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第1章 伯爵になったアレク

第168話 転生者である告白と意外な反応!

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アレクが、重大な発表をすることは、事前に知らされていたので、全員が黙ってアレクの言葉に耳を傾ける。

「お伝えしたいことが、2つあります。1つ目は、ヘルミーナにはまだ言ってないのですが、叙任式が終わったら結婚をしたいと考えています」

それを聞いたみんなは、「お~、ようやくか」とか「おめでとう」など祝福してくれる声が聞こえたのだ。

「まだヘルミーナには、伝えていないからわからないけど、いい返事を貰えたら案内状を送りますね。そして、今から伝えることが、今回の本題です」

ワァーと盛り上がっていた会議室は一転して、みんなは真剣な表情になり、静まり返る。

「俺は、転生者なんです...今までどんな反応をされるか?騙していたと思われるのではないかと、怖くてナタリーにしか言うことができませんでした。でも、ここにいる方には話しておきたかったんです。」

それから、元の体の持ち主のアレクが死んで、地球という異世界から神様によって連れて来られた渉の魂がアレクの肉体に宿ったことと、スキルの話などをした。

アレクが話している間、驚く顔をする者はいたが、話を遮ったりする者はいなかった。
そして、話し終わると、暫く沈黙が続く。

「そうじゃったのか。秘密を抱えるのは辛かったじゃろ?じゃがのぅ、ナタリー以外は、ここにいる全員、今のアレクしか知らんのじゃ。じゃから、騙したとか気に病むことはないんじゃよ。すでに知っているナタリーは、今尚ついて来とるということは、ここにいる全員含めて、今のアレクが大好きなんじゃよ」

ヨゼフの発言に被せるように、「その通り」と全員が言う。

「アレク坊が、まさか転生者だったとはな。あの強さの説明がついた。だがな、俺はアレクに負ける気はさらさらないぞ。師匠として、最強に君臨し続ける。それに、最近修行を怠けていたから弱くなったんじゃないか?明日模擬戦で見定めてやる。わかったな?アレク坊」

ノックスは、わざと関係のない話を交えて、アレクが転生者だろうが、いつもと変わらず接することをアピールする。少し不器用なので、伝わり辛いのは、ノックスらしいのである。

「僕は、アレク様に救われて今があります。それに、家族も救って貰いました。だから、今のアレク様が僕の全てです。それで、最近父にも話したのですが、一生アレク様の家臣として生きようと思っています」

パスクも、真剣な顔でアレクに訴えかけている。

「ゔぅ...みんなありがとう...本当にありがとう」

アレクは、先程に続いて涙が溢れ出して泣いてしまうのだった。この時アレクは、本当に転生してよかったと、心の底から思うのであった。


それから、みんな解散してアレクも自室に戻った。今は、マンテ爺と2人っきりである。
アレクは、窓辺に座って、ぼぉーと外を眺めていた。その様子を、じっと眺めるマンテ爺。

「ぼぉーとしとるが、どうしたんじゃ?」

「なんで、今までで黙ってたんだろって。もっと早くに言っておけばよかったなってね」

「どうじゃろうな?ワシは魔物じゃから人間と考えが違うかもしれんが、皆も言っていた通り、今のアレクじゃったから、今回受け入れてくれたと思うぞい。信頼関係を構築した今だからじゃよ...きっとのぅ」

マンテ爺の言葉を聞いて、ちゃんと関係を構築して話したからこそ受け入れて貰えたのだと改めて納得した。

「マンテ爺ありがとう。その通りだね。本当に、この世界に来てよかったよ。じゃあ、そろそろ寝よっか。マンテ爺おいで」

アレクは、寝間着に着替えてベッドに横になる。マンテ爺もベッドに飛び乗って、アレクの枕元に行き、頭にベッタリとくっついて寝るのであった。
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