異世界のんびり料理屋経営

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第7章 魔境村の日常生活

第172話 小さな妖精とスイーツ!

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妖精の子供のニルとミルは、また抜け出して二人で憩い亭がある村にやってきている。

「わぁ~ミル凄いおっきな壁だね」

「そうだね~。どこから入るのかな?流石に私達だと1番上まで飛べないよ」

小さい体では、何十メートルもある壁を越えることができないと知り、入り口を探すことにした二人。

「あ!そうだ。前焼き肉を食べに来た時に通った場所なら入れるかも。ミル行ってみよ」

「そうだね。行こう」

二人は、正解を探し出したのである。今は、石畳からアスファルトで綺麗に舗装された道になっているが、そこが入り口なのだ。

「ニル~前より綺麗になってるね~」

「多分バルトが頑張ったんだよ。それより、甘いスイーツ楽しみだね」

村に入り安心仕切っている二人だったが、目の前にオルとロスが姿を現す。

「ギャ~魔物~」「キャ~ニル~怖いよ」

まさか村の中にオルトロスがいると思っておらず、慌てる二人。
だが、オルとロスからしたら慣れたもので、優しく声をかける。

「拓哉さんの所に来たお客さんですか?」

こういう対応は、口の悪いロスよりオルの方が向いているので、ロスはいつもオルに任せている。

「へっ?はい。お客さんです」

まさかの魔物からの問いかけに、ニルは思わず普通に返事をしてしまう。

「やはりそうでしたか。僕達は、アニカ様のペットなので何も害を及ぼしたりしませんよ。もしよかったら、乗っていきますか?」

背中に乗っていくかと聞くオル。

「ミル~敵意はないようだけど乗らせてもらう?」

「う、うん。そうしよ~」

乗らないという選択肢をしても怖いので、二人は背中にしがみつくように乗る。乗るとフワフワの毛といい香りがして思わず寝そうになる二人。

「フワフワだね~」 「モフモフでいい匂い」

オルとロスも、こんな簡単に警戒心が無くなると思っていなかったのと、寝そうになっている二人に気を遣ってか、凄い遅い速度で憩い亭に向かう。

「妖精のお二人さん、憩い亭に着きましたよ。起きてください」

なんか送迎バスのような感じになっている。オルトロスである。

「むにゃ?え!?寝ちゃってたよ。ミル起きて!着いたよ」

「うにゅ!?着いたね~って寝てたの?」

「ぐっすり寝てたから起こさずに向かいました」

超絶優秀なオルトロスに見える。ん?おかしいな?戦闘でなくて送迎バスとして優秀...まぁ、この村ならではということで。

「気を遣ってくれてありがとう~」

「気持ちよかったね~ありがとう~」

二人は、オルとロスにお礼を言って店に入る。

「いらっしゃいませ。ニルさんとミルさん、お久しぶりですね」

「ラリサ、久しぶりだねぇ」

「久しぶり~」

挨拶をして空いている席に座る二人。

「どれにしようかな?ミルは決まった?」

「スイートポテトにしようかなって~。ニルは?」

「さつまいもとキャラメルソースのチーズケーキにしようかな~」

「決まり~!ラリサ、スイートポテトとさつまいものキャラメルソースのチーズケーキ下さい」

「は~い。少々お待ち下さいね」

ニルとミルは、どんなスイーツが来るのか、楽しみで仕方なかった。甘いのかな?ふわふわかな?どんな味がするのかな?など話し合っていると注文したスイーツがやってくる。

「お待たせ致しました。スイートポテトとさつまいもとキャラメルソースのチーズケーキです」

スイーツの甘い匂いが漂ってきて、ニルもミルも食べたいという欲求だけに支配される。
ミルに至っては、もう食べ始めている。

「このイモあま~い。それに、バターかな?それのお陰で凄い濃厚な味になってるよ~。うゔ~もっと大きな体ならいっぱい食べられるのに、これだけ食べたらお腹いっぱいになっちゃうんだろうな~」

「そうだねミル...早く大人になりたいねぇ。こっちも濃厚で甘くておいしいよ~それに、チーズの風味とこの香ばしくて甘いソースも凄くおいしい~」

小さい体ながら、人間サイズのスイーツを全部食べる二人。どこに、その量が入るんだと思うくらいだが、二人は、早く大きくなってもっといっぱい食べたいようである。
二人は、しっかり同じ物をお土産に買って帰宅するのであった。
だが、帰宅したらまた父親と母親から怒られたのは言うまでもない。
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