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第11章 王国に迫る脅威

第160話 ドーピングしたノックスとオレールは、最強であった。

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「ノックスさん、申し訳ありません。あとはよろしくお願いします」

エクストラポーションで、体力と内臓の損傷は治ったが、腕は無くなったままだ。しかし、こんな公の場でエリクサーを使うわけにも行かず、傷口を塞いだだけにしている。

そしてヘリオスは、血が足りないのか、顔色も悪くフラフラしているが、邪魔にならないように戦線離脱する。

「あとは、任せろ」

ノックスは、大剣を構える。

「許さない、殺す、殺す、暗黒息吹《ダークネスブレス》」

怒り狂った暗黒竜化したNO.8は、また暗黒息吹ダークネスブレスを吐く。ノックスも、お返しだと言わんばかりに灼熱息吹フレアブレスで対抗する。2つのブレスがぶつかり合い、竜と人間がブレスで拮抗し合うという有り得ない状況が生まれていた。

「ぐっ...強い、負けない、キャハハハ」

気が狂った笑いをすると、暗黒息吹ダークネスブレスの威力が上がって押し始める。ノックスは、ここで攻撃力・防御力の向上薬を飲み、魔力100倍増幅薬を飲んで5分間最強になる。そして、一気にブレスを押し返し更に疑似雷龍スードサンダードラゴンを出す。

疑似雷龍スードサンダードラゴン

黄金に光りバチバチと電気を帯びたドラゴンが、NO.8に襲いかかる。暗黒息吹ダークネスブレスを撃っているNO.8は死角から現れた疑似雷龍スードサンダードラゴンを避けることが出来ずに直撃する。しかも、直撃したことで暗黒息吹ダークネスブレスの威力が落ち、薬でドーピングしたノックスの灼熱息吹フレアブレスの威力が100倍に上がり暗黒息吹ダークネスブレスを飲み込み、そのままNO.8も飲み込む。そして、ブレスの勢いは収まることなく、地面を抉りながら地平線の果てに消えていく。

「ノックスさん...やり過ぎです」

ヘリオスが呟く。そして、後方で見ていた騎士団も口をあんぐりとしている。貴族達は、あまりのことに気絶するか失禁してワナワナしていた。
NUMBERS達も、有り得ない威力に思わず振り返り呆然としている。

「くっ...向上薬に耐えられるよう鍛えてきたが、まだダメか」

5分が経ち、全身に激痛が走るが、鍛え上げたことで倒れることはなくエクストラポーションを飲んで回復する。

「来て早々厄介な相手がいますね。しかもNO.8は、やられましたか...」

NO.6は、ストレン領から到着すると地平線の彼方まで地面を抉る魔法を目撃し、勝てない相手だと感じたが、ゼロの復活の為に逃げるわけにはいけないとノックスの前に現れたのだ。

「速攻で終わらせて助けに行くとするか」

ノックスは、臆することなく大剣を構えて迎え討つのであった。



一方その頃、オレールとNO.7はというと。

「君達の仲間は、どうやら消滅したようですよ。貴方は、逃げなくていいのですか?」

このまま引いてくれたら、王都の危機を一旦回避できるなと思っているオレールは、ここは下がってくれないかなと思うのであった。

「ガッハッハッハハ。俺が逃げる?有り得ねぇな。お前を殺して皆殺しだ」

「そうですか。なら本気を出さないと行けませんね。...ハハッこれが薬の力ですか。初めて使いましたが素晴らしいですね」

オレールは、魔力100倍増幅薬と防御力と素早さ向上薬と常時魔力回復薬を飲む。
身体能力を上げる薬を初めて飲んだオレールは、その効力の凄さに感動するのであった。

雷拘束ライトニングバインド

素早さを上げたオレールは、一瞬にしてNO.7の後ろに移動して、雷拘束ライトニングバインドで拘束する。しかも、ただのバインドではなく電流が流れているので、NO.7はダメージを食らう。

「ぐわぁぁぁぁ...グッ...エクスプロージョンフレイムスパイラル」

NO.8は電撃を食らいながらも、魔法を放ち螺旋の業火が一直線にオレールへと向かって飛んでいく。しかし、オレールはシールドを張っているのでダメージは一切ない。

「相性が悪かったですね。そろそろ...おっ!それを抜け出しますか。それにしても、醜くなりましたね」

「ハァハァハァうるさいうるさい黙れ黙れ黙れ!殺してやる」

肌が真っ黒になり目は赤くなって、荒い呼吸をしながらオレールに襲いかかる。どうやらルシファーに与えられた力で形態変化したようだ。

「ハァハァハァ...フレイムエクスプロージョン」

騎士団に放たれた物よりも数倍も大きな爆炎の球体がオレールに飛んで行き、当たった瞬間凄まじい大爆発が起きる。

「ハァハァハァ...ガッハッハッハハ、ボロボロになりやがった。えっ?あれ?視界が...」

大爆発で、シールドを破壊して服がボロボロになったオレールを見て勝った事を確信したNO.7は、油断する。しかしオレールは、向上薬で防御力を上げており、一切ダメージがなかったのだ。更に、大爆発が起きる瞬間仕込んで置いた魔法を魔法操作でコントロールし、NO.7の首を切り落としたのだ。

「ブラックホール」

オレールが、ブラックホールと呟くと黒い球体が現れてNO.7へと近付いていく。体に黒い球体が触れた瞬間、一瞬にしてNO.7は球体へと飲み込まれるのであった。

「ふぅ~なんとか薬のお陰で成功しましたね。ぐっ...これはキツイですね。体が言うことを聞きません」

余裕でNO.7を倒したオレールだったが、向上薬の副作用で全身に激痛が襲いかかり、その場に倒れ込むのであった。
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