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第2章 魔ノ国の調査隊

第213話 初代魔王と料理長の転生の過去!

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デュアルに挨拶をしてから、暫くのんびり湯に浸かる三人。その間は、一言も語ることなく「はぁぁ~」と心の底から疲れを癒す声しか漏れないのである。

「よし、そろそろ話すとするか!」

料理長が、話を切り出す。

「アレク、何か聞きたいことある?」

デュアルが優しく問いかけてくる。

「そうですね。何故お二人は魔族で転生されたのですか?」

「それは・・・・」 「俺に話させてくれ」

デュアルが話そうとしたら料理長が、横から割って入ってくるように話し始める。

「全てこいつの所為だ。まずは、転生した時の話をさせてくれ。こいつは、女神にお願いする一つに親友を連れていきたいと願いやがったんだ...俺はまだ生があるにも関わらず心臓麻痺で死んで、いきなりこいつのいる場所に送られたんだよ」

要するに、デュアルは一人で行くのが怖くて大事なスキルの一つを貰えなくていいから親友を呼び出してくれと頼んだそうなのだ。

「えっ?それはありなのですか?生きた人間を...それに、勝手に呼び出した女神も女神ですよね!料理長は、怒らなかったのですか?」

「それがその女神は新人だったらしくて、人の心や生に対して知識が乏しかったようだな。だから、俺は呼び出されて早々にその女神とこいつに説教してやったぞ」

魂だけで呼ばれた料理長は、女神とデュアルを土下座させて永遠と説教をしたそうである。

「あれはキツかった...女神泣いてたもんな。そこに創造神様が現れて、またえらい目にあったよな」

それを聞いた料理長は、デュアルの頭を殴る。

「あ痛てぇぇ、何するんだよ」

涙目になりながら訴えるデュアルに料理長は、なにもなかったかのように話し始める。

「全てお前が悪い!いきなり魂にされて呼び出された身にもなれ!創造神様が前代未聞だと嘆いていただろ?」

「あれは悪かったって...でも今は幸せだろ?あんなこき使われる毎日を送るよりはさ」

バチコーンとまた怒りの鉄拳が、デュアルの頭を捉える。次は、頭を押さえて声にならない程に痛がるデュアル。

「転生して早々、お前に散々こき使われたわ!何が国を作るだ!終いにはアイドルを作る?魔道具を作る?温泉を作る?だから、金が必要なんだ。採掘頼むわって、前世より扱い酷いわ」

「だって...攻撃特化したスキルしかない俺には金なんか作れないもん...親友に頼むしかないだろ?」

アレクは、それを聞いてデュアルは、ガキかと思うのと、料理長は面倒見が良すぎるだろと思うのだった。

「そうだったな。俺最強になるとかほざいて新人馬鹿女神と攻撃スキルばかり選んでいたもんな...あの時、止めるべきだったんだ」

うひょーとかフッフッフとかデュアルと女神は、変な声や笑いをしながら二人で最強になるスキル組み合わせを考えながら盛り上がっていたらしい。
その間料理長は、創造神に生きていく為の術や金に困らないスキルとそれを活用できる転生先を聞いていたようである。
その中に、未開拓の現魔ノ国があって、鉱物資源が豊富で採掘スキルがあれば、金になると教わり、それのスキルを貰ったのである。

「料理長は、大変な思いをしたのですね。優し過ぎますよ!それより、何故魔族になったか、まだ聞いていないのですが?」

横から俺は?国を作るの大変だったよとかデュアルが話してくるが、アレクも料理長も無視をする。

「あっ!悪い悪い。ついつい愚痴になってたな。魔族になったのは、こいつが魔王様なら最強だろとか言い出した安易な考え方からだ」

「えっ?それだけ?料理長は、納得出来たのですか?」

アレクは、そんな子供が考えそうな理由で魔族を選んだのとなるのであった。

「最初は、生きやすい人間になるべきだと俺も思ったが、創造神様から長生きも出来るし、身体能力や生命力も高いから簡単には死なないと聞いて、異世界にどんな危険があるかわからないから魔族もありだなと考えたんだ」

「長生き出来るのはいいですね。それに、どんな危険があるかわからないのなら魔族はもってこいだと聞いて思いました」

二人が、そんな話していると、横で自信満々な顔をしているデュアルがいた。

「フッフッフフッハハハハ、やはり俺のお陰だな。あ痛てぇぇ」

俺のお陰で、今の暮らしと幸せを手にしたなと料理長に言おうとしたが、また頭をどつかれたのだった。

「はぁぁぁ、いくつになってもこいつは...でも、異世界の知識は豊富だから困ったら俺かこいつに聞いてくれ!大抵のことはわかるからな」

「あ!はい!わかりました」

アレクは、大きな味方と出会えたなと思うのと、やはり温泉は最高だなと思うのであった。
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