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第5章 大和ノ国へ出発
第249話 最強の剣豪蔵之介vsノックス!
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磯浜焼きの店主に教えてもらった店に向かう為、歩いているアレク達。
周りを見渡すと刀を差している侍が結構いるのだ。すると、一人の侍がアレク達の前に、現れて行く手を阻む。
「・・・・ってほしいでござる」
「え?なんて言いました?」
肝心な部分が聞き取れず聞き返すアレク。
「戦ってほしいでござる。強者と戦うことが私の生き甲斐なのでござるよ」
その侍は、ぱっとしない見た目に袴姿なのだ。
「アレク坊、俺にやらせろ。こいつは、おもしろそうだ」
またしても、やる気に満ち溢れるノックスである。流石、戦闘狂だと言わざるを得ない。
「貴殿が、私の相手をしてくれるでござるか?ならばすぐに参ろう」
「おう」
「ちょ、ちょっと...」
侍とノックスはやる気満々で戦闘が出来る場所に向かうのだが、アレク達は「えっ?」となるのであった。
「俺はノックスだ。お前の名は?」
「蔵之介でござる。ノックス殿は、素晴らしい剣豪と見た。幾度も死戦を乗り越えてきてるでござろう?」
「あぁ、それなりにな。あり得ない強敵とも戦いたい死にかけたな。蔵之介も、今は抑えているが纏っているオーラが化け物だぞ」
「ふっははは、分かるでござるか?隠しているつもりなのだが...これだと油断はしてくれないでござるな」
二人は、意気投合しながら目的地に向かって歩いていくのだった。
◆
「ここでござる。では参ろう」
門構えは、日本にある道場のようだが、中に入ると広い広場と道場があるのだ。
「やーやーやー!あ!蔵之介様~」
広場では、少年少女が木刀を振って訓練しているのだ。蔵之介に気付いた子供達が、訓練をやめて蔵之介に近付いてくる。
「蔵之介様~こんな時間にどうなさったのですか?それに、後ろの方々は?」
少年少女を訓練していた先生が、蔵之介に話しかける。
「街を歩いていたら強者と出会ったでござるよ。これから戦いでござる。ここを貸しては貰えぬか?」
「構いませんよ。蔵之介様の戦いを見学出来るだけで、良き経験になるでしょうから」
蔵之介は、相当の実力者であり全員から慕われて信用されているようである。
「ノックス殿、お待たせした。じきに結界も張られるでござるよ。準備をして待っていてほしいでござる」
「わかった」
そう言って、ノックスは大剣を握り締めて一振りまた一振りと感覚を確かめるように振るのだった。
「ふっははは、やはり一太刀一太刀の鋭さ!私の目に狂いはなかったでござるな」
蔵之介は、ノックスの準備中の動きを見て戦うに値する人物だと、改めて確信する。
「蔵之介様~負けないでね」
「蔵之介様ならあんなやつ余裕だよ」
「蔵之介様に敵うはずがない。一瞬でケリがつくさ」
子供達は、蔵之介が勝つと信じ切っているのだ。
「師匠、殺さないようにして下さいよ」
「あぁ、わかってる。それに、食後の運動にはちょうどいい相手だ」
ノックスは、戦闘になると、とことんやり合うのでアレクとしては少し心配になったのである。当の本人は、食後の運動程度にしか考えていないのである。
「そろそろ準備が整ったのでござるよ。他のみんなは結界の外に出るでござる」
それから、ノックスと蔵之介以外は、結界外に出て戦いを見るのであった。
「良き戦いをするでござる」
「そうだな。悔いの残さんように力を出してくれ」
それから二人は、静かに向かい合う。結界の外からでも異様な空気を感じる程だ。そして、目を瞑っていた蔵之介が目を開けた瞬間、一瞬ブワッとした風がノックスを襲う。
「凄まじいオーラと殺気だな。気を抜いたら負けるかもな」
「行くでござる」
ノックスが、言葉をポツリと呟いた瞬間、蔵之介が凄まじい速さでノックスに迫りくる。
「グッ...なんちゅう力だ」
凄まじい速さと剣速で打ち合ってくる蔵之介に防戦一方になるノックス。しかも、ノックスを押すほどの力なのだ。
「爆発」
ノックスは、この状況を嫌がり、自爆にはなるが、目の前で爆発させて距離を取ろうとする。しかし、蔵之介は爆発をもろともせず襲いかかってくるのだ。
「ぬるいでござる」
「そうかよ。ならこれならどうだ」
一瞬の間で体勢を整えたノックスが、大剣を振り、相手の刀へとぶつける。次の瞬間、両者の力が拮抗した所為で、大剣と刀が弾かれる。
「灼熱息吹」
弾かれた隙をついてノックスが魔法を放つ。ドラゴンブレスのような炎が蔵之介を襲う。
「一刀流仁斬」
刀を頭上からスッと振り下ろす。すると、灼熱息吹が真っ二つに切れたのだ。そのまま蔵之介の立っている左右を溶かしながら通過して結界に直撃する灼熱息吹であった。
「おいおい、それを斬るのかよ」
「良き魔法でござったが、私に斬れない程ではなかったでござるよ」
その戦いを見ていた子供達は、ワァァァと大歓声を上げる。
「やっぱり蔵之介様は最強だ」
「そうだけど、相手も凄くない?蔵之介様といい戦いしてるよ」
「僕も思った。蔵之介様と打ち合った時、相打ちだったもんね」
試合が始まる前は、蔵之介一色だった子供達がノックスの凄さも少しは伝わったようで驚きを隠せずにいる。
「アレク様、これ程の使い手がいるとは驚きました。しかも、本気ではなさそうですよ」
パスクも、蔵之介の凄さに驚いている。出会った時とは別人ではないかというオーラを放っているから余計だ。
「俺も予想外だよ。師匠がなんなく勝つと思っていたからね」
アレクすらも予想だにしない事態に驚く。しかし、目の前の白熱したバトルに心を踊らせながら魅入ってしまっているのだ。
周りを見渡すと刀を差している侍が結構いるのだ。すると、一人の侍がアレク達の前に、現れて行く手を阻む。
「・・・・ってほしいでござる」
「え?なんて言いました?」
肝心な部分が聞き取れず聞き返すアレク。
「戦ってほしいでござる。強者と戦うことが私の生き甲斐なのでござるよ」
その侍は、ぱっとしない見た目に袴姿なのだ。
「アレク坊、俺にやらせろ。こいつは、おもしろそうだ」
またしても、やる気に満ち溢れるノックスである。流石、戦闘狂だと言わざるを得ない。
「貴殿が、私の相手をしてくれるでござるか?ならばすぐに参ろう」
「おう」
「ちょ、ちょっと...」
侍とノックスはやる気満々で戦闘が出来る場所に向かうのだが、アレク達は「えっ?」となるのであった。
「俺はノックスだ。お前の名は?」
「蔵之介でござる。ノックス殿は、素晴らしい剣豪と見た。幾度も死戦を乗り越えてきてるでござろう?」
「あぁ、それなりにな。あり得ない強敵とも戦いたい死にかけたな。蔵之介も、今は抑えているが纏っているオーラが化け物だぞ」
「ふっははは、分かるでござるか?隠しているつもりなのだが...これだと油断はしてくれないでござるな」
二人は、意気投合しながら目的地に向かって歩いていくのだった。
◆
「ここでござる。では参ろう」
門構えは、日本にある道場のようだが、中に入ると広い広場と道場があるのだ。
「やーやーやー!あ!蔵之介様~」
広場では、少年少女が木刀を振って訓練しているのだ。蔵之介に気付いた子供達が、訓練をやめて蔵之介に近付いてくる。
「蔵之介様~こんな時間にどうなさったのですか?それに、後ろの方々は?」
少年少女を訓練していた先生が、蔵之介に話しかける。
「街を歩いていたら強者と出会ったでござるよ。これから戦いでござる。ここを貸しては貰えぬか?」
「構いませんよ。蔵之介様の戦いを見学出来るだけで、良き経験になるでしょうから」
蔵之介は、相当の実力者であり全員から慕われて信用されているようである。
「ノックス殿、お待たせした。じきに結界も張られるでござるよ。準備をして待っていてほしいでござる」
「わかった」
そう言って、ノックスは大剣を握り締めて一振りまた一振りと感覚を確かめるように振るのだった。
「ふっははは、やはり一太刀一太刀の鋭さ!私の目に狂いはなかったでござるな」
蔵之介は、ノックスの準備中の動きを見て戦うに値する人物だと、改めて確信する。
「蔵之介様~負けないでね」
「蔵之介様ならあんなやつ余裕だよ」
「蔵之介様に敵うはずがない。一瞬でケリがつくさ」
子供達は、蔵之介が勝つと信じ切っているのだ。
「師匠、殺さないようにして下さいよ」
「あぁ、わかってる。それに、食後の運動にはちょうどいい相手だ」
ノックスは、戦闘になると、とことんやり合うのでアレクとしては少し心配になったのである。当の本人は、食後の運動程度にしか考えていないのである。
「そろそろ準備が整ったのでござるよ。他のみんなは結界の外に出るでござる」
それから、ノックスと蔵之介以外は、結界外に出て戦いを見るのであった。
「良き戦いをするでござる」
「そうだな。悔いの残さんように力を出してくれ」
それから二人は、静かに向かい合う。結界の外からでも異様な空気を感じる程だ。そして、目を瞑っていた蔵之介が目を開けた瞬間、一瞬ブワッとした風がノックスを襲う。
「凄まじいオーラと殺気だな。気を抜いたら負けるかもな」
「行くでござる」
ノックスが、言葉をポツリと呟いた瞬間、蔵之介が凄まじい速さでノックスに迫りくる。
「グッ...なんちゅう力だ」
凄まじい速さと剣速で打ち合ってくる蔵之介に防戦一方になるノックス。しかも、ノックスを押すほどの力なのだ。
「爆発」
ノックスは、この状況を嫌がり、自爆にはなるが、目の前で爆発させて距離を取ろうとする。しかし、蔵之介は爆発をもろともせず襲いかかってくるのだ。
「ぬるいでござる」
「そうかよ。ならこれならどうだ」
一瞬の間で体勢を整えたノックスが、大剣を振り、相手の刀へとぶつける。次の瞬間、両者の力が拮抗した所為で、大剣と刀が弾かれる。
「灼熱息吹」
弾かれた隙をついてノックスが魔法を放つ。ドラゴンブレスのような炎が蔵之介を襲う。
「一刀流仁斬」
刀を頭上からスッと振り下ろす。すると、灼熱息吹が真っ二つに切れたのだ。そのまま蔵之介の立っている左右を溶かしながら通過して結界に直撃する灼熱息吹であった。
「おいおい、それを斬るのかよ」
「良き魔法でござったが、私に斬れない程ではなかったでござるよ」
その戦いを見ていた子供達は、ワァァァと大歓声を上げる。
「やっぱり蔵之介様は最強だ」
「そうだけど、相手も凄くない?蔵之介様といい戦いしてるよ」
「僕も思った。蔵之介様と打ち合った時、相打ちだったもんね」
試合が始まる前は、蔵之介一色だった子供達がノックスの凄さも少しは伝わったようで驚きを隠せずにいる。
「アレク様、これ程の使い手がいるとは驚きました。しかも、本気ではなさそうですよ」
パスクも、蔵之介の凄さに驚いている。出会った時とは別人ではないかというオーラを放っているから余計だ。
「俺も予想外だよ。師匠がなんなく勝つと思っていたからね」
アレクすらも予想だにしない事態に驚く。しかし、目の前の白熱したバトルに心を踊らせながら魅入ってしまっているのだ。
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