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第11章 王国に迫る脅威

第163話 ノックスの相手にならないNO.6!

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アレクとNO.1が、死闘を繰り広げていた頃、ノックスとNO.6の戦いが始まろうとしていた。

「私は、貴方と真っ向から戦うつもりはありませんよ。絶対零度アブソリュートゼロ

ノックスに勝てないと思ったNO.6は、騎士団が集まる場所へと魔法を放ったのだ。

「クソ!」

ノックスが、追い掛けるように魔法を放って相殺出来る可能性もあるが、もしかすると逆に甚大な被害が及ぶ可能性がある為に無闇に魔法を放つことができないのだ。

「どうしますか?もう間に合いませんよ」

「クソォォォ」

ノックスが、間に合わないことを悔やみ、大声を上げる。しかし、無情にも絶対零度アブソリュートゼロは、騎士団の方へと向かっていく。

「ど、どうなっているのですか?何故私の魔法が...」

なんと騎士団側からもNO.6が放ったものと同じ絶対零度アブソリュートゼロが放たれて相殺されたのだ。相殺されたことにより空から雪の結晶のようなものがパラパラと辺りに降り注ぐ。
何があったかというと、パスクが魔法を放ち相殺させたのだ。

「どうやらお前の作戦も通用しなかったようだな」

「フフッフハハハハ!何故です。何故うまくいかないのです。クッソ~風槍ウインドランス

30本の風槍ウインドランスを出して、苦し紛れにノックスに放つ。しかし、全てを大剣の一振りで叩き落したのだ。何故、いとも簡単にこんなことが出来たかというとNO.8を倒したことで、ノックスは大幅にレベルが上がったのである。

「もう諦めて大人しく投降しろ」

その言葉を聞いて、NO.6は暫く悩んだあと手を上げる。

「わかりました。投降します。その代わり手を貸してくれないですか?魔力がそこを尽きて歩くのもやっとなんです」

急にフラつく素振りを見せるNO.6。そして、そのまま倒れるようにへたり込む。

「しっかりしろ。肩を貸してやるから。行くぞ」

「死ねぇぇ」

ノックスが手を貸そうとした瞬間に、氷剣を出して、ノックスを刺そうとするNO.6。しかし、ノックスは氷剣を手で掴み大剣を振りかざして首を刎ねる。そして、「灼熱息吹フレアブレス」と唱えてNO.6を完全に消滅させる。

「分かりやす過ぎるんだよ。やるならもっと上手くやれ!」

ノックスは、NO.6が何をしてくるかわかった上で、最後の慈悲を与えたのだ。

そしてノックスは、氷剣を地面に投げてる。氷剣は、カランカランと音を立てた後、静かに消えるのであった。


その頃、アレクはというと、NO.1を倒して一息付こうとした時に、後ろから何者かに斬られる。しかし、間一髪のところで避けて服が少し切れた程度で収まる。

「久しぶりだな。妾の子!俺が、どれだけこの時を待ったことか...ここで殺してやる」

そう言ってローブを脱ぎ捨てる。そこには、NO.1と同じで目が真っ赤になり肌は灰色のヨウスであった。

「お前...ヨウスか?」

「そうだ。俺はあの地獄から抜け出して、お前をいつか殺してやろうとずっとずっと待っていたんだ。ゼロがくれたこの力さえあればお前を殺せる。アッハッハッハハ」

アレクは、闇堕ちしたヨウスを見て、こいつは完全に消滅させないといけないと思うのだった。

「死ね~アレク~」

ヨウスが、アレクへと迫る。しかし、「雷拘束ライトニングバインド」と聞こえる。しかもその後に、「一刀両断」と言う声も聞こえたのだ。雷拘束ライトニングバインドで身動き出来ない状態にして、ノックスが上空から大剣で真っ二つに斬ったのである。更に、ノックスは灼熱息吹フレアブレスを放ったのだ。

「お待たせしました。もうそろそろ戦いも疲れましたので先手必勝です」

「どうだアレク!レベルが上がった俺の魔法は!」

「師匠、それにオレールさん!無事だったんですね」

なんと二人が戦いを終えて加勢しに来てくれたのだ。

「邪魔を邪魔をするなぁぁぁぁぁ」

燃え盛る炎の中からヨウスの叫び声が聞こえて、またアレク達に迫ってくる。あれだけの攻撃を受けてもNO.1と同じようにすぐ再生したようだ。

雷拘束ライトニングバインド

オレールが、拘束をして動きを止める。しかも、電流が走って体にダメージがあるはずなのに、拘束を解こうと必死にもがくヨウス。

「なんだあいつ...完全に狂ってないか...」

「そんなこと言ってないで早く攻撃して下さい。そろそろ拘束が解けます」

「お、おう、悪い。アレク行くぞ」

「はい!」

ヨウスを倒す為に、師と弟子の共闘が始まるのであった。
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