異世界のんびり料理屋経営

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第7章 魔境村の日常生活

第166話 関西風・広島風お好み焼きと小次郎!

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昨日の夜どうしても食べたいものがあると小次郎から言われて、小次郎の家に向かっている。

「師匠来ましたよ~開けてください」

暫くしてから、ガラガラと引き戸が開く。

「わざわざすまんな。とりあえず入ってくれ」

小次郎は、拓哉を居間に案内する。すでにお茶請けも用意されており、お茶も淹れてくれる。

「新しく開発したお茶だ。かなりの効き目があると思う」

ずっとお茶を趣味としていて、色々な効能があるお茶を生み出している。

「おいしいのは当たり前なのですが、体がポカポカしますね。それに、頭もシャキッとしますよ」

「20種類の薬草を煎じてあるから体にはいいはずだ。それよりも、食いたいものがあるんだが...」

剣の師匠からお茶の師匠になったのかと思うほど、本気度を感じるお茶であった。

「何を食べたいのですか?」

「お好み焼きが食べたいんだ。ヴァレリーいわく、非常にうまい料理だと聞いた。しかも、焼きそばのソースに近い物を使っていると...食べたくて仕方なくなってしまってな。作ってはくれないか?」

まさかのお好み焼きで、「え?」となるが、小次郎も日本人に近いからきっと焼きそばにハマって、それに近いお好み焼きを食べたくなったのだろう。

「構いませんよ。肉か海鮮どっちが食べたいですか?」

「両方お願いできないか?」

確かに、種類が色々あるのを聞いたら両方食べたくなるよなと思う拓哉。

「わかりました。ちょっと台所を借りますよ」

そう言って台所に行き、材料を用意する。ちなみに、長芋を入れてふわふわにするのが俺流である。
材料は、長芋 オークのバラ肉 キャベツ 薄力粉 水 卵 天かす 紅生姜 サラダ油
お好み焼きソース マヨネーズ かつお節 青のりのシンプルなものである。

「どうしても長芋をすりおろすと手が痒くなるんだよな。これの対策があればいいんだけど」

長芋をすりおろしながらボヤく拓哉。その後、キャベツを粗みじん切りにして、オークのバラ肉を適当に切る。それから、薄力粉と水と卵を混ぜて、ある程度したら、すりおろした長芋と天かすと紅生姜とキャベツを入れて、よくかき混ぜる。

「そろそろいい感じにフライパンも温まったし焼いていこうかな」

温まったフライパンの上へ、円形状に生地を流し込んで、バラ肉を乗せる。
暫くすると、焼き目がついてきたのでひっくり返す。3分程蒸し焼きにして、串を通して粉がついていなかったので完成である。

「あとは、ソースとマヨネーズとかつお節と青のりをかけて完成っと」

出来上がった熱々のお好み焼きを持って、小次郎の待つ居間に向かう拓哉。

「まずは、オーク肉の関西風お好み焼きです。熱いので気をつけて食べてください」

ソースの焼けた香ばしい香りと、相変わらずウネウネ動く不思議なかつお節を見て、心踊る小次郎。箸を握り切れ目入れて、そのまま口に運ぶ。

「ハフハフ、ふぅ~熱いがうまいな。ほぅ~生地にキャベットが入っているのか!キャベットの甘みと生地のモチモチした感じが堪らない。それに、ソースとかつお節も相性が抜群だ。更に、オークの肉が、ガツンときてソースと絡みうまさを昇華させている。拓哉、うまい」

かなり気に入ってくれたみたいだ。ハフハフ言わせながら、ぺろりと平らげてしまった。

「じゃあ次は、海鮮広島風お好み焼きを作ってきますので、お茶を飲んで待っていてください」

次は、広島風お好み焼きを作っていく。
キャベツをみじん切りにして、薄力粉を4回に分けて溶いていく。よく混ざったら、油を引いたホットプレートに、直径20センチくらいになるように伸ばす。固まってきたらかつお節を散らせて、キャベツとホタテとイカと桜えびと天かすを乗せて、生地を上からかけてひっくり返す。

「そろそろ焼きそばも作らないとな」

塩コショウで味付けした麺の上にお好み焼きの生地を乗せる。その横で卵を割ってコテで黄身を潰して、その上に生地を乗せてソースと青のりをかけたら完成である。

「師匠、海鮮広島風お好み焼き完成しましたよ」

小次郎は、まさかの焼きそばが入っていることに驚いていたが、すぐに食べることに意識が行き、口に運ぶ。

「ハフハフ、相変わらず熱いけどうまい。それに、さっきとは別物だな。生地が少しパリっとしていて、中の具の味をより楽しめる。海鮮とソースの相性もいいし、それよりも大好きな焼きそばが入っているのが嬉しい。モチモチの麺と卵のまろやかさとガツンとくるソースに海の味とシャキシャキのキャベット...うむ、カンサイお好み焼きもこのヒロシマと言うのも甲乙つけがたいな。どちらにしてもうまいのは変わらん!おかわりを頼む」

小次郎は、どうやら粉物が好きなようだ。この後も、関西風お好み焼きと広島風お好み焼きを2枚おかわりしてぺろりと食べるのであった。
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