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第2章 魔ノ国の調査隊
第186話 下界に干渉したヒルコへの罰!
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ここは、なにもない真っ白な空間である。
そこに横たわっているのは、アレクと瓜二つの顔を持つヒルコであった。
「ヒルコよ、いつまで寝ておる。はよ起きるんじゃ」
ヒルコの耳元で、起きるよう欲する創造神。
「うっ!?ん?ふわぁぁ...ここはどこ?」
目が覚めたヒルコは、大あくびをしてぐっと両手を上げて伸びをする。
「何を寝ぼけとるんじゃ。ここは、神界と下界の狭間じゃ。ヒルコが、神界の法を破って下界に干渉しよったので、ここへ呼んだんじゃ。して、弁明はあるかのぅ?」
「ありません...法を破ったのは事実です。それに、同じ状況ならまた助けに行くと思います」
創造神の顔が段々と真っ赤になっていく。
「ばかもんがぁぁぁ!また助けに行くじゃと、神が法を破ることがどれだけ重たい罪になるかわかっておるのか!一生幽閉されるか、神の権限を剥奪されるのじゃぞ。すなわち、存在自体がなくなるんじゃ。はぁはぁはぁはぁ...じゃがのぅ。元はと言えばワシや神達がルシファーを逃してしまったのが原因じゃ。そして、ヒルコはまだ見習いじゃ。じゃから今回に限り、2年間厳しい修行と神となる試練を乗り越えることを罰とする!そして、庇ってくれたお主の母と他の女神達に感謝するのだぞい」
ヒルコの母であるアリーシャは、すぐさま創造神の下へ行き、土下座までしてお願いをしたのだ。そして、それを見ていた他の女神達は不憫に思い、創造神へ許してあげてほしいと嘆願したのである。
創造神自体も、何かしらの罰を与えて許す気でいたので、今回のような罰で済んだのだ。
「創造神様、ありがとうございます。そしてお母様、女神の皆様本当にありがとうございます」
泣きながらヒルコは、創造神しかいない空間でお礼を言う。
それを覗き見していたある女神は、飛び跳ねて喜び。ある女神は、当たり前だというような顔をする。そして、アリーシャと共に見ていた女神は、アリーシャに抱き着いて喜んでいる。アリーシャも、「ありがとうございます。ありがとうございます」と何度もお礼を言うのであった。
「罰が終わったあと、しっかり皆にお礼を言うんじゃぞ。そしてヒルコよ、アレクと一緒によく下界を救ったのぅ。よくやったわい」
創造神の本心は、早くよくやったと褒めたかったのだ。だが、決まりとして一喝せねば示しが付かないので怒ったのである。
そして、白い空間からヒルコと創造神とアリーシャが暮らしている森の中の拓けた綺麗な空間に戻るのであった。
「創造神様...」
創造神の本音を理解したヒルコは、また涙を流す。それを見た創造神は、優しく抱きしめるのであった。
「ヒルコ~」
それから暫くすると、アリーシャが走ってヒルコに駆け寄り抱きしめる。
「お母様!」
ヒルコは、アリーシャが抱きしめて来たことに驚くが、ヒルコも受け入れて身を任せるのであった。
そして、後からきたイーリアが、創造神に話しかける。
「創造神様、見ていましたが、お人が悪いですよ。見ていてドキドキしましたよ」
「はじめから許してしまっては、また同じことをしてしまうじゃろ?それに、他の神も干渉しよるじゃろうて」
「もうこの際ですから、干渉のルールを変更されては如何ですか?なんとか今回も下界は無事でしたが、次はルシファー自ら現れるかもしれませんよ」
イーリアは、ルシファーが本気を出して侵略し始めると、アレク達ですら止めることは出来ないだろうと考えているのだ。
「うむ...すでに他の男神や女神からも干渉に関する話は受けておる。真剣に考える時期やもしれぬのぅ。一度神を全て集めて協議せねばならぬな」
「よろしくお願いします。それよりも、あの2人を見ていると和みますね。あぁ~私も息子が欲しくなってきたわぁ」
ヒルコとアリーシャの様子を羨ましそうに眺めるイーリア。
「神同士の結婚も認められておるんじゃ。誰かいい人はおらぬのか?」
その瞬間、イーリアは何を言ってるんだこのジジイはと言う顔になる。
「いやいや、創造神様、有り得ませんから!あの浮気ばかりするやつに、武のことばかり考えているやつに、研究ばかりしている馬鹿に、金にしか興味を示さないアホに、根暗な引きこもりですよ。どこに惚れたらいいのですか!」
唾を飛ばすほどに力説された創造神は、「すまぬ」と言うしかなかった。
創造神から見ても、男神はどうしようもない者ばかりなのであった。
そこに横たわっているのは、アレクと瓜二つの顔を持つヒルコであった。
「ヒルコよ、いつまで寝ておる。はよ起きるんじゃ」
ヒルコの耳元で、起きるよう欲する創造神。
「うっ!?ん?ふわぁぁ...ここはどこ?」
目が覚めたヒルコは、大あくびをしてぐっと両手を上げて伸びをする。
「何を寝ぼけとるんじゃ。ここは、神界と下界の狭間じゃ。ヒルコが、神界の法を破って下界に干渉しよったので、ここへ呼んだんじゃ。して、弁明はあるかのぅ?」
「ありません...法を破ったのは事実です。それに、同じ状況ならまた助けに行くと思います」
創造神の顔が段々と真っ赤になっていく。
「ばかもんがぁぁぁ!また助けに行くじゃと、神が法を破ることがどれだけ重たい罪になるかわかっておるのか!一生幽閉されるか、神の権限を剥奪されるのじゃぞ。すなわち、存在自体がなくなるんじゃ。はぁはぁはぁはぁ...じゃがのぅ。元はと言えばワシや神達がルシファーを逃してしまったのが原因じゃ。そして、ヒルコはまだ見習いじゃ。じゃから今回に限り、2年間厳しい修行と神となる試練を乗り越えることを罰とする!そして、庇ってくれたお主の母と他の女神達に感謝するのだぞい」
ヒルコの母であるアリーシャは、すぐさま創造神の下へ行き、土下座までしてお願いをしたのだ。そして、それを見ていた他の女神達は不憫に思い、創造神へ許してあげてほしいと嘆願したのである。
創造神自体も、何かしらの罰を与えて許す気でいたので、今回のような罰で済んだのだ。
「創造神様、ありがとうございます。そしてお母様、女神の皆様本当にありがとうございます」
泣きながらヒルコは、創造神しかいない空間でお礼を言う。
それを覗き見していたある女神は、飛び跳ねて喜び。ある女神は、当たり前だというような顔をする。そして、アリーシャと共に見ていた女神は、アリーシャに抱き着いて喜んでいる。アリーシャも、「ありがとうございます。ありがとうございます」と何度もお礼を言うのであった。
「罰が終わったあと、しっかり皆にお礼を言うんじゃぞ。そしてヒルコよ、アレクと一緒によく下界を救ったのぅ。よくやったわい」
創造神の本心は、早くよくやったと褒めたかったのだ。だが、決まりとして一喝せねば示しが付かないので怒ったのである。
そして、白い空間からヒルコと創造神とアリーシャが暮らしている森の中の拓けた綺麗な空間に戻るのであった。
「創造神様...」
創造神の本音を理解したヒルコは、また涙を流す。それを見た創造神は、優しく抱きしめるのであった。
「ヒルコ~」
それから暫くすると、アリーシャが走ってヒルコに駆け寄り抱きしめる。
「お母様!」
ヒルコは、アリーシャが抱きしめて来たことに驚くが、ヒルコも受け入れて身を任せるのであった。
そして、後からきたイーリアが、創造神に話しかける。
「創造神様、見ていましたが、お人が悪いですよ。見ていてドキドキしましたよ」
「はじめから許してしまっては、また同じことをしてしまうじゃろ?それに、他の神も干渉しよるじゃろうて」
「もうこの際ですから、干渉のルールを変更されては如何ですか?なんとか今回も下界は無事でしたが、次はルシファー自ら現れるかもしれませんよ」
イーリアは、ルシファーが本気を出して侵略し始めると、アレク達ですら止めることは出来ないだろうと考えているのだ。
「うむ...すでに他の男神や女神からも干渉に関する話は受けておる。真剣に考える時期やもしれぬのぅ。一度神を全て集めて協議せねばならぬな」
「よろしくお願いします。それよりも、あの2人を見ていると和みますね。あぁ~私も息子が欲しくなってきたわぁ」
ヒルコとアリーシャの様子を羨ましそうに眺めるイーリア。
「神同士の結婚も認められておるんじゃ。誰かいい人はおらぬのか?」
その瞬間、イーリアは何を言ってるんだこのジジイはと言う顔になる。
「いやいや、創造神様、有り得ませんから!あの浮気ばかりするやつに、武のことばかり考えているやつに、研究ばかりしている馬鹿に、金にしか興味を示さないアホに、根暗な引きこもりですよ。どこに惚れたらいいのですか!」
唾を飛ばすほどに力説された創造神は、「すまぬ」と言うしかなかった。
創造神から見ても、男神はどうしようもない者ばかりなのであった。
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