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第2章 魔ノ国の調査隊
第195話 リリスとウァラクからのお礼!
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トントントン
「アレク、起きておるか?」
歓迎の宴が終わった後、アレクは部屋に戻ってマンテ爺に食事を与えていた。そこに、魔王が来たようである。
「は~い!今開けます」
アレクが、ドアを開けるとラヴァーナとリリスとウァラクがいた。
「どうしたのですか?さっきまで大歓声が聞こえていたので、てっきり快気祝いが開かれているものだと思っていました」
子供達二人が、復活したことを会場にいる全員に知らせたところ大歓声が起こり、お祭り騒ぎになったのだ。
「後日、改めて快気祝いを開く予定だ。今日は、早々にお開きにして、アレクに礼を言いに来たのだ。それに、リリスとウァラクがどうしてもお礼を言いたいと言っているのだ。聞いてやっては貰えないだろうか?」
見た感じリリスとウァラクは、元気そうで痩せ細っていた肉体も戻っているようだった。
「とりあえず、中で話しませんか?あまり聞かれたくない話ですから」
「そうだな。部屋に入らせて貰おう。また遮音結界と侵入者阻止の結界を張ろう」
部屋に入るとラヴァーナが結界を張ってくれたのだろう。またキーンと耳鳴りが起こる。
「ちょっと、待って下さいね。マンテ爺が食べ終わったみたいなので、器を片付けてしまいますね」
「また味付けを変えてくれたんじゃな。こっちの方がうまいわい」
どうやら新しい味付けが気に入ったようで、満足そうな顔をするマンテ爺。
「謁見の時からずっと思っておったが、そ奴はマンティコアなのか?そんなに小さいのは珍しい」
ラヴァーナは、マンテ爺に興味があったようだが、中々触れる機会がなかったので聞きそびれていたことを尋ねる。
「マンティコアですね。怖がられないようにと、どんな場所でも一緒にいられるように小さくしています」
「おぉ!そんなことも出来るのか!実に興味深い。おっと、そうじゃない。本題を忘れるところであった。リリス、ウァラク、アレクに言いたいことがあるのであろう?」
マンテ爺を気にするあまりに本題を忘れていたのだ。
「アレク様、この度は私とお兄様を助けて頂きありがとうございました」
リリスが、頭を深々と下げてお礼を言う。回復したリリスは、目がクリッとしてピンクの髪で可愛らしい顔をしていた。
「アレクさん、リリスと僕を助けて頂きありがとうございました。こうしていられるのもアレクさんのお陰です」
リリスと同様、ウァラクも頭を深々と下げてお礼を言う。そしてウァラクは、立派な二つの角とラヴァーナと同じ赤い髪にキリッとした目が印象的なカッコいい男の子だ。
「二人共、元気になって本当によかったです。俺が治したのは事実ですが、二人の生命力が高かったから間に合ったんです。それと、誰が治したかは内緒にして下さいね。わかってしまうと面倒なことになるので」
それを聞いた二人は、「はい」と言って了承してくれた。
ラヴァーナも、その光景にうんうんと頷いて満足した表情を浮かべる。
その時マンテ爺は、お腹がいっぱいになった所為か、仰向けで鼻ちょうちんを膨らませてスピスピ言いながら爆睡していたのであった。
◆
「妾は、そろそろ戻るとする。リリスとウァラクも迷惑にならない程度に戻ってくるのだぞ。そうであった!アレク、明日の親善試合を忘れるでないぞ」
暫く他愛のない話をしていたのだが、用事があるのがラヴァーナは自室に戻るとのことだ。
そして、親善試合を言われたアレクは、忘れてなかったか...と残念に思うのであった。
「は、はい。お手柔らかにお願いします...」
苦笑いを浮かべながら返事をするのだった。それに気づいたラヴァーナはニヤニヤして「では、明日を楽しみにしておる」と言って部屋を出ていくのであった。
「アレク様、お母様と戦われるのですか?」
「アレクさん...死なないでね」
リリスとウァラクが聞いてくる。しかし、死なないでと言ったウァラクの悲壮感漂う顔が気になって仕方がないアレク。
「いや、四天王と戦うらしいですよ。それより、ウァラクくんはラヴァーナ様と戦った経験があるの?」
他愛のない話をしているうちに打ち解けて敬語を使うのをやめる仲になっていた。リリスは、普段から敬語らしく、この話し方が1番しっくりくるらしいのでそのままである。
「う、うん。昔から稽古と言われて死にかけたよ。唯一、病気になってよかったのは、昔より母上が優しくなったことかな...アハハ」
「お兄様が宙を舞う姿を何度も見ましたが、ヒヤヒヤしました。一度、1週間くらい目を覚まさない時がありましたよね?」
え?そんなスパルタ教育なのと思ったアレクは、絶対にラヴァーナとの戦いは回避しなくてはと思うのだった。
「あったね...あの時は死んだと思ったよ。アレクさん、もし母上が挑戦してきても絶対に受けないで下さい」
「全力回避したいけど逃してくれなさそうなんだよね...まぁ頑張ってみるよ」
その時、リリスもウァラクも絶対に獲物は逃さないだろうなと思うのだった。
その後は、魔ノ国のことやウズベル王国のことや普段なにをしているのかなどを話すのであった。
「アレク、起きておるか?」
歓迎の宴が終わった後、アレクは部屋に戻ってマンテ爺に食事を与えていた。そこに、魔王が来たようである。
「は~い!今開けます」
アレクが、ドアを開けるとラヴァーナとリリスとウァラクがいた。
「どうしたのですか?さっきまで大歓声が聞こえていたので、てっきり快気祝いが開かれているものだと思っていました」
子供達二人が、復活したことを会場にいる全員に知らせたところ大歓声が起こり、お祭り騒ぎになったのだ。
「後日、改めて快気祝いを開く予定だ。今日は、早々にお開きにして、アレクに礼を言いに来たのだ。それに、リリスとウァラクがどうしてもお礼を言いたいと言っているのだ。聞いてやっては貰えないだろうか?」
見た感じリリスとウァラクは、元気そうで痩せ細っていた肉体も戻っているようだった。
「とりあえず、中で話しませんか?あまり聞かれたくない話ですから」
「そうだな。部屋に入らせて貰おう。また遮音結界と侵入者阻止の結界を張ろう」
部屋に入るとラヴァーナが結界を張ってくれたのだろう。またキーンと耳鳴りが起こる。
「ちょっと、待って下さいね。マンテ爺が食べ終わったみたいなので、器を片付けてしまいますね」
「また味付けを変えてくれたんじゃな。こっちの方がうまいわい」
どうやら新しい味付けが気に入ったようで、満足そうな顔をするマンテ爺。
「謁見の時からずっと思っておったが、そ奴はマンティコアなのか?そんなに小さいのは珍しい」
ラヴァーナは、マンテ爺に興味があったようだが、中々触れる機会がなかったので聞きそびれていたことを尋ねる。
「マンティコアですね。怖がられないようにと、どんな場所でも一緒にいられるように小さくしています」
「おぉ!そんなことも出来るのか!実に興味深い。おっと、そうじゃない。本題を忘れるところであった。リリス、ウァラク、アレクに言いたいことがあるのであろう?」
マンテ爺を気にするあまりに本題を忘れていたのだ。
「アレク様、この度は私とお兄様を助けて頂きありがとうございました」
リリスが、頭を深々と下げてお礼を言う。回復したリリスは、目がクリッとしてピンクの髪で可愛らしい顔をしていた。
「アレクさん、リリスと僕を助けて頂きありがとうございました。こうしていられるのもアレクさんのお陰です」
リリスと同様、ウァラクも頭を深々と下げてお礼を言う。そしてウァラクは、立派な二つの角とラヴァーナと同じ赤い髪にキリッとした目が印象的なカッコいい男の子だ。
「二人共、元気になって本当によかったです。俺が治したのは事実ですが、二人の生命力が高かったから間に合ったんです。それと、誰が治したかは内緒にして下さいね。わかってしまうと面倒なことになるので」
それを聞いた二人は、「はい」と言って了承してくれた。
ラヴァーナも、その光景にうんうんと頷いて満足した表情を浮かべる。
その時マンテ爺は、お腹がいっぱいになった所為か、仰向けで鼻ちょうちんを膨らませてスピスピ言いながら爆睡していたのであった。
◆
「妾は、そろそろ戻るとする。リリスとウァラクも迷惑にならない程度に戻ってくるのだぞ。そうであった!アレク、明日の親善試合を忘れるでないぞ」
暫く他愛のない話をしていたのだが、用事があるのがラヴァーナは自室に戻るとのことだ。
そして、親善試合を言われたアレクは、忘れてなかったか...と残念に思うのであった。
「は、はい。お手柔らかにお願いします...」
苦笑いを浮かべながら返事をするのだった。それに気づいたラヴァーナはニヤニヤして「では、明日を楽しみにしておる」と言って部屋を出ていくのであった。
「アレク様、お母様と戦われるのですか?」
「アレクさん...死なないでね」
リリスとウァラクが聞いてくる。しかし、死なないでと言ったウァラクの悲壮感漂う顔が気になって仕方がないアレク。
「いや、四天王と戦うらしいですよ。それより、ウァラクくんはラヴァーナ様と戦った経験があるの?」
他愛のない話をしているうちに打ち解けて敬語を使うのをやめる仲になっていた。リリスは、普段から敬語らしく、この話し方が1番しっくりくるらしいのでそのままである。
「う、うん。昔から稽古と言われて死にかけたよ。唯一、病気になってよかったのは、昔より母上が優しくなったことかな...アハハ」
「お兄様が宙を舞う姿を何度も見ましたが、ヒヤヒヤしました。一度、1週間くらい目を覚まさない時がありましたよね?」
え?そんなスパルタ教育なのと思ったアレクは、絶対にラヴァーナとの戦いは回避しなくてはと思うのだった。
「あったね...あの時は死んだと思ったよ。アレクさん、もし母上が挑戦してきても絶対に受けないで下さい」
「全力回避したいけど逃してくれなさそうなんだよね...まぁ頑張ってみるよ」
その時、リリスもウァラクも絶対に獲物は逃さないだろうなと思うのだった。
その後は、魔ノ国のことやウズベル王国のことや普段なにをしているのかなどを話すのであった。
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