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第10章 クラス対抗戦

第149話 準決勝開幕と王都の危機!

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Fクラスとの準決勝が始まろうとしていた。1回戦の情報を聞きつけてきたのか?観客の数も増えている。思った以上に、1年生が無詠唱を使えるという宣伝はうまく言ったと確信したアレク。それと、1回戦FクラスがBクラスに勝利したことで、次はSクラスを下剋上するのではと見に来た観客もいるようだ。

『鑑定』

名前:ジュロス(ホロウ一族の末裔)
年齢:12歳
種族:ホロウ(半人半霊) レベル16
 HP:400 MP:100
攻撃力:100 防御力:80 素早さ:60 精神:300
スキル:透明化
魔法:氷

こんな種族が、存在していたことに驚くアレク。他の4人も鑑定したところ、2人がホロウで残り2人は人間であった。

「みんな集まって」

それを聞いたレオナードとエリーゼとスローとレティーは、アレクの周りに集まる。

「鑑定したらホロウだった。レベルも能力も高くないけど、上位の氷魔法と透明化スキルが厄介そうだね。十分気をつけてほしい。じゃあ、俺は行ってくる」

レオナードとエリーゼには、事前に作戦を伝えてあるので、情報だけを伝えたアレク。

「先鋒の選手は、壇上に上がって下さい」

アレクが、壇上に上がる。すると、クラスメイトから頑張れ~と声援が聞こえてきた。

「両選手フェアな戦いを心掛けて下さい。相手を死に至らしめる攻撃又は再起不能に至らしめる攻撃は禁止です。では、指定の位置へ」

アレクは、指定の場所に向かう前に一言言う。

「ジュロス、いい戦いをしよう。全力できてくれ」

名前を言われて一瞬驚いたジュロスだったが、すぐに真顔になる。

「あぁ、いい戦いをしよう」

2人は、指定の位置に向かい、審判から試合始めの合図が出される。

「凍てつく氷の弾よ、撃ち抜け氷弾アイスバレット

ジュロスは、自身も透明になり詠唱をして攻撃を放ってくる。透明化のスキルで攻撃が見えない。だが、観客席からジュロスではなくアレクに対して「おぉ~」と声援が上がる。アレクは、魔装甲で火を全身に身に纏ったのだ。
氷弾アイスバレットは、アレクに当たるがジュッと音がなって消える。

第1騎士団団長と副団長は、魔装甲を見て驚きを隠せないでいた。

「なんだあれは?スキルなのか?副団長、鑑定を頼む」

「弾かれました...S級の隠蔽魔道具か?私よりレベルが上のようです」

「流石に、副団長よりレベルが上はないだろう?それより、火を体に纏うなど前代未聞だ!これが終わったら陛下に進言をしてSクラスの引き抜きを始めるぞ」

団長は、1年Sクラスを騎士団で囲ってしまおうと考えたのだ。

そんなことを話している間も、試合は進行しており、あの手この手でジュロスは、攻撃を仕掛けていた。次第に消耗していくジュロスであったが、アレクは開始時から一歩もその場から動いておらず一切消耗していない。

「クソ!弱点がない...どうすればいいんだよ」

相手が、戦意喪失しかけていると、学園の外で爆発音が聞こえる。その直後、校内アナウンスが流れる。

「一時クラス対抗戦は中止!今すぐ、各教室に集まり担任の指示に従って下さい」

「君達、聞こえましたね。今すぐ教室に戻りなさい」

どういうことだと思っていると、観客席からパスクが降りてきて壇上にやってくる。

「アレク様、王都に魔物が侵攻しているそうです」

「え?王都は大丈夫なの?」

「まだハッキリしたことはわかりません。とりあえず、指示通り教室に向かいましょう」

確かに、現状を理解しないと何もできないと思ったアレクは、みんなと共に教室に戻る。
教室に着くと、すでに他の生徒と先生は集まっていた。

「おぉ~やっと来たか?席に座ってくれ。まず、爆発音に驚いたことだろう。何があったかというと、魔物が王都に侵攻してきている」

それを聞いたクラスメイト達は、慌てだしてワァ~ワァ~と騒ぎ出す。

「お前ら静かにしろ!」

教壇をバンと叩いて一喝するギルバート。教室は、一瞬にしてシーンと静まり返る。

「よし!やっと落ち着いたな。お前らが騒いだ所で何も解決はしない。今のところ、侵攻は冒険者と王都守備隊によって抑えられている。じきに、騎士団も動くだろう。お前達は、問題が解決するまで学園内にいてもらう」

その時、アレクはどうやって抜け出そうかと考えていた。

「アレク、こりゃ大変じゃわい。嫌な匂いがしおるのぅ。あの時、襲ってきたやつに近い匂いを感じるわい」

「あの時?それって黒い衣装に仮面の?」

「そうじゃ。あやつらが関係しておるのぅ」

何故、マンテ爺が気付いたかはわからない。だが、そんなことはどうでもいい。あんなやつらが侵攻してきたら、王都は壊滅してしまうと思ったアレクは、どうにかしないとと考える。

「パスク、無理矢理学校から出ていくよ。準備はいい?」

「はい!」

アレクとパスクは、スッと立ち上がって動き出すのであった。
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