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第3章 日常に戻ったアレク達
第231話 三者三様!マクガリアスvsバトラーの前夜!
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「バトラーすまぬな。戦いなどする気はないだろうに」
ウズベル王はバトラーに対して頭を下げて謝る。
「陛下、私などに頭を下げてはいけません。頭をお上げ下さい」
バトラーは、慌てて駆け寄り頭を上げるように言う。
「減るものではないのでな。公式の場では、侮られてしまうのでやらぬようにするが、非公式の場では、頭を下げることは厭わんさ」
ウズベル王は、偉そうにすることを嫌う。本当ならば、公の場であってもへりくだりはしないものの、ある程度対等でいたいと考えているのである。
「本来なら何か言うべきなのですが、陛下は昔からそうでありましたね。いつでも対等に私達を見てくれていますから」
「昔とな...またいつか集まって話したいものであるな。それよりも、マクガリアスには勝てそうであるか?」
本当は、昔の仲間を集めて話すだけではなく、昔のように王国に潜む悪を成敗したいと考えているのだ。
「難しいです。全盛期なら善戦出来たでしょうが、今の私では...」
今や日々執事の仕事がメインになり、鍛えてはいるものの昔のような力は出せないと思っているバトラー。
「うむ。無理だけはするでないぞ。勝ってほしい気持ちはあるが、バトラーに代わる者は誰一人としておらんのでな」
昔からの付き合いとしてバトラーの負ける姿を見たくないウズベル王だが、もし怪我や死ぬようなことだけはあってはいけないと思うのだった。
「ありがとうございます。陛下!やれることはやろうと思っています。期待に添えるように努力して参ります。しかし、執事の仕事に支障が出ない程度にですがね」
最後は、茶目っ気を出してフフッと笑いながら言うバトラーにウズベル王も「アハハ」と笑うのであった。
◆
一方その頃、マクガリアスとラヴァーナというと、マクガリアスはラヴァーナの部屋に呼ばれ、二人で話し合っていた。
「マクガリアス、その戦いに飢えた野獣のような考えを否定する気はないが、ここは魔ノ国ではなくウズベル王国である。言動には気をつけるのだぞ」
来て早々に戦いを申し込んだマクガリアスに言い聞かせるラヴァーナだが、強い者が一番の魔ノ国で生まれて育ったことで、このような脳筋になっても仕方がないと感じ強くは言えないでいた。だが、まともな国と国交を結ぶのは初めてで、破談にすることは絶対にしたくはないので、マクガリアスに対して言い聞かせるのであった。
「魔王様、申し訳ございません。考えが足らず...今すぐに謝りに行った方がよろしいでしょうか?」
直立不動になり、ラヴァーナに対して本当に申し訳なかったと示すマクガリアス。
「謝りに行く必要はない。ウォルトンは、そのようなことで怒る御仁ではないからな。しかしだ、これからは気をつけるのだぞ」
「はい!わかりました。魔王様!」
ここでニヤリと笑うラヴァーナ。
「マクガリアス、勝てるのであろうな?妾から見てもノックス程ではないが、随分と強敵に見えたぞ」
「勝ちます。二度とあのような失態をしないよう気合を入れて参りたいと思います」
失態とは、二度もノックスに負けたことである。今度こそ、絶対に負けたくないと心に誓うのであった。
「その言葉を聞いて安心した。次負けるようなことがあれば四天王の地位を剥奪する予定であるからな。心してかかるのであるぞ」
二度も自分から仕掛けて負けるようなことがあれば、魔ノ国の民に示しがつかないと考えるラヴァーナ。
「ハッ!必ずや勝利を届けてみせます!」
「期待しておるぞ」
◆
「セバス、こんなことがあったんだけど、どちらが勝つと思う?」
アレクは、ストレン領の屋敷に結婚式の招待状を届けにきたついでに、バトラーとマクガリアスの話をセバスにしているのであった。
「マクガリアス様をご拝見したことがないものでなんとも言えませんが、バトラーは私が鍛え上げましたからな。簡単には負けることはありませんよ」
セバスは、いつものように落ち着いた感じで話しながら微笑むのである。
「マクガリアスさんは、脳筋...う~ん、力が全てで戦うとなると小細工なしの真剣勝負をする人物かな」
アレクは、脳筋と言いかけるが、通じるわけもないので、言い換えて話すのだった。
「それでしたら勝てるやもしれませんね。どちらかというと小細工ばかりするのがバトラーですから」
そう言えば、マクガリアスがあらゆる武器を体中に仕込んでいると言っていたなと思うアレク。
「へぇ~バトラーがどんな戦い方をするか教えてよ。気になっちゃった」
「畏まりました。でしたらお茶を飲みながら話すと致しましょうか!」
そう言って、バトラーの戦い方やセバスとの関係などを教えてもらうアレクであった。
ウズベル王はバトラーに対して頭を下げて謝る。
「陛下、私などに頭を下げてはいけません。頭をお上げ下さい」
バトラーは、慌てて駆け寄り頭を上げるように言う。
「減るものではないのでな。公式の場では、侮られてしまうのでやらぬようにするが、非公式の場では、頭を下げることは厭わんさ」
ウズベル王は、偉そうにすることを嫌う。本当ならば、公の場であってもへりくだりはしないものの、ある程度対等でいたいと考えているのである。
「本来なら何か言うべきなのですが、陛下は昔からそうでありましたね。いつでも対等に私達を見てくれていますから」
「昔とな...またいつか集まって話したいものであるな。それよりも、マクガリアスには勝てそうであるか?」
本当は、昔の仲間を集めて話すだけではなく、昔のように王国に潜む悪を成敗したいと考えているのだ。
「難しいです。全盛期なら善戦出来たでしょうが、今の私では...」
今や日々執事の仕事がメインになり、鍛えてはいるものの昔のような力は出せないと思っているバトラー。
「うむ。無理だけはするでないぞ。勝ってほしい気持ちはあるが、バトラーに代わる者は誰一人としておらんのでな」
昔からの付き合いとしてバトラーの負ける姿を見たくないウズベル王だが、もし怪我や死ぬようなことだけはあってはいけないと思うのだった。
「ありがとうございます。陛下!やれることはやろうと思っています。期待に添えるように努力して参ります。しかし、執事の仕事に支障が出ない程度にですがね」
最後は、茶目っ気を出してフフッと笑いながら言うバトラーにウズベル王も「アハハ」と笑うのであった。
◆
一方その頃、マクガリアスとラヴァーナというと、マクガリアスはラヴァーナの部屋に呼ばれ、二人で話し合っていた。
「マクガリアス、その戦いに飢えた野獣のような考えを否定する気はないが、ここは魔ノ国ではなくウズベル王国である。言動には気をつけるのだぞ」
来て早々に戦いを申し込んだマクガリアスに言い聞かせるラヴァーナだが、強い者が一番の魔ノ国で生まれて育ったことで、このような脳筋になっても仕方がないと感じ強くは言えないでいた。だが、まともな国と国交を結ぶのは初めてで、破談にすることは絶対にしたくはないので、マクガリアスに対して言い聞かせるのであった。
「魔王様、申し訳ございません。考えが足らず...今すぐに謝りに行った方がよろしいでしょうか?」
直立不動になり、ラヴァーナに対して本当に申し訳なかったと示すマクガリアス。
「謝りに行く必要はない。ウォルトンは、そのようなことで怒る御仁ではないからな。しかしだ、これからは気をつけるのだぞ」
「はい!わかりました。魔王様!」
ここでニヤリと笑うラヴァーナ。
「マクガリアス、勝てるのであろうな?妾から見てもノックス程ではないが、随分と強敵に見えたぞ」
「勝ちます。二度とあのような失態をしないよう気合を入れて参りたいと思います」
失態とは、二度もノックスに負けたことである。今度こそ、絶対に負けたくないと心に誓うのであった。
「その言葉を聞いて安心した。次負けるようなことがあれば四天王の地位を剥奪する予定であるからな。心してかかるのであるぞ」
二度も自分から仕掛けて負けるようなことがあれば、魔ノ国の民に示しがつかないと考えるラヴァーナ。
「ハッ!必ずや勝利を届けてみせます!」
「期待しておるぞ」
◆
「セバス、こんなことがあったんだけど、どちらが勝つと思う?」
アレクは、ストレン領の屋敷に結婚式の招待状を届けにきたついでに、バトラーとマクガリアスの話をセバスにしているのであった。
「マクガリアス様をご拝見したことがないものでなんとも言えませんが、バトラーは私が鍛え上げましたからな。簡単には負けることはありませんよ」
セバスは、いつものように落ち着いた感じで話しながら微笑むのである。
「マクガリアスさんは、脳筋...う~ん、力が全てで戦うとなると小細工なしの真剣勝負をする人物かな」
アレクは、脳筋と言いかけるが、通じるわけもないので、言い換えて話すのだった。
「それでしたら勝てるやもしれませんね。どちらかというと小細工ばかりするのがバトラーですから」
そう言えば、マクガリアスがあらゆる武器を体中に仕込んでいると言っていたなと思うアレク。
「へぇ~バトラーがどんな戦い方をするか教えてよ。気になっちゃった」
「畏まりました。でしたらお茶を飲みながら話すと致しましょうか!」
そう言って、バトラーの戦い方やセバスとの関係などを教えてもらうアレクであった。
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