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第2章 魔ノ国の調査隊

第197話 ゼロの怒りとNO.3のその後!

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「クソクソクソクソがぁぁぁぁぁ」

玉座の間で、荒れ狂うゼロ。辺りはボロボロになり、天井には穴が開いているのだ。
そして、傾いた玉座に座るゼロ。

「はぁはぁはぁ。NO.1いないのか?・・・・そうだった...もういないのであったな」

ゼロの目から一筋の涙が流れる。決して悲しいとは思っていないのだが、何故か勝手に涙が流れたのである。

「我も人間に近付いたのか?クソがぁぁぁぁぁ。我は神であるぞ!矮小な人間などに近付くとは許せん!許せんぞぉぉぉぉ」

あの事件以来、精神的におかしくなっているゼロ。人間に乗り移っている所為で人間の感情が少し流れ始めているのだ。だが、それを受け入れられないゼロは、許すことができないでいる。

トントントン

「ゼロ様、こんな時に申し訳ございません。NO.9でございます。NO.3の件でお伝えしたいことがございます」

ドアの前で、荒れ狂うゼロに対して怯えながらも、その様子を一切見せないように話すNO.9。

「入るがよい!汚くてすまぬな。それで、報告とはどのようなことだ?」

「すぐに修復するように部下を呼んで参ります。そして報告ですが、NO.3の精神が完全に戻りました。しかし、実験の過程でお貸し頂いた全ての貴族は、死んでしまいました。申し訳ございません」

「初めから貴族などどうでもよい。いくらでも攫ってくればよいのだからな。それよりも、NO.3が復活したのは何よりである。今すぐ会えるのだな?」

鉱山から連れてきた貴族と救ってほしいとお願いしてきた貴族派の貴族達は、ゼロによって攫われて、全て実験台にされていたのだ。NO.3の精神を復活させる為にである。

「ハッ!すぐ連れて参ります」

「よいよい!我が直接出向こうではないか」

先程の殺伐とした雰囲気が嘘のように霧散するのだった。部下の復活が何より嬉しいゼロである。

「NO.3も、ゼロ様が直接出向いて頂けると知ると嬉しいはずでございます」





それから、NO.9のラボに着くと、NO.3が無我夢中で食事をしていた。ずっと、試験管の中に入れられていたので、腹が減っているのだろう。

「NO.3、よく復活してくれた。我は嬉しく思うぞ」

その声を聞いて、口いっぱいに食べ物を含んだNO.3が慌てて振り返る。

「モゴモゴモゴモゴ」

「口の中の物を食ってから話すがよい。我は、どこにも行かん」

NO.3の元気な様子を見て、仮面の下では自然と笑みが溢れるゼロ。

「モゴモゴモゴモゴゴクン!ゼロ様!わざわざお越し頂き光栄です。こちらから出向かず申し訳ございません」

片膝を突きながら話すNO.3。

「よいよい!回復したばかりであろう。まずは、ゆっくりするのだ。その後は、また我の為に働いて貰うがな」

「ゼロ様の為なら今すぐにでも働かせて頂きます。何なりとご命令下さい」

「完璧に回復したら頼もう。その前に、NO.9にお礼を言ったのか?お前を救ったのはNO.9であるぞ」

それを聞いたNO.3は、スッと立ち上がりNO.9の下に行く。

「ありがとう。助かったよ。君がいなかったら、ずっとおかしいままだった。もし君が危険な目にあったら僕が助けてあげるよ」

NO.3らしい調子でお礼を言う。NO.9は苦笑いを浮かべながらも、ちゃんと礼を受け取るのであった。

「助けてもらえるのは嬉しいですね。私は、弱いですから...アハハハ」

「それより、計画はうまくいったのですか?」

何も知らないNO.3は、王国を滅ぼす計画がうまくいったのか聞く。
それを聞いたゼロは、血が滲むくらいに拳をグッと握りしめる。

「失敗だ!全て我の所為である!我とお前ら以外全て死んだ。・・・・NO.3、悲しい顔をするでない。次の計画は決まっている。だが、まだまだ時間がかかる。それまでは、回復と成長に努めよ」

NO.3は、少なからず仲の良かった仲間の死とゼロの計画が失敗したことに悲しみの表情を見せる。

「はい!必ずや、ゼロ様の為に使える人材へと成長してみせます」

「フッハハハハ、我も成長せねばならぬな。そして、次の計画では我自ら出向こうではないか。NO.9は、引き続き実験を頼む」

「ハッ!全てはゼロ様の為に!」

「ハッ!全てはゼロ様の為に!」

二人は、改めてゼロへの忠誠を誓うのであった。
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