チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第2章 魔ノ国の調査隊

第222話 まだまだ強敵は存在するんだよぉぉ!

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アレクから渡された親書を真剣な顔で読み進めるラヴァーナ。そして、読み終わると静かにジキタリスへと親書を渡す。ジキタリスは、その親書を受け取って読み進めていく。

「ジキタリス、どう思う?」

アレクは、親書の中身を一切知らないので、どのような内容が書かれているのかわからないのだ。

「そうですね。かなりご決断のお早い方という印象ですね。それに、裏表がない方で良い王だと窺えます」

中に書かれていたのは、会談をもってもらえるなら、すぐにでも魔ノ国へ赴きたいということと仲良くすることは願ってもない。寧ろお願いしたいくらいだということが書かれていた。だが、王国は魔ノ国に比べて小国故、魔ノ国からすると魅力がない現状だとも素直に話しているのだ。

「帝国のクソ皇帝と違っていい王だな。妾は、すぐにでも会談を開き平和条約を結ぶ手筈を整えるつもりだ。ジキタリスは、どう思う?」

「よいかと思います。小国ではありますが、今回派遣された使節団だけでも国家を壊滅するだけの力を有しております。ですので、平和条約を結ぶべきかと愚考します」

アレクは、自分が聞いていていいのかと思ってしまうのだ。本当にラヴァーナも裏表がない王だなと思うのであった。

「アレクよ。すまないが、また親書を届けては貰えないか?」

「はい!構いませんよ。それにしても、帝国とはそれ程に酷い国なのですか?」

帝国の情報が一切入ってこない王国からすると聞いていて損はないと思い尋ねる。

「そうであるな。狡猾で民を無下に扱い武力で全てを解決しようとするやつだ。魔ノ国の村や街も幾度となく襲われておる」

ここで疑問に思うアレク。ラヴァーナと四天王がいれば戦争に勝てるのではと思ったのだ。

「壊滅してしまえばいいのではないですか?」

それを聞いたラヴァーナとジキタリスは難しい顔をする。

「そうしたいのは山々なのだが...帝国にいる将軍は、妾以上に強いのだ。その所為で小競り合いが続いておるのが現状だ」

帝国からしても、ラヴァーナと四天王が攻めてくれば、大損害を被ってしまう。しかし、魔ノ国としても将軍が出てくると命の危険さえあるので、両方が迂闊に手を出せない状況にいるのだ。

「えっ?ラヴァーナ様より強いって...まさか転生者?」

思わず転生者だと声に出してしまうアレク。

「転生者ではないはずだ。純粋に強い!妾が空間魔法で異次元に閉じ込めようとも無理矢理こじ開けて出てくるのである。更に力もマクガリアス以上なのだ。防御力もジン以上である」

なに?その化け物みたいな存在はとアレクは思ってしまう。本当は、人間ではなく悪魔か何かではないかと。

「それは...反則ですね...」

アレクは、他に言葉を思い付かないのだった。

「反則級の化け物であるな。ウズベル王国も気をつけよ。最近帝国は領土を広げようとしておると密偵から報告を受けたのでな」

いやいや、もう当分殺し合いは満足しているから、そんな化け物来てほしくないんだよと思うアレクであった。

「そんなの来てほしくないですよ。当分は魔ノ国で引き受けて下さいね」

「フフッ、そんなことを平気で言えるのはアレクだけであるぞ。その辺りは、ウズベル王にも話そうと思っておる。だが、もしもの時はアレクも大事な人を守れるよう準備しておくのだぞ」

ラヴァーナは、国の為ではなく家族や大事な人を守れるようにしておくようにと伝えるのだった。

「そうですね。帝国関連以外にも危険はありますから、日々の鍛錬と準備はしておきます。それから、親書はいつ出来上がりそうですか?それに合わせて取りに来ようかと」

ゼロやその仲間が生きている以上、油断出来ないと思うアレクだった。

「あと2回鐘がなる頃には準備しよう。それまで待っていてはくれないか?」

「わかりました。リリスちゃんとウァラクくんと一緒に待っていますね」

二人にお願いされたので、戦い方を教えに行こうと考えたのである。

「おぉ~それはよいな。二人も喜ぶであろう。ジキタリス、アレクを案内してやるのだ」

ラヴァーナが嬉しそうな顔をしながら答える。母としてリリスとウァラクが強くなるのは嬉しいことなのだろう。

「畏まりました。では、タカハシ伯爵参りましょうか」

「はい。案内をよろしくお願いします」

そう言って、リリスとウァラクとアギケがいる場所に向かうのであった。
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