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第11章 王国に迫る脅威

第158話 パスク&ギルバートvsNO.2&NO.4の死闘!

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騎士団が絶体絶命のピンチを迎えていた頃、パスクとギルバートもまた壮絶な戦いを繰り広げていた。

「オラァァァ!正々堂々と戦わんかい」

NO.4は、見事にオネェ口調からおっさんと化していた。しかも、身体強化を使っているのか殴った物をことごとく粉砕していく。

「守護の盾・剣聖」

守護の盾と剣聖のスキルを発動させるギルバート。ギルバートの周りに金色に輝く盾が現れる。そして、ギルバートが持っている剣が淡い青色へと変わる。

「あらぁぁぁ、よりいい男になったじゃないの。私のコレクションに加えてア・ゲ・ル」

NO.4から、怒りのオーラは消えて、ハートの目になり標的をロックオンした。

「遠慮させてもらおう。生憎男には興味がないからな」

「ウフフッ!もう決めたの。私の物になりなさい。オラァァァ」

NO.4は、ギルバートに猛突進して拳を繰り出す。だが金色の盾に、見事に弾かれる。弾かれて姿勢を崩した瞬間を狙って、ギルバートは首を跳ねる。そして見事に、首を刎ねて地面に転がる。

「油断したな...グハァッ」

首を刎ねて死んだと思ったギルバートは、スキルを解く。その瞬間に、首のないNO.4から殴られる。ギルバートは、咄嗟に両腕をクロスしてガードするが、見事に吹き飛ばされて地面に打ちつけられて力なく転がって行く。

「急に驚いたじゃないの。もう~激しいんダ・カ・ラ。って死んじゃってないわよね?ね?」

頭をくっつけたNO.4は、吹き飛んだギルバートの下に行く。そして、息があることを確認して抱え上げて連れ帰ろうと歩きだす。

「ウフフッ、しっかり治してから私のコレクションにしてあげるわ」

しかし、この時ギルバートは、背中越しで見えていないのをいいことに、折れた腕を無理矢理動かし、パスクから貰ったポーションを取り出して、歯でコルクを外し狂化強靭薬を飲んだのだ。すると飲んだ瞬間、ギルバートの体からブワッと強風が吹き荒れて蒸気が溢れ出す。その風圧で、NO.4は軽く吹き飛んで手を離してしまう。周りの瓦礫も当然吹き飛ぶ。しかも、蒸気が治まるとギルバートの骨折も内臓の損傷も治り、目が真っ赤に充血して体も真っ赤になる。代償としては5分間理性失い、5分後全身の複雑骨折を伴うが、あり得ない力を得る薬である。

「グォォォォォ」

ロイスの時と同じで、獣のような雄叫びを上げるギルバート。

「なんなのよぉぉ~ぐへぇぶほぉぐはっぐひ」

ギルバートは、目で追いきれない速さでNO.4に迫り、殴る蹴るの連打を浴びせる。しかも、理性がないので止まることがない。目の前の敵を殲滅することしか見えていないのだ。

「グォォォォォ」

「金剛強体」

NO.4の肉体が茶色くなる。まるでボディービルダーである。ちなみに金剛強体というのは、体を極限まで硬くし強化できるスキルだ。

二人は、目にも止まらぬ速さで、殴り合っている。しかし、徐々にNO.4が押され始める。狂化強靭薬で即効回復するギルバートに比べて、一応傷は治るが追い付かない+体力が消耗してきているのだ。

「ぢぐじょーよぐもかわいい私の顔を...ぐへっぶはぁ」

NO.4の言葉などお構いなしに追い討ちをかけるギルバート。しかしそこへ、横槍が入る。狂人化したギルバートの攻撃を簡単に躱して蹴り飛ばしたのだ。

「NO.4、なんてザマだ!お前には失望した。暫く死ね」

「待って、待って、NO.1ギャァァァ」

金剛強体を使用しているNO.4をいとも簡単に斬り刻み。肉片にする。

地獄炎インフェルノフレイム

更に、肉片と化したNO.4をすぐに再生できない程の炎で焼いたのだ。

「ぐはぁ...ごほぉ...」

ギルバートも、狂化強靭薬を使っているにも関わらず立ち上がれない程のダメージを与えられた。しかも、5分が経ち全身複雑骨折になり立ち上がることも出来ない。

「弱いな。こんなやつに負けるとは、情けない。お前もすぐあの世に送ってやる。地獄炎インフェルノフレイム

ギルバートが、最大のピンチを迎えている頃、パスクとNO.2も死闘を繰り広げていた。

「なかなかやりますね。私の攻撃が届かないとは」

あらゆる闇魔法攻撃を繰り出すも、パスクの魔装甲改には通用しないのだ。魔装甲改とは、パスクが持つ氷・炎・雷の3属性を融合して纏っているのだ。

「剣魔」

ここで、今までうまく扱うことができなかった剣聖に匹敵するスキルを使う。これも、ノックスとの修行で扱えるようになったのだ。
ギルバートのとは違い、剣が赤黒く変化する。

「次は、こちらの番です。覚悟してください」

NO.2は、迫りくるパスクを抑えようと黒い針を無数に出すが、魔装甲されたパスクに通用するはずもなく、一瞬で目の前まで来られ十字に斬られる。斬られたNO.2の肉体がズルっとスライドするが、次の瞬間黒い塵となって消える。

「危ないですね。死ぬかと思いましたよ。先にお伝えしておきますが、私に剣での攻撃は通用しませんよ。では、私も少し本気を出しましょうか」

そう言うと、NO.2が10体現れたのだ。その10体は、なんの躊躇もなくパスクへと襲いかかるのであった。
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