チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第1章 伯爵になったアレク

第179話 叙任式当日!あの仲間達も!

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無事に、久しぶりの冒険を終えてから、一瞬で時は経ち、叙任式当日を迎えたのである。

「ギリギリで戻ってきたのに、ちゃんと服が用意されていてよかったよ」

ファビロが、全ての用意を済ませて待ってくれていたのだ。

「私は、アレク様の執事ですよ。当たり前です。それよりいない間、数多くの人が訪ねて来られましたよ。胡散臭い商人や家臣希望の者ばかりです。素性は、調べておりますので、あとの判断はお任せします」

アレクは、なんと出来る執事なんだと思う。出来れば、文官にしたいくらいだと思うのだった。

「色々いない間、ありがとう。明日から溜まった仕事をするよ。じゃあ、そろそろ王城に行ってくる。マンテ爺と一緒に留守を頼んだ」

「はい!行ってらっしゃいませ。アレク様」

アレクは、転移で王城に向かうのであった。

「やっぱり、馬車で来るべきだったかな?」

城門前に転移をしてきたのだが、見渡す限り馬車ばかりであった。アレク1人が、場違い感を醸し出している。

「アレクじゃないか。馬車はどうした?」

アレクが振り返ると、マルティル辺境伯だったのだ。

「マルティルじぃじ!?馬車は乗ってきてないですよ。転移で来ちゃいました」

それを聞いたマルティル辺境伯は、大笑いする。

「ぶははは、そうだったな。アレクには転移があったな。だが、アホな貴族から馬車すらないとのかと噂されるかも知れないぞ。体裁を保つのも大事だ。アレク、この馬車に乗りなさい」

確かに、面倒ではあるが、体裁を考えるのは大事だなと思うアレク。

「あ!はい。わかりました。では、お言葉に甘えさせて頂きます」

そう言ってアレクは、馬車に乗り込むのであった。
今回は、叙任式ということで、各地から全貴族が集まって来ていることもあり、思っていた以上に、馬車の渋滞が起こっている。

「アレク、此度は、叙爵おめでとう。だが、あの戦闘能力を持っているなら、てっきり辺境伯となり国境沿いや魔物を警戒する地方の領主になると思っておったぞ」

「えっ...嫌ですよ。だって領地経営とかまだしたくありませんもん。願わくば、貴族位すらもまだ貰いたくありませんでした。学生を謳歌したかったなと今でも思ってます」

アレクは、素直に話す。マルティル辺境伯なら、このくらいのことでは、怒ることはないだろうと思っているからだ。

「ぶははは!素直過ぎるな。確かに、まだ13歳にして爵位を与えられた貴族はいない。今回は、前例を覆す出来事だからな。今は、嫌だと思っているが、いつか貴族でよかったと思える日が来る。だから、面倒かも知れんが、日々学び成長しなさい。だが、遊ぶことも大事だ。まだ子供なのだから、思うように生きることだな。それに多少の失敗は、若いうちにしておくべきだぞ」

マルティル辺境伯は、アレクに対して肯定的でもなく否定的でもない答えを返した。それは、マルティル辺境伯自身も若い時に経験したことがあるからこそだ。気持ちでわかる面もあるが、だからと言って全面的に肯定してアレクの将来を潰してしまわないようにする為である。

「マルティルじぃじの言ってくれたことが、いつかわかる時が来ると信じて、言われた通りにやってみようと思います。もし、困ったらマルティルじぃじ助けて下さいね」

「いつでも言ってきなさい。アレクの頼みならなんでも聞いてやろう」

スタンピードから助けられたということもあるが、孫のように思っているアレクの頼みなら、どんなことでも叶えてやろうと思っているのであった。

「申し訳ございませんが、貴族証と招待状のご提示をお願い致します」

マルティル辺境伯と話しているうちに、順番が回ってきたようである。
アレクとマルティル辺境伯は、それぞれ言われた物を出す。叙任式前である為、アレクは招待状だけを出す。

「マルティル辺境伯様とアレク様ですね。ご協力ありがとうございました。お通り頂いて大丈夫です」

そうして、アレクとマルティル辺境伯は、城内に入って行くのであった。

「アレク様、お待ちしておりました。叙任式を受けられる方は、別のお部屋になっておりますので、こちらへお越し下さい」

どうやらここで、マルティル辺境伯とはお別れのようである。

「マルティルじぃじ、ありがとうございました。また後でお話しましょう」

「いや、こっちこそ有意義な時間だった。このあとのアレクの晴れ舞台をゆっくり見させてもらうとしよう」

そう言って笑いながら去っていくマルティル辺境伯であった。

その後アレクは、すぐに案内人の後ろを着いていき、控室へと向かう。

「こちらのお部屋でお待ち下さい。お時間になりましたら呼びに参りますので、その際はよろしくお願い致します」

そして、控室を開けると見知った顔がちらほらいた。

「アレク坊、遅いじゃないか。逃げたんじゃないかと話してたところだ」

「アレクくんが、逃亡する姿も見てみたかったですがね。それとパスクくんも、王都に着きましたよ。今頃、アレクくんの屋敷に向かっていると思います」

そこにいたのは、今回叙任されるノックスとオレールであった。

「師匠、オレールさん、もう着いていたんですね。パスクのことは、ファビロに任せていますので大丈夫だと思います。あれ?セイランさん?どうしたのですか?」

セイランは、全身をガクガクと揺らせているのだ。

「あ、アレク様...私どうしたらいいのでしょう?貴族ですよ!貴族!私がですよ」

どうやらセイランは、かなり緊張しているようだ。

「大丈夫ですよ。セイランさんは、それだけの働きをしたじゃないですか。それに、同じ女性のスベアさんもいるわけですから。ってスベアさんも緊張してます?」

スベアは、カチカチに固まってギギギと音が鳴るのではないかといった感じで、首が動く。

「私、貴族、貴族、貴族、あははは」

アレクは、この2人は駄目だと思うのだった。

「師匠、オレールさん、あの2人大丈夫ですかね?」

「駄目でしょうね...そもそも動けるかどうか」

「しゃあねぇな。俺がガツンと「「待った~」」なんだよ」

ガツンと何する気なんだと思ったアレクとオレールは、速攻でノックスを止める。

トントントン

「そろそろ叙任式が始まります。皆様、移動をお願い致します」

それどころではないにも関わらず時間が来てしまったようだ。アレクは、どうにかできないかと考えるのであった。
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