異世界のんびり料理屋経営

芽狐@書籍発売中

文字の大きさ
上 下
122 / 203
第5章 天界への旅と龍達との出会い

第119話 不老不死の霊薬の手掛かりと村長就任!

しおりを挟む
天界から帰ってきた次の日

呼ばれた住人達が、議会所にどんどん集まってくる。 何故呼ばれたのだろうと住人同士で話し合いながら中に入っていく。
全員が席に座ったタイミングで拓哉が話し始める。

「急に集まってもらってすいません。 知ってる人も知らない人もいるので、1から説明するから最後まで聞いてもらいたいです....」
 
マリーさんに話したように、創造神によって連れて来られたこと目的が与えられていること、そして昨日天界に連れて行かれたことを話す。 最後に、天界で茂三や元王達に言われたことを伝えて、拓哉の願望である長命な村の住人達とより長く一緒に過ごしたいことも言った。その為に、霊薬の件でグラデュースに協力をしてほしいとも伝える。

それを聞いたみんなはざわつき始める。 アレンとモニカとカイルは、何がなんやら状態だったが創造神に会った住人が再度説明している。 グラデュースが霊薬のことで拓哉に話しかけてくる。

「友だから協力はするが、地竜と火竜はすでに血があるんだよな?」

「そうだね。 ちゃんとアイテムボックスにあるから大丈夫。 その他の竜が何体いるのか種類すら知らないんだよな」

昨日マリーに聞くのをすっかり忘れていた拓哉。

「水竜・雷竜・威風龍・殲滅龍の4種類だな。 殲滅龍以外は俺が言えばすぐ手に入るが殲滅龍とは仲が悪い...多分戦いになるな。 俺は構わないが大陸の半分以上が消滅するだろう」

待て待て!1番厄介そうな名前のやつと過去に何があったんだよ。 それに、半分以上も大陸が消滅するって...

「はぁぁぁ...まさかそんな難易度の高い話とは...って待てよ! マリーは、不老不死の霊薬を作ることに成功したんだよな?何故全部の血を集めれたんだ? あと何故自分に使わずエルダーリッチになった?」

そうだよ。 作った人がいるならその人に聞けばいいんだと思う拓哉。  
マリーに対して敬語ではないのは、使徒様だと分かり絶対畏まらないでほしいと言われたからだ。

「霊力草という物を探しに山へ行った時に、そこに住む老人がレシピと一緒にくれたんです。 どうせ嘘だと思いましたが、無償で渡されたので受け取りその材料とレシピで作ったら本当に完成してお礼を言いに行くと、どうしても不老不死の霊薬が必要だと言われて元々その人の物でしたし、私は作れて満足したので理由も聞かず渡しました。 あ!そう言えば、その時言われたのですが、"あの料理人がなくなってしまったからもう二度と霊薬は作れないだろう"と仰っていました」

色々ツッコみたいことは山程あるな。 本当にマリーの生前は錬金術で何かを生み出すしか興味がなかったみたいだ。 しかも、あの料理人て...茂三さんだよなきっと...

「なるほど。 マリーさん、その山に行きたいのですが案内できますか? 生きていないかもしれませんが、日記などがあればもしかすると殲滅龍の好きな料理名くらいはわかるかなと」

絶対死にたくないと思う拓哉はいつも以上の行動力を見せる。 戦わずに料理で手に入れられるなら行くしかないでしょうと。

「可能ですが...少なくとも300年は経っていますよ。 家があるかすらも...」

300年で確定だな。 茂三さんだ。なら俺にも作れる可能性が増したぞ。 あとは、手掛かりだけだな。

「とりあえず案内を頼みたい。 多分料理人は茂三さんのことだから手掛かりさえあれば作れる可能性があるんだ!」

いつの間にか、アレンもモニカもカイルもこちらの話を真剣に聞いている。 周りから話を聞いて本当だと理解したのだろう。 

「わかりました。 何時頃出発しますか?」

誰を連れて行くかだよな...転移が使えるボーンさんに協力してもらえるか聞こう。 あとは、師匠とマリー...以上だな。

「転移可能なボーンさんに協力可能か聞いてからにします。 あとは、師匠とマリー着いてきてください。 1日...遅くて2日間で帰りますので、その間は"子供食堂"を開きましょう。 簡単な物なら桜花が作れますし、カイルくんもヤナくんも一目見たら覚えますから大丈夫でしょう。 あとアレンさんには、この村の村長として住みやすい街をバルトと考えて下さい。 多分、殲滅龍に会いに行かないといけなくなりそうなので、アレンさんに任せたいのです。 お願いできますか?」

アレンは、まさか自分に振られると思っておらず焦る。 最近は、他種族の住人と仲良くなり、種族の生活様式や習慣など色々聞いて回っている。 だからこそ、村を発展させるのに向いていると考えたのだ。

「私がですか? 荷が重すぎますよ~。 拓哉さ...使徒様がやられた方がいいと思いますが...」

使徒である拓哉がやる方が周りが付いてくると考えたからだ。

「拓哉でいいですよ。 使徒って柄じゃありませんから。あはは、それから俺は料理人なので管理とか内政とか不向きなんです。 手伝いはしますからお願いできませんか?」

そう言うと周りからも「アレンでいいだろう」と言う声が聞こえてきた。

「貴方、やってみたら? 使徒様のお墨付きだし、こんな名誉ある仕事をした人は世界にいないんじゃない?私も支えるわ」

モニカがアレンを説得する。

「妻も協力してくれるみたいですからわかりました。 やりましょう。 その代わり給料増やしてくださいね」

冗談を言うアレンに周りは爆笑するのであった。

それから、ずっと黙っていた娘たちが話し始める。

「私もお父さんと長く一緒にいたいから、今回のこと嬉しいし協力します」

「アニカも、パパと一緒にいたいの」

「あるじ、いつまでも一緒だよ。 不老不死の件は協力したいんだよ。だから行ってくるんだよ」

それを聞いた拓哉は、3人を抱きしめる。周りは、温かい目をして見るのだった。
しおりを挟む
感想 1,410

あなたにおすすめの小説

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。 そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。 その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する! 底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる! 第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

処理中です...