70 / 756
第2章 魔ノ国の調査隊
第185話 国境を越えたアレク達!
しおりを挟む
あれから2週間が経ち、魔ノ国の国境が近付いてきた。馬は、相変わらず薬のお陰で元気いっぱいである。しかも、毛並みが異常な程よくなり、筋肉も出発時より肥大化している。バトルフォースやバイコーンにも引けを取らない馬になっているのだ。
「そろそろ、国境付近だな。パスクとスペイビズは、あの薬を飲んでくれ」
一応フードを被って角が見えないようにはしているが、国境が近付いてきたからか、魔族をちらほら見かけるようになったので念の為に変身薬を服用してもらう。
「わかりました。父上飲みましょう」
「あぁ~そうだな。足裏の痒みが気になるが、仕方ないだろう」
アレクが、痒みに効く薬を渡してはいるのだが、スペイビズは未知数の痒みの恐怖を感じているのである。
そして2人は、飲んだ瞬間にピカッと光る。光が収まると、そこには別人のパスクとスペイビズがいた。
「おいおい...こりゃすげぇな。どっからどう見ても人間だな。それに、別人過ぎて誰だかわからんねぇよ」
ノックスの言うように、容姿の面影は一切残っていないのだ。しかも、パッとしない顔である。
「この顔なら疑われることはないね。本当に研究者に見えるよ」
パスクとスペイビズは、気になるのか、ぺたぺたと自分の顔を触る。だが、触っただけでは、よくわからない感じで不思議な顔をするのだ。
「どんな顔か、想像がつきません。父上は...言ってはなんですが、平凡ですよ」
「何を言う!お前こそ平凡だぞ」
「「・・・・・プッハハハハハ」」
2人は、何故か顔を見合わせて爆笑するのであった。
それから全員、馬に跨り国境に向かって馬を走らせる。
「よし!国境が見えてきたぞ」
国境は、遠くまで横一列に高い塀で仕切られており、攻め込まれてもなかなか攻め落とすことが出来なさそうである。
「商人...には見えないですね。商人以外の人族とは珍しいですが、魔ノ国に入国する目的を教えて頂けませんか?」
街道沿いに検問所があり、国境警備隊のような魔族が、入国審査をしているのだ。
「少し待って下さい。えっと...こちらをご覧下さい」
アレクが渡したのは、王国から使者として訪れたことが書かれた王印入りの書面と魔ノ国から使者を受け入れると書かれた魔ノ国の国印入りの書面であった。
それを見た国境警備の1人が青ざめて焦り始める。
「タカハシ伯爵様、ようこそお越し下さいました。このまま通って頂いて構いません。それから、ウズベル王国と魔ノ国との良い出会いとなることを願っております」
「ありがとうございます。私共も、これを期に良い関係を築けることを願っております。では、失礼します」
子供であっても、一切の疑いや嫌味などを言うこともなく、気持ちよく通してくれた警備兵にお礼を言うアレク。
「何も疑われず、すんなり通ることが出来ましたね。もっと難癖をつけてくるかと」
「アレク伯爵、ウズベル王国の王印と魔ノ国の国印が捺された書類を出されては、流石に文句をつけるような真似はしないでしょう。ですが、魔王様の側近や貴族の一部は、強さこそが全てと考えている連中ばかりです。お気を付け下さい」
スペイビズが、話していなかった情報を伝えてくる。
「え?もしかして、戦いを挑まれたりすることがあるのですか?」
「有り得ます。ですが、勝つことが出来れば、友好的に接してくれます。強い者が正義です。ですので、悪いことばかりではありません」
出来れば、戦わずして友好関係を結べたら1番有り難いけど、そんな簡単には行かないだろうなと思うアレクであった。
「スペイビズ、模擬戦なら大歓迎だ。四天王の強さも気になるしな。アレク坊、もし戦うなら俺を1番にさせてくれ」
戦闘狂のノックスは、ウキウキした表情で馬を走らせていた。全員が、この人の戦闘狂ぶりに、人族ではなくて魔族の血を引いているのではないかと思うのだった。
「わかりました。もし、そうなったら任せますよ。それより今日は、どこまで行きますか?」
「そうだな。ここから1番近い街の宿に泊まってから、明日魔ノ国の魔都に向かおう。ここからは、スペイビズ先導を頼む」
魔都とは、王国でいう王都のことである。
「任せて下さい。こちらです」
馬の方向を変えて近くの街に向かう一向であった。
「そろそろ、国境付近だな。パスクとスペイビズは、あの薬を飲んでくれ」
一応フードを被って角が見えないようにはしているが、国境が近付いてきたからか、魔族をちらほら見かけるようになったので念の為に変身薬を服用してもらう。
「わかりました。父上飲みましょう」
「あぁ~そうだな。足裏の痒みが気になるが、仕方ないだろう」
アレクが、痒みに効く薬を渡してはいるのだが、スペイビズは未知数の痒みの恐怖を感じているのである。
そして2人は、飲んだ瞬間にピカッと光る。光が収まると、そこには別人のパスクとスペイビズがいた。
「おいおい...こりゃすげぇな。どっからどう見ても人間だな。それに、別人過ぎて誰だかわからんねぇよ」
ノックスの言うように、容姿の面影は一切残っていないのだ。しかも、パッとしない顔である。
「この顔なら疑われることはないね。本当に研究者に見えるよ」
パスクとスペイビズは、気になるのか、ぺたぺたと自分の顔を触る。だが、触っただけでは、よくわからない感じで不思議な顔をするのだ。
「どんな顔か、想像がつきません。父上は...言ってはなんですが、平凡ですよ」
「何を言う!お前こそ平凡だぞ」
「「・・・・・プッハハハハハ」」
2人は、何故か顔を見合わせて爆笑するのであった。
それから全員、馬に跨り国境に向かって馬を走らせる。
「よし!国境が見えてきたぞ」
国境は、遠くまで横一列に高い塀で仕切られており、攻め込まれてもなかなか攻め落とすことが出来なさそうである。
「商人...には見えないですね。商人以外の人族とは珍しいですが、魔ノ国に入国する目的を教えて頂けませんか?」
街道沿いに検問所があり、国境警備隊のような魔族が、入国審査をしているのだ。
「少し待って下さい。えっと...こちらをご覧下さい」
アレクが渡したのは、王国から使者として訪れたことが書かれた王印入りの書面と魔ノ国から使者を受け入れると書かれた魔ノ国の国印入りの書面であった。
それを見た国境警備の1人が青ざめて焦り始める。
「タカハシ伯爵様、ようこそお越し下さいました。このまま通って頂いて構いません。それから、ウズベル王国と魔ノ国との良い出会いとなることを願っております」
「ありがとうございます。私共も、これを期に良い関係を築けることを願っております。では、失礼します」
子供であっても、一切の疑いや嫌味などを言うこともなく、気持ちよく通してくれた警備兵にお礼を言うアレク。
「何も疑われず、すんなり通ることが出来ましたね。もっと難癖をつけてくるかと」
「アレク伯爵、ウズベル王国の王印と魔ノ国の国印が捺された書類を出されては、流石に文句をつけるような真似はしないでしょう。ですが、魔王様の側近や貴族の一部は、強さこそが全てと考えている連中ばかりです。お気を付け下さい」
スペイビズが、話していなかった情報を伝えてくる。
「え?もしかして、戦いを挑まれたりすることがあるのですか?」
「有り得ます。ですが、勝つことが出来れば、友好的に接してくれます。強い者が正義です。ですので、悪いことばかりではありません」
出来れば、戦わずして友好関係を結べたら1番有り難いけど、そんな簡単には行かないだろうなと思うアレクであった。
「スペイビズ、模擬戦なら大歓迎だ。四天王の強さも気になるしな。アレク坊、もし戦うなら俺を1番にさせてくれ」
戦闘狂のノックスは、ウキウキした表情で馬を走らせていた。全員が、この人の戦闘狂ぶりに、人族ではなくて魔族の血を引いているのではないかと思うのだった。
「わかりました。もし、そうなったら任せますよ。それより今日は、どこまで行きますか?」
「そうだな。ここから1番近い街の宿に泊まってから、明日魔ノ国の魔都に向かおう。ここからは、スペイビズ先導を頼む」
魔都とは、王国でいう王都のことである。
「任せて下さい。こちらです」
馬の方向を変えて近くの街に向かう一向であった。
118
お気に入りに追加
6,084
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
醜さを理由に毒を盛られたけど、何だか綺麗になってない?
京月
恋愛
エリーナは生まれつき体に無数の痣があった。
顔にまで広がった痣のせいで周囲から醜いと蔑まれる日々。
貴族令嬢のため婚約をしたが、婚約者から笑顔を向けられたことなど一度もなかった。
「君はあまりにも醜い。僕の幸せのために死んでくれ」
毒を盛られ、体中に走る激痛。
痛みが引いた後起きてみると…。
「あれ?私綺麗になってない?」
※前編、中編、後編の3話完結
作成済み。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
スキルが農業と豊穣だったので追放されました~辺境伯令嬢はおひとり様を満喫しています~
白雪の雫
ファンタジー
「アールマティ、当主の名において穀潰しのお前を追放する!」
マッスル王国のストロング辺境伯家は【軍神】【武神】【戦神】【剣聖】【剣豪】といった戦闘に関するスキルを神より授かるからなのか、代々優れた軍人・武人を輩出してきた家柄だ。
そんな家に産まれたからなのか、ストロング家の者は【力こそ正義】と言わんばかりに見事なまでに脳筋思考の持ち主だった。
だが、この世には例外というものがある。
ストロング家の次女であるアールマティだ。
実はアールマティ、日本人として生きていた前世の記憶を持っているのだが、その事を話せば病院に送られてしまうという恐怖があるからなのか誰にも打ち明けていない。
そんなアールマティが授かったスキルは【農業】と【豊穣】
戦いに役に立たないスキルという事で、アールマティは父からストロング家追放を宣告されたのだ。
「仰せのままに」
父の言葉に頭を下げた後、屋敷を出て行こうとしているアールマティを母と兄弟姉妹、そして家令と使用人達までもが嘲笑いながら罵っている。
「食糧と食料って人間の生命活動に置いて一番大事なことなのに・・・」
脳筋に何を言っても無駄だと子供の頃から悟っていたアールマティは他国へと亡命する。
アールマティが森の奥でおひとり様を満喫している頃
ストロング領は大飢饉となっていた。
農業系のゲームをやっていた時に思い付いた話です。
主人公のスキルはゲームがベースになっているので、作物が実るのに時間を要しないし、追放された後は現代的な暮らしをしているという実にご都合主義です。
短い話という理由で色々深く考えた話ではないからツッコミどころ満載です。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。