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第4章 アレクとヘルミーナの結婚
第235話 結婚式当日!ヘルミーナのドレス姿に見惚れるアレク
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魔ノ国の人々が王国に訪れてから、1ヶ月半が経とうとしていた。
魔ノ国の面々はというと、各々休暇を楽しむかのように己の時間を過ごすのであった。
四天王に至っては、ストレン領でほとんどの時間を費やし、以前アレクのガントレットを試す際に使われた訓練場で朝から晩までノックス達と訓練を積んでいた。
ラヴァーナはというと、王国では子供達との時間楽しみながら、転移魔道具を使い魔ノ国に戻り仕事をする日々を過ごしていた。
◆
「ファビロ、どうかな?おかしなところはないかな?」
今回のために建てられた結婚式会場の一室で白いタキシードに見を包んだアレクがファビロに聞いていた。
「見慣れない服装ではありますが、白を基調とした綺麗なお召し物で、旦那様によく似合っておりますよ」
この世界の結婚式に合わせようか迷ったアレクだったが、どうしても身に付ける物くらいは前世の物がよかったのだ。そして、一番はヘルミーナの白いドレス姿を見たかったというのが大きな理由である。
「ならよかった。それと、会場に人は入りきれそうかな?思った以上に来てくれて驚いているよ」
招待状を出した全員が参加をしたいと打診があったのだ。しかも、家族の参加も認めてほしいとまで言われる始末であった。その辺りを考えることに疲れたアレクは、全てファビロに任せたのだが、見事に受け入れたようで、会場は当主とその子息令嬢などで溢れ返っていた。
「余裕で入れますが、令嬢にはお気を付け下さい。第二夫人の座を狙っているやもしれません」
「え?そんなのいないって!結婚式だよ結婚式!」
アレクは、結婚式の日にそんなことを言ってくるバカはいないだろうと安易に考えながら返事をするのだった。
「旦那様、令嬢とはより地位が高く将来性のある人物を求めています。現在において旦那様以上のお方は存在致しません。必ずや何かしらの接触があるとお考え下さい」
ファビロは、真剣な顔でアレクを見ながら力説するのであった。
「基本はヘルミーナの側を離れることはないから大丈夫だよ。でも、貴族として第二夫人を娶ることが多いことも理解はしているつもりだからやんわり断るさ」
アレクは、余裕の顔をして言う。しかし、昔と違い一切必要ないと思っているわけではなく、ヘルミーナと話し合ってヘルミーナがいいと言ってくれるなら第二夫人まではいいかなと考えるようになっていた。だが、まだまだ先のことだろうし、その時になってみないとわからないと思うのであった。
トントントン
「旦那様、ヘルミーナ様のご準備が整いました」
メイドがやってきて、ヘルミーナの着付けが終わったことを知らせにやってくる。
「すぐ行くと伝えといて。ファビロ、行こうか」
「はい!旦那様」
アレクは、待ちに待ったヘルミーナのドレス姿を見られると思いドキドキするのであった。
◆
トントントン
「ヘルミーナ、入っていいかな?」
「大丈夫よ」
部屋の中からヘルミーナの声がすると、中に居たメイドがドアを開けてくれる。すると、純白のドレスを身に纏ったヘルミーナがいるのだ。
「綺麗~」
この時アレクの、純粋な気持ちが自然と口から漏れてしまったのだ。それ程にも、ヘルミーナが輝いて見えたのである。
「アレク、そんな素直に言われたら恥ずかしいわよ。それよりこっちに来て、父を紹介するわ」
ヘルミーナは、嬉しかったのだが、ストレート過ぎて顔を赤くしてしまう。
「タ、タカハシ伯爵様、ヘルミーナの父のラブローと申します。事前にご挨拶をすることが出来ず、本当に申し訳ございませんでした」
「構いませんよ。私も忙しかったですし、ヘルミーナからラブローさんが来たくても来れないと聞いていましたので」
ラブローは、父一人でヘルミーナを育て上げ、商会を営んでいるのだ。そして、店からなかなか離れることが出来ず、今日まで挨拶が出来ないでいたのである。
「そう言って頂けてありがとうございます。タカハシ伯爵様、どうか娘をよろしくお願いします。こんな娘ですが、私にとっては宝物なのです」
「ラブローさん、アレクと呼んで下さい。それと、ヘルミーナを一生大切にし、守ると誓います。何があろうと離れることはありませんので安心して下さい」
それを聞いたラブローは、涙を流しながら「ありがとうありがとう」とアレクに言うのだった。
「お父さん、もうずっと泣いてないでちゃんとしてよね。そんな顔じゃ何か悪いことでもあったんじゃないかって噂されてしまうわ」
「あぁ~すまない。そうだな。私がちゃんとしなくてはな。ヘルミーナ、改めておめでとう」
「お父さん...」
嬉し泣きを通り越して号泣してしまうラブローは、顔がグチャグチャになってしまったのだ。
その様子を見ていたアレクは、なんていい父親なんだと思うのと同時に、より一層ヘルミーナを大事にしないといけないなと思うのであった。
魔ノ国の面々はというと、各々休暇を楽しむかのように己の時間を過ごすのであった。
四天王に至っては、ストレン領でほとんどの時間を費やし、以前アレクのガントレットを試す際に使われた訓練場で朝から晩までノックス達と訓練を積んでいた。
ラヴァーナはというと、王国では子供達との時間楽しみながら、転移魔道具を使い魔ノ国に戻り仕事をする日々を過ごしていた。
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「ファビロ、どうかな?おかしなところはないかな?」
今回のために建てられた結婚式会場の一室で白いタキシードに見を包んだアレクがファビロに聞いていた。
「見慣れない服装ではありますが、白を基調とした綺麗なお召し物で、旦那様によく似合っておりますよ」
この世界の結婚式に合わせようか迷ったアレクだったが、どうしても身に付ける物くらいは前世の物がよかったのだ。そして、一番はヘルミーナの白いドレス姿を見たかったというのが大きな理由である。
「ならよかった。それと、会場に人は入りきれそうかな?思った以上に来てくれて驚いているよ」
招待状を出した全員が参加をしたいと打診があったのだ。しかも、家族の参加も認めてほしいとまで言われる始末であった。その辺りを考えることに疲れたアレクは、全てファビロに任せたのだが、見事に受け入れたようで、会場は当主とその子息令嬢などで溢れ返っていた。
「余裕で入れますが、令嬢にはお気を付け下さい。第二夫人の座を狙っているやもしれません」
「え?そんなのいないって!結婚式だよ結婚式!」
アレクは、結婚式の日にそんなことを言ってくるバカはいないだろうと安易に考えながら返事をするのだった。
「旦那様、令嬢とはより地位が高く将来性のある人物を求めています。現在において旦那様以上のお方は存在致しません。必ずや何かしらの接触があるとお考え下さい」
ファビロは、真剣な顔でアレクを見ながら力説するのであった。
「基本はヘルミーナの側を離れることはないから大丈夫だよ。でも、貴族として第二夫人を娶ることが多いことも理解はしているつもりだからやんわり断るさ」
アレクは、余裕の顔をして言う。しかし、昔と違い一切必要ないと思っているわけではなく、ヘルミーナと話し合ってヘルミーナがいいと言ってくれるなら第二夫人まではいいかなと考えるようになっていた。だが、まだまだ先のことだろうし、その時になってみないとわからないと思うのであった。
トントントン
「旦那様、ヘルミーナ様のご準備が整いました」
メイドがやってきて、ヘルミーナの着付けが終わったことを知らせにやってくる。
「すぐ行くと伝えといて。ファビロ、行こうか」
「はい!旦那様」
アレクは、待ちに待ったヘルミーナのドレス姿を見られると思いドキドキするのであった。
◆
トントントン
「ヘルミーナ、入っていいかな?」
「大丈夫よ」
部屋の中からヘルミーナの声がすると、中に居たメイドがドアを開けてくれる。すると、純白のドレスを身に纏ったヘルミーナがいるのだ。
「綺麗~」
この時アレクの、純粋な気持ちが自然と口から漏れてしまったのだ。それ程にも、ヘルミーナが輝いて見えたのである。
「アレク、そんな素直に言われたら恥ずかしいわよ。それよりこっちに来て、父を紹介するわ」
ヘルミーナは、嬉しかったのだが、ストレート過ぎて顔を赤くしてしまう。
「タ、タカハシ伯爵様、ヘルミーナの父のラブローと申します。事前にご挨拶をすることが出来ず、本当に申し訳ございませんでした」
「構いませんよ。私も忙しかったですし、ヘルミーナからラブローさんが来たくても来れないと聞いていましたので」
ラブローは、父一人でヘルミーナを育て上げ、商会を営んでいるのだ。そして、店からなかなか離れることが出来ず、今日まで挨拶が出来ないでいたのである。
「そう言って頂けてありがとうございます。タカハシ伯爵様、どうか娘をよろしくお願いします。こんな娘ですが、私にとっては宝物なのです」
「ラブローさん、アレクと呼んで下さい。それと、ヘルミーナを一生大切にし、守ると誓います。何があろうと離れることはありませんので安心して下さい」
それを聞いたラブローは、涙を流しながら「ありがとうありがとう」とアレクに言うのだった。
「お父さん、もうずっと泣いてないでちゃんとしてよね。そんな顔じゃ何か悪いことでもあったんじゃないかって噂されてしまうわ」
「あぁ~すまない。そうだな。私がちゃんとしなくてはな。ヘルミーナ、改めておめでとう」
「お父さん...」
嬉し泣きを通り越して号泣してしまうラブローは、顔がグチャグチャになってしまったのだ。
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