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第8章 災害の被害を受けた人が集まる
第183話 ダークエルフのキュレーネが助けを求めてやってきた!
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ダークエルフは災害に見舞われていた。大嵐とずっと続く大雨に森の恵みの作物は全てやられて、家も嵐の所為で倒壊した。だが、ダークエルフは、長い間どことも関わりを持っておらず、唯一キュレーネとリーリヤが友達であったがダークエルフとエルフはそこまで仲がいいわけでもなく頼ることができない。
キュレーネはどうしようかと悩んでいた時に、憩い亭を思い出す。もしかしたら、受け入れて貰えるのではないかと。早速行動に移すのだった。
「どうかどうかダークエルフを住まわしてくれないだろうか?」
アレンと拓哉の前で頭を下げて懇願するキュレーネ。急にやってきて長に会わせてくれと懇願されてアレンが対応に出たのだが、偶々拓哉も近くにいたので一緒に話を聞いているのだ。
「あの?どういうことでしょうか?詳しくお聞かせ頂けませんか?」
アレンが代表して尋ねる。
「災害に見舞われて住む家も食料もないんだ。どうか助けてくれないだろうか?」
キュレーネは、切羽詰まっているのか、ちゃんとした説明をまともにできていない。だが、ある程度察したアレンが拓哉に問いかける。
「どうしますか?現状家も食料も余裕はありますから助けることは可能です。しかし、ただ受け入れて自由に振る舞われてもこちらとしては困りますしね。迷うところですよ」
受け入れることはできるが、秩序を乱すような行動は取ってほしくないというのがアレンの意見だ。
「そうですね...難しい問題ですね。私は憩い亭で店主をしてる拓哉と言います。もし、住むとして秩序を乱すような人はいませんか?もし受け入れてから揉めるような人がいた場合出ていってもらうことになりますが...」
「私はキュレーネだ。うむ...揉めるとしたら長老がそちらのルールに従わない恐れがある。あとは、戦士の村でもあるから強い者にしか従わない」
助けてもらっておきながら、その考え方はどうかと思う拓哉とアレン。だが、圧倒的理不尽ならこの村に何人もいるから抑え込めるなとも考えていた。
「私は、村長のアレンと言います。キュレーネさんに言っても仕方ありませんが、助けてもらう方がそのような考え方だと受け入れられませんね。現実を受け止めて強いからだとか弱いからとかではなく考え方を柔軟にしてもらわないと」
「なんだと!戦士をバカにしているのか弱気者が強気者に従うのは世の常ではないか!その考えが間違っているとでも?」
変なスイッチが入ってしまったキュレーネは怒号をあげる。話が噛み合っていないというか文化の違いというのかと思う拓哉。
「間違っているとかではなくて立場を考えてくださいということです。助けてほしいなら譲歩して従う...う~ん従うは違いますね。協力してもらわないと、こちらも助けることに協力できないと言っているんです」
アレンが村長らしくしっかりした考えを述べる。キュレーネも、頭ではわかっていても何故か引き下がれなくなってしまっている。そこで拓哉が提案する。
「そもそも貴女達を助ける義理は私達にはないことをわかってください。それでも人が死ぬことは目覚めが悪いので助けるだけです。そこで、そちらの代表とこちらの代表が戦うのはいかがですか?こちらが勝てば全面的に従って下さい。そちらが勝てば家と食料を提供しますよ。そちらに損はないはずですが」
損のない条件を提示した理由は、こちらにはグラデュースがいるからだ。どんなことがあっても負けることはないと考えてことである。
「わかった。その条件でいい。こちらは私がやる。1番強いからな」
勝ったなと思う拓哉。多分拓哉が戦っても勝利を収めるだろう相手である。
「では決まりましたから食事でもしましょうか?一旦集落に帰るにしても腹ごしらえは必要でしょ?」
アイテムボックスからバケットを取り出す拓哉。中にはワックスペーパーに包まれたお肉たっぷりのサンドイッチが入っている。
「おいしそうですね。ん!ん!このピリ辛のお肉と甘めのソースが合いますね。パンもカリカリでおいしい」
ホットサンドにしているのでカリカリなのである。アレンのいう甘いソースは細かくした野菜を沢山入れて作った特製ソースだ。お肉はキマイラのピリ辛肉を使っている。
「う、うまい...ジューシーなピリ辛肉から溢れ出る肉汁がなんとも言えないな。パンも小麦の甘さがあってうまい!久しぶりのまともな食事感謝する。さっきはイライラして悪かった...色々あり過ぎて何かに文句を言いたかったのかもしれない」
「お腹が減っていたら誰しもイライラしますからね。ダークエルフの方々が来たら試合をする前に料理を振る舞ってからの方がよさそうですね。それにしてもカリとしたパンに肉の旨味がじゅわ~っと出るキマイラの肉は合いますね。うまい」
やっぱり腹を満たすことは大事なことだな思う拓哉であった。
キュレーネはどうしようかと悩んでいた時に、憩い亭を思い出す。もしかしたら、受け入れて貰えるのではないかと。早速行動に移すのだった。
「どうかどうかダークエルフを住まわしてくれないだろうか?」
アレンと拓哉の前で頭を下げて懇願するキュレーネ。急にやってきて長に会わせてくれと懇願されてアレンが対応に出たのだが、偶々拓哉も近くにいたので一緒に話を聞いているのだ。
「あの?どういうことでしょうか?詳しくお聞かせ頂けませんか?」
アレンが代表して尋ねる。
「災害に見舞われて住む家も食料もないんだ。どうか助けてくれないだろうか?」
キュレーネは、切羽詰まっているのか、ちゃんとした説明をまともにできていない。だが、ある程度察したアレンが拓哉に問いかける。
「どうしますか?現状家も食料も余裕はありますから助けることは可能です。しかし、ただ受け入れて自由に振る舞われてもこちらとしては困りますしね。迷うところですよ」
受け入れることはできるが、秩序を乱すような行動は取ってほしくないというのがアレンの意見だ。
「そうですね...難しい問題ですね。私は憩い亭で店主をしてる拓哉と言います。もし、住むとして秩序を乱すような人はいませんか?もし受け入れてから揉めるような人がいた場合出ていってもらうことになりますが...」
「私はキュレーネだ。うむ...揉めるとしたら長老がそちらのルールに従わない恐れがある。あとは、戦士の村でもあるから強い者にしか従わない」
助けてもらっておきながら、その考え方はどうかと思う拓哉とアレン。だが、圧倒的理不尽ならこの村に何人もいるから抑え込めるなとも考えていた。
「私は、村長のアレンと言います。キュレーネさんに言っても仕方ありませんが、助けてもらう方がそのような考え方だと受け入れられませんね。現実を受け止めて強いからだとか弱いからとかではなく考え方を柔軟にしてもらわないと」
「なんだと!戦士をバカにしているのか弱気者が強気者に従うのは世の常ではないか!その考えが間違っているとでも?」
変なスイッチが入ってしまったキュレーネは怒号をあげる。話が噛み合っていないというか文化の違いというのかと思う拓哉。
「間違っているとかではなくて立場を考えてくださいということです。助けてほしいなら譲歩して従う...う~ん従うは違いますね。協力してもらわないと、こちらも助けることに協力できないと言っているんです」
アレンが村長らしくしっかりした考えを述べる。キュレーネも、頭ではわかっていても何故か引き下がれなくなってしまっている。そこで拓哉が提案する。
「そもそも貴女達を助ける義理は私達にはないことをわかってください。それでも人が死ぬことは目覚めが悪いので助けるだけです。そこで、そちらの代表とこちらの代表が戦うのはいかがですか?こちらが勝てば全面的に従って下さい。そちらが勝てば家と食料を提供しますよ。そちらに損はないはずですが」
損のない条件を提示した理由は、こちらにはグラデュースがいるからだ。どんなことがあっても負けることはないと考えてことである。
「わかった。その条件でいい。こちらは私がやる。1番強いからな」
勝ったなと思う拓哉。多分拓哉が戦っても勝利を収めるだろう相手である。
「では決まりましたから食事でもしましょうか?一旦集落に帰るにしても腹ごしらえは必要でしょ?」
アイテムボックスからバケットを取り出す拓哉。中にはワックスペーパーに包まれたお肉たっぷりのサンドイッチが入っている。
「おいしそうですね。ん!ん!このピリ辛のお肉と甘めのソースが合いますね。パンもカリカリでおいしい」
ホットサンドにしているのでカリカリなのである。アレンのいう甘いソースは細かくした野菜を沢山入れて作った特製ソースだ。お肉はキマイラのピリ辛肉を使っている。
「う、うまい...ジューシーなピリ辛肉から溢れ出る肉汁がなんとも言えないな。パンも小麦の甘さがあってうまい!久しぶりのまともな食事感謝する。さっきはイライラして悪かった...色々あり過ぎて何かに文句を言いたかったのかもしれない」
「お腹が減っていたら誰しもイライラしますからね。ダークエルフの方々が来たら試合をする前に料理を振る舞ってからの方がよさそうですね。それにしてもカリとしたパンに肉の旨味がじゅわ~っと出るキマイラの肉は合いますね。うまい」
やっぱり腹を満たすことは大事なことだな思う拓哉であった。
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