ」と笑うのであった。
「ごめんなさいね。面白くて通な異国の子供が来ていると源さんが知らせに来たものだから。しかも、初代天皇様が話されていた言葉を使えると聞いて気になりまして」
「そうだったのですね。一元様以外をふるいにかける為かと思いましたよ。それで、食べさせて貰えるのですか?」
初代天皇が日本語を話していたということは、やはり転生者なのだろうとアレクは思うのだった。
「ごめんなさいね。異国の方で話せる人がいると聞いて舞い上がってしまいました。どうぞ歓迎致しますので、お上がりになって下さい」
「みんな、上がって大丈夫らしいですよ」
「あなた、今のは何語なの?」
「あとで話すから、とりあえず食事を頂こう。女将さん、案内をよろしくお願いします」
ヘルミーナが、何語を話しているのか気になるようだが、ずっと入口にいるのもおかしな話なので、女将さんに案内を頼むアレク。
「こちらへどうぞ!一番いい部屋にご案内させて頂きます」
アレク達は、女将さんの案内で綺麗に掃除された廊下を歩いて部屋へと向かうのだった。
「えっ?師匠、挨拶とかはいいんですか?」
蔵之介の周りには子供達が集まりワァァァと盛り上がっているので、挨拶し辛い雰囲気ではあるが、流石に戦った相手に何も言わず去るのはどうかと思うのであった。
「ん?そうか?じゃあ、蔵之介~また来るからな。次は、あっさり勝たせてもらう」
なんちゅう挨拶をかましとんねんと思うアレク。
「もう行くでござるか?寂しいでござるな。私も次は勝つでござるよ。いつでも来るでござる」
蔵之介も似たようなものだったので、これでいいのかと納得するのだった。
「よし、挨拶したぞ。なんて店かは忘れたが、あのおっさんが言ってた店にいくぞ」
「師匠、わかりましたから、その前に清潔で綺麗して破れた服を着替えて下さい」
砂埃と血で汚れており、胸はぱっくり破けているのだ。そんな格好で街中を歩いたらみんな驚くでしょと思うアレク。
「ん?あ!こりゃ酷いな。ちょっと着替えてくる」
そう言って、別れたはずの蔵之介に部屋を借りに行くノックスであった。
◆
それから数分後、着替えを終えて戻ってきたはいいのだが、何故か袴姿だったのだ。
「え?その姿...」
「あぁ、蔵之介が着ていけと言うから貰ったんだ。着てみたら案外楽でいいぞ。涼しいしな」
何故似合うというくらい似合っているノックスに、ちょっと嫉妬するアレク。ワイルドイケメンに袴がここまで似合うとはズルいと思うのだった。
「師匠だけいいですね。ご飯を食べたら俺達も買いに行こう」
アレクも人生一度でいいから袴を着てみたいと思っていたのだ。それに、ヘルミーナの袴姿も見たいと思ってしまったのである。
「私も着てみたいです。異国の文化に触れるのはいいことですよ」
パスクもどうやらノックスの袴姿を見て羨ましかったようだ。
「女性用があるなら着てみたいわ」
「あると思うよ。可愛らしい感じのやつだと思う」
「なら興味あるわね。じゃあ、あとで行きましょう」
ヘルミーナも、可愛らしいと聞いて着てみたくなったようだ。
「とりあえずは、紹介された老永に行ってみよう」
◆
それからアレク達は、老永に着いたのだった。老永は、日本でいう老舗のお店という佇まいで一元様お断りではないかと思わせるほどであった。
「ここだよね?入って大丈夫かな?」
「大丈夫だとは思うけど、高級そうな感じね」
「ワシみたいな魔獣が入って大丈夫なのかのぅ?」
ヘルミーナとマンテ爺も心配しながら店の前で呟くのだった。
「入ってみりゃわかるだろ!行くぞ」
ノックスは、お構いなしに引き戸を開けて中に入っていくのだった。
「あそこで屋台をしている店主の紹介で来たんだが、飯は食えるか?」
ノックスは、いつもと変わらない口調で話しかける。見ているこっちは心強いがハラハラドキドキである。
「いらっしゃいませ!屋台で紹介というと源さんかしら?どうぞお入りになって下さい」
その言葉にアレク以外は、ちんぷんかんぷんなのである。何故かというと、全て日本語なのだ。
「なんて言ってるんだ?」
「さぁさぁ~お入りになって下さい」
アレクは、試されているなと感じるのだった。やはり一見様お断りのお店に近い感じのようだと。
「3名と従魔がいるのですが、入っても大丈夫ですか?それと、日本語は私にしか通じませんよ。わざと試してますよね?」
そういうと、女将さんらしき人物が「フフッ」と笑うのであった。
「ごめんなさいね。面白くて通な異国の子供が来ていると源さんが知らせに来たものだから。しかも、初代天皇様が話されていた言葉を使えると聞いて気になりまして」
「そうだったのですね。一元様以外をふるいにかける為かと思いましたよ。それで、食べさせて貰えるのですか?」
初代天皇が日本語を話していたということは、やはり転生者なのだろうとアレクは思うのだった。
「ごめんなさいね。異国の方で話せる人がいると聞いて舞い上がってしまいました。どうぞ歓迎致しますので、お上がりになって下さい」
「みんな、上がって大丈夫らしいですよ」
「あなた、今のは何語なの?」
「あとで話すから、とりあえず食事を頂こう。女将さん、案内をよろしくお願いします」
ヘルミーナが、何語を話しているのか気になるようだが、ずっと入口にいるのもおかしな話なので、女将さんに案内を頼むアレク。
「こちらへどうぞ!一番いい部屋にご案内させて頂きます」
アレク達は、女将さんの案内で綺麗に掃除された廊下を歩いて部屋へと向かうのだった。
33
お気に入りに追加
5,415
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。