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第2章 魔ノ国の調査隊

第216話 魔ノ国との一時の別れ!

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「先日の親善試合、大変驚きました。タカハシ伯爵様や他の方々もお強いのですね。正直驚きの連続で見ていてハラハラドキドキしましたよ」

今は、ドリガン子爵の屋敷に向かう為に、ワイバーンで送ってもらっているところだ。
そして、どうやらガリル隊長も親善試合を見ていたようだ。

「私はギリギリでしたけどね。あれ程に硬い人物と戦ったことがなく思わず広範囲殲滅魔法を放ってしまいました」

ガリル隊長は、広範囲殲滅魔法を鮮明に覚えており、もし自分や魔ノ国に向けられて放たれたらと思うと、思い出すだけでゾッとしてしまうのだった。

「タカハシ伯爵様が、13歳で今回の使節団の代表に選ばれたのがわかる一撃でしたよ。それより、魔ノ国に放ったりしないで下さいね」

「放ちませんよ!そんなことする人がいたら殺戮魔じゃないですか!!」

アレクは、そんなことするわけないと心外だなというような感じで言い返す。

「申し訳ございませんでした。失礼なことを言ってしまいましたね。ですが、我々魔ノ国を守る者としては、それほど脅威に感じてしまったのです」

ガリル隊長は、口が滑ったなと思うのと来賓に対して大変失礼なことを言ってしまったと思い謝る。

「安心して下さい。味方になれど敵にはなり得ません。それに、戦争なんかしたくありませんからね。仲良くが一番です」

「それを聞いて安心しました。魔ノ国と王国が手を取り合う仲になるよう私は願っています」

ガリル隊長は、アレクから戦争はしたくないという言葉を聞いて安心すると共に自然と笑顔になるのであった。





それから少し飛んでいるとドリガン子爵の屋敷が見えてきたのだ。

「屋敷に着きましたので降下致します」

「はい!」

来た時のような急降下アトラクションではなく、ホバーリングしながらゆっくり着陸するのだった。するとドリガン子爵が、庭で待っていたのである。

「タカハシ伯爵様、お待ちしておりました。馬の方はすでに用意してあります。この後は、すぐに発たれますか?それともお泊りになられますか?」

「陛下にお伝えしないといけないこともありますので、すぐに出発致します。長い間、馬を預けてしまい申し訳ございませんでした」

「構いませんよ。では、ご案内致しますのでついてきて下さい」

ドリガン子爵は、笑顔で出迎えてくれる。しかも、すぐ出発できる準備と宿泊する可能性もあると両方の準備をして待っていてくれたのだ。

「はい!わかりました。ガリル隊長、送って頂きありがとうございました。また近々訪れると思いますので、その際はよろしくお願い致します」

「はい!お待ちしております」

アレクもガリル隊長も笑顔で別れを告げるのであった。

そしてアレク達は、馬の待つ厩舎に向かう。

「ドリガン殿、こちらを受け取って下さい。面倒を見てもらっていたお礼です」

アレクは、馬の面倒を見てもらっていたお礼に金貨が入った袋をドリガンに渡すのであった。

「どうかそのようなお気遣いはいりませんのでお仕舞い下さい。しっかりタカハシ伯爵様でお小遣いを稼がせて頂きましたので、元は十分頂いております」

アレクは、なんのことだと一瞬考えたのだが、親善試合の賭博だとすぐにわかるのだった。

「えっ?ドリガン殿は、四天王に賭けなかったのですか?」

アレクは、てっきり四天王に賭けていると思い、驚きの声を出す。

「当たり前ですよ。全ての試合を使節団側に賭けました。というのもマクガリアス様とノックス殿との模擬戦を見ていなければ賭けていませんでしたがね」

へへへと笑いながら言うドリガン子爵。その笑顔からかなり儲けたのだろうと思うアレク達であった。

「そうでしたか。ですが、ノックス以外が強いとは限らないのに、よく賭けましたね」

アレクは、ドリガン子爵の前なので師匠と呼ばず、ノックスと呼ぶ。

「タカハシ伯爵様には失礼ですが、13歳にして伯爵になられた御方であり、それに文句も言わずついてきている一行を見てしまうとタカハシ伯爵様がお強いのは明白ですからね。それに、この少人数を考えると個々が自衛出来るだけの能力を持っているのも明白ですから」

ちゃんとした考えがあって賭けていたのだ。長年魔ノ国で子爵を任されてるだけはある。

「そこまでお見通しでしたか。それにしても、ドリガン殿にはお世話になりました。いつか恩返ししたいと考えています」

「それは、楽しみですなぁ。私共は、寿命が長いのでいくらでもお待ちしております。では、長話もなんですから、早速発つ準備をしましょう」

そのあと、使用人が厩舎から馬を連れ出してきてくれた。薬を服用していなかったからか、普通の馬に戻っているが手入れをちゃんとしてくれていたみたいで綺麗な毛並みをしている。

「それでは、一箇所に集まって下さい。ドリガン殿、お世話になりました」  

馬の手綱をそれぞれが持ち、アレクの周りに集まったみんなは一瞬にして転移するのであった。

「いやはや...転移までお使いになられるとは...」

ドリガン子爵は、一瞬にして転移したアレク達を見て驚くのであった。
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