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第4章 新たな出会いと充実していくスローライフ
第91話 獣人の国の王様の謝罪!?いや!?ただの狸王様!
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グラデュースはというと、宿に泊まり昼過ぎまで寝て一度溜め込んだお宝とお金を取りに住処に戻っていった。 ちゃっかりバルトに家をお願いし住む気満々のグラデュースであった。
拓哉は、昨日遅くまでグラデュースに付き合っていたので自宅でのんびりしていた。
「ふわぁ~今日は、夕方までのんびりしてやるからな。 ぜ~ったい誰もくるんじゃないぞ」
最近何かと忙しかった拓哉は、大きなあくびと伸びをして独り言を言う。 だが、完全に自らフラグを立てにいっていることに気づかない拓哉。 そのフラグは、目と鼻の先まで訪れていた。
ドンドンドン!!!(ドアを叩く音)
「お~い!拓哉はいるか?? どうしても直接会いたいという人を連れてきたんだが、開けてくれないか?」
ヴァレリーの声が聞こえてため息を吐きながら重い腰を上げる。 はぁ~~せっかくゆっくり出来ると思ったのにと思う拓哉。
「ヴァレリーさんこんにちは。 会いたいとおっしゃった方は、横にいる方ですか?」
ヴァレリーの横にいたのは、筋肉ダルマのような獣人で金属の胸当てを付け、腕と膝下は筋肉を見せつけるかのように露出している。 顔はいかついが初老を迎えているのが伺える。
「おう!こいつは、獣人の国の王のガルードだ。 拓哉と殺り合ったバカ王子が居ただろう? あいつの件で、直接会いたいと言い出してな。 こうやって連れてきたんだ!!」
オイオイオイオイ!なんで、あのバカ息子の親を連れてくるんだよと思う拓哉。
でもどうしようもないので仕方なく、自宅に招き入れる拓哉。
「立ち話もなんですし、中で話をお聞きします。 どうぞ入ってください」
そう言って、ヴァレリーとガルードを居間まで案内する。 拓哉は冷たいお茶を二人に出してから向かい側に座る。ガルードは、いまだ沈黙を貫いており、鋭い眼光で拓哉を見てくる。 拓哉は、難癖をつけられるのではと身構えるが、この後杞憂に終わることを知る。茶を一口飲み話し出すガルード。
「拓哉殿! うちのバカ息子が本当に申し訳ないことをした。 謝って済む話ではないが、どうかこれで許してくれないだろうか?」
床に頭を擦りつけながら謝るガルード。 そして、出されたのは金の延べ棒5本である。
拓哉は、難癖をつけられると思っていた為、まさかの土下座と金の延べ棒を前にして、呆気に取られる。
呆気に取られていて言葉を返せない拓哉に対してガルードは更には謝りだす。
「申し訳ない! 金で解決しようとしたワシに怒っているのだろう? これは、誠意だと思ってほしい。 それから、ワシの出来ることなら条件は飲むなんでも言ってくれ。 それに、あのバカ息子は奴隷に落として鉱山で働かせている。 ここに、仕返しに来ることはないから安心してほしい。 どうかこの通りだ許してくれ」
もう一度深々と頭を下げるガルード。 拓哉は、我に返っており、『そう言うことじゃな~い。呆気に取られてただけ。 王様頭上げて~ちょっ!この延べ棒どうするの!?それにまだ何か渡そうとしてるのか!?』と考えている。 拓哉が話そうとすると、ヴァレリーが呆気に取られているのを知りながら言う。
「こいつから、搾れるだけ全部奪い取ってやれ!ぐっははははは」
わざとらしく笑いながら言うヴァレリー。
「ちょっ!?ちょっと!ヴァレリーさん、何言ってくれてるんですか? ガルードさん違いますからね。 仕返しにきたと思っていたら謝られ、更には延べ棒まで出てきて呆気に取られていただけですから。 そもそも口頭で謝罪して頂ければ許しますよ」
必死に弁解をして、ヴァレリーをにらみつけてあとで仕返しをしてやると心に誓う拓哉。
そう思っていると、ガルードが拓哉の手を取り話し出す。
「あぁぁぁなんて心の広い人間なのだ。 ヴァレリーから聞いた時は、にわかに信じられなかったが本当のようだな。 こんな欲のない人間は初めてだ」
獣人を奴隷に拐う人間を信用出来ずにいたガルードだが、拓哉の言葉でいい人間だと気づく。
「だから言っただろ? 試す必要はないと。 拓哉は、そこら辺にいる有象無象とは違うのだからな。 わかったなら、改めてちゃんと謝罪をしろ」
謝罪は本当だが、金の延べ棒や出来ることならすると言うのは、すべて拓哉を試すためであった。 欲深い人間なのかどうかを。
改めて拓哉を見るガルード。
「試すような真似をしてすまなかった。 ワシは、身勝手な人間が信じられんのだよ。 それから、改めてバカ息子の件、申し訳ない!!」
クソッ!なんだこの狸じじぃは。 奴隷にされている件を知っているので、人間を信じられんのだよと言われてしまえば怒るに怒れなくなる拓哉。
ヴァレリーと一緒に、この狸にもいつか仕返ししてやろうと企む拓哉。
「はぁぁぁあ!もう良いですよ。 すっかり騙されてバカみたいですよ。 俺は夕方までゆっくりしたいので、仲良しコンビはお帰りください。 ほら立った立った!!」
コンビとはなんだ?とか試してすまなかったとか言っているが、疲れた拓哉は無理矢理二人を追い出して、居間で横になる。 冷静沈着のお陰でイライラもすぐ治まりグッスリ夕方まで寝るのであった。
その頃、追い出された二人は。
「お前のせいで追い出されたではないか!」
「お主も、あの場では面白そうだとか言ってたではないか!そもそもお主が話したせいでバレたんだぞ!」
あーだこーだと、罪を擦り付け合いながら罵る二人。 仲がいいのか悪いのやら!?
拓哉は、昨日遅くまでグラデュースに付き合っていたので自宅でのんびりしていた。
「ふわぁ~今日は、夕方までのんびりしてやるからな。 ぜ~ったい誰もくるんじゃないぞ」
最近何かと忙しかった拓哉は、大きなあくびと伸びをして独り言を言う。 だが、完全に自らフラグを立てにいっていることに気づかない拓哉。 そのフラグは、目と鼻の先まで訪れていた。
ドンドンドン!!!(ドアを叩く音)
「お~い!拓哉はいるか?? どうしても直接会いたいという人を連れてきたんだが、開けてくれないか?」
ヴァレリーの声が聞こえてため息を吐きながら重い腰を上げる。 はぁ~~せっかくゆっくり出来ると思ったのにと思う拓哉。
「ヴァレリーさんこんにちは。 会いたいとおっしゃった方は、横にいる方ですか?」
ヴァレリーの横にいたのは、筋肉ダルマのような獣人で金属の胸当てを付け、腕と膝下は筋肉を見せつけるかのように露出している。 顔はいかついが初老を迎えているのが伺える。
「おう!こいつは、獣人の国の王のガルードだ。 拓哉と殺り合ったバカ王子が居ただろう? あいつの件で、直接会いたいと言い出してな。 こうやって連れてきたんだ!!」
オイオイオイオイ!なんで、あのバカ息子の親を連れてくるんだよと思う拓哉。
でもどうしようもないので仕方なく、自宅に招き入れる拓哉。
「立ち話もなんですし、中で話をお聞きします。 どうぞ入ってください」
そう言って、ヴァレリーとガルードを居間まで案内する。 拓哉は冷たいお茶を二人に出してから向かい側に座る。ガルードは、いまだ沈黙を貫いており、鋭い眼光で拓哉を見てくる。 拓哉は、難癖をつけられるのではと身構えるが、この後杞憂に終わることを知る。茶を一口飲み話し出すガルード。
「拓哉殿! うちのバカ息子が本当に申し訳ないことをした。 謝って済む話ではないが、どうかこれで許してくれないだろうか?」
床に頭を擦りつけながら謝るガルード。 そして、出されたのは金の延べ棒5本である。
拓哉は、難癖をつけられると思っていた為、まさかの土下座と金の延べ棒を前にして、呆気に取られる。
呆気に取られていて言葉を返せない拓哉に対してガルードは更には謝りだす。
「申し訳ない! 金で解決しようとしたワシに怒っているのだろう? これは、誠意だと思ってほしい。 それから、ワシの出来ることなら条件は飲むなんでも言ってくれ。 それに、あのバカ息子は奴隷に落として鉱山で働かせている。 ここに、仕返しに来ることはないから安心してほしい。 どうかこの通りだ許してくれ」
もう一度深々と頭を下げるガルード。 拓哉は、我に返っており、『そう言うことじゃな~い。呆気に取られてただけ。 王様頭上げて~ちょっ!この延べ棒どうするの!?それにまだ何か渡そうとしてるのか!?』と考えている。 拓哉が話そうとすると、ヴァレリーが呆気に取られているのを知りながら言う。
「こいつから、搾れるだけ全部奪い取ってやれ!ぐっははははは」
わざとらしく笑いながら言うヴァレリー。
「ちょっ!?ちょっと!ヴァレリーさん、何言ってくれてるんですか? ガルードさん違いますからね。 仕返しにきたと思っていたら謝られ、更には延べ棒まで出てきて呆気に取られていただけですから。 そもそも口頭で謝罪して頂ければ許しますよ」
必死に弁解をして、ヴァレリーをにらみつけてあとで仕返しをしてやると心に誓う拓哉。
そう思っていると、ガルードが拓哉の手を取り話し出す。
「あぁぁぁなんて心の広い人間なのだ。 ヴァレリーから聞いた時は、にわかに信じられなかったが本当のようだな。 こんな欲のない人間は初めてだ」
獣人を奴隷に拐う人間を信用出来ずにいたガルードだが、拓哉の言葉でいい人間だと気づく。
「だから言っただろ? 試す必要はないと。 拓哉は、そこら辺にいる有象無象とは違うのだからな。 わかったなら、改めてちゃんと謝罪をしろ」
謝罪は本当だが、金の延べ棒や出来ることならすると言うのは、すべて拓哉を試すためであった。 欲深い人間なのかどうかを。
改めて拓哉を見るガルード。
「試すような真似をしてすまなかった。 ワシは、身勝手な人間が信じられんのだよ。 それから、改めてバカ息子の件、申し訳ない!!」
クソッ!なんだこの狸じじぃは。 奴隷にされている件を知っているので、人間を信じられんのだよと言われてしまえば怒るに怒れなくなる拓哉。
ヴァレリーと一緒に、この狸にもいつか仕返ししてやろうと企む拓哉。
「はぁぁぁあ!もう良いですよ。 すっかり騙されてバカみたいですよ。 俺は夕方までゆっくりしたいので、仲良しコンビはお帰りください。 ほら立った立った!!」
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その頃、追い出された二人は。
「お前のせいで追い出されたではないか!」
「お主も、あの場では面白そうだとか言ってたではないか!そもそもお主が話したせいでバレたんだぞ!」
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