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第3章 魔国での一幕
第65話 立派な結婚式と新婦の父の暴走!
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城の部屋
結婚式が始まるまで部屋で待機している。拓哉と桜花とラリサとアニカ。
拓哉は、黒のスーツにグレーのベストにパステルカラーのネクタイをしている。
桜花は、ネットショッピングで購入したドレスを着ている。
ラリサとアニカは、わざわざ仕立て屋を呼んでヴィクトリアが作らせたドレスを着ている。
「あるじ、この服窮屈なんだよ。脱ぎたい...」
「俺も慣れなくて辛いけど、今日は我慢だ。 それにしても、3人ともドレス似合ってるよ」
ラリサと桜花は、それを聞いて照れ笑いを浮かべる。 アニカは、当たり前かのように胸を張る。相変わらずのアニカである。
「お父さん、私もアニカも結婚式に出るの初めてだからどうしたらいいかわからなくて...教えてほしいです」
聞かれた拓哉も初めてで、正直不安しかないのだが、事前にセバスから聞いていた内容を説明する。
「俺も初めてで、昨日セバスさんに聞いたんだけど、畏まった式たりとかはないらしい。 新郎新婦の挨拶と新婦の父親の挨拶が終わったら、パーティーと同じで料理を食べたり話したりと自由なんだってさ。 なんでも、聖王国との繋がりを絶ってからすぐに教会を潰して追い出したそうで、司祭もいないし畏まる意味がないってヴァレリーさんが決めたんだってさ。 俺らからしたら、楽で有難いし、変な聖王国のやつがいないから助かるよ」
みんなが、安堵の表情を見せたところにセバスがやってくる。
トントン
「準備が整いましたので、会場までお越しください」
「は~い、わかりました。すぐ向かいますね」
拓哉達は、会場に足を進める。
会場に向かう途中で、魔国の貴族もいたのだが、服装が中世ヨーロッパの貴族のようで拓哉のスーツの場違い感が凄いことになっている。
会場に到着した拓哉達は、指定された席に座る。
「みんな、俺の服装の場違い感ひどくないかな? しかもさっきからチラチラ見られてる気がするんだけど」
それに対してラリサが返事をする。
「私は、お父さんの服装の方が好きですよ。 貴族の服装は偉そうな感じがするけど、スーツはカッコいいです」
「パパ~カッコいいの。 貴族様みたい」
「スーツの方がいいんだよ。シュッとしてカッコいいよ。 それと、見てるのは好奇心と敵意のどっちかだよ。 あるじ気をつけて」
桜花が警告してくる。
拓哉は、心の中でめんどくさいなぁと思うのだった。
「みんな、大人しくしておこう。 あと、全てが終わって食事の時間になったら自由にしていいけど、なるべく離れないようにな」
3人が「は~い」と返事をする。
そんな話をしていると、綺麗な女性が前に立って新郎新婦の入場のコールを始める。
「皆様、新郎新婦のご入場の準備が整ったようでございます。
お2人のお顔が見えましたら、皆様どうぞ大きな拍手でお迎えください。
それでは、会場後方扉にご注目ください。
新郎新婦、ご入場です!
皆様どうぞ、お2人に更なる祝福をお送りください。
今、メインテーブルへご到着しました。新郎新婦に、今一度大きな拍手をお願い致します!
ただいまよりアドルフ様・ヘルカ様の結婚お披露目パーティを開宴とさせて頂きます。
開宴に先立ち、新郎アドルフ様より、皆様にご挨拶でございます。」
白いタキシードを着たアドルフと綺麗なドレスを着たヘルカが入場する。
会場にいる招待客全員が盛大な拍手で迎え入れる。
いつもと違い、真面目な顔をしたアドルフが挨拶を始める。
「本日はお忙しい中、私たちアドルフとヘルカの結婚披露宴にご出席くださいましてありがとうございます。 本日、アドルフとヘルカは晴れて夫婦となりましたことを 皆様にご報告いたします。 ささやかではございますが、日頃私たち2人を見守ってくださっている皆様に感謝の気持ちをお伝え致したく、このような会をご用意させて頂きました。 それでは、短いお時間ではございますが、どうぞごゆっくりおくつろぎ頂けたらと存じます。本日はありがとうございます」
アドルフが完璧な挨拶をする。
拓哉は、思わず本人なのか疑いの眼差しを投げかける。 それと、新郎新婦が入場してから1番前の席に座っているガタイのいい中年の男が、強烈なドス黒いオーラを発している。拓哉は、思わず大丈夫か?ヤバいだろうと思う。
その予感は、この後見事に的中するのだ。
「ここで両家を代表致しまして、新婦の父ゼーラン様より、ご挨拶でございます」
そのゼーランは案の定、先程からドス黒オーラを放っている中年の男であった。 ゼーランは、凄い勢いで立ち上がり、「お、おまえなんかに娘はやらんぞ~」と言いながら、アドルフに向かって殴りかかる。 その拳を、間一髪のところでヴァレリーが止める。
「おい! ゼーラン! 娘の晴れ舞台だぞ。 わかっているのか?」
ヴァレリーが、低い声で言う。
「邪魔をするな~」
怒りで周りが見えないゼーランは、魔王とは気づかず、もう一方の手で殴りかかる。
ヴァレリーが負けるはずもなく、カウンターを顎に食らわせてゼーランを気絶させる。
「こいつを、縛り付けて牢屋にぶち込んでおけ、また式中に暴れられても困る」
ヴァレリーがそう言うと兵士達がゼーランを担ぎ上げて退場して行く。
「皆の者、大変見苦しいところを見せたな。 アドルフとヘルカは、お似合いの夫婦だ。ずっと幸せであろう。 それに、魔王である俺が結婚を承諾したのだ。異論のある者は、今すぐ出てこい」
誰も異論を唱える者はおらず静まり返る会場。
「これで、完璧に2人は夫婦だ。 では、あとは頼んだぞ」
司会の女性に視線を送り、席に戻るヴァレリー。 会場からは溢れんばかりの拍手が鳴り響く。
司会の女性が話しだす。
「え~色々ございましたが、先程の魔王様のご挨拶を持ちまして、お2人の結婚披露宴をお開きとさせていただきます。それでは、この後は、魔王様より乾杯の音頭をとっていただき新郎新婦が退場した後、立食形式のお食事パーティーとなっております。 魔王様乾杯の音頭をお願い致します」
ヴァレリーが立ち上がり話しだす。
「では皆の者、立ってグラスを持ってくれ。
俺は、長い挨拶は苦手だ。短く済ませるぞ。アドルフ、ヘルカ、本日は本当におめでとう。乾杯」
乾杯と会場のみんながグラスを掲げて言う。
「それでは、新郎新婦の退場です。 新たな人生の第一歩、皆様どうぞ今日一番の大きな祝福でお見送りください!おめでとうございます」
盛大な拍手の元、退場する新郎新婦。 新郎新婦は、タキシードとドレスから少しラフな服装に着替える為に退場した。
司会の女性が話しだす。
「これより中央のテーブルにはお食事・お酒のご用意を進めさせていただきます。
お2人から大切なお客様へのおもてなしでございます。どうぞごゆっくりとお寛ぎくださいませ」
その後すぐに、メイドと執事が料理と酒を持って中央の縦長のテーブルへと置き始める。
「みんな、好きな料理を取りに行くぞ」
拓哉の一声に、3姉妹が中央のテーブルへと歩き出す。
結婚式が始まるまで部屋で待機している。拓哉と桜花とラリサとアニカ。
拓哉は、黒のスーツにグレーのベストにパステルカラーのネクタイをしている。
桜花は、ネットショッピングで購入したドレスを着ている。
ラリサとアニカは、わざわざ仕立て屋を呼んでヴィクトリアが作らせたドレスを着ている。
「あるじ、この服窮屈なんだよ。脱ぎたい...」
「俺も慣れなくて辛いけど、今日は我慢だ。 それにしても、3人ともドレス似合ってるよ」
ラリサと桜花は、それを聞いて照れ笑いを浮かべる。 アニカは、当たり前かのように胸を張る。相変わらずのアニカである。
「お父さん、私もアニカも結婚式に出るの初めてだからどうしたらいいかわからなくて...教えてほしいです」
聞かれた拓哉も初めてで、正直不安しかないのだが、事前にセバスから聞いていた内容を説明する。
「俺も初めてで、昨日セバスさんに聞いたんだけど、畏まった式たりとかはないらしい。 新郎新婦の挨拶と新婦の父親の挨拶が終わったら、パーティーと同じで料理を食べたり話したりと自由なんだってさ。 なんでも、聖王国との繋がりを絶ってからすぐに教会を潰して追い出したそうで、司祭もいないし畏まる意味がないってヴァレリーさんが決めたんだってさ。 俺らからしたら、楽で有難いし、変な聖王国のやつがいないから助かるよ」
みんなが、安堵の表情を見せたところにセバスがやってくる。
トントン
「準備が整いましたので、会場までお越しください」
「は~い、わかりました。すぐ向かいますね」
拓哉達は、会場に足を進める。
会場に向かう途中で、魔国の貴族もいたのだが、服装が中世ヨーロッパの貴族のようで拓哉のスーツの場違い感が凄いことになっている。
会場に到着した拓哉達は、指定された席に座る。
「みんな、俺の服装の場違い感ひどくないかな? しかもさっきからチラチラ見られてる気がするんだけど」
それに対してラリサが返事をする。
「私は、お父さんの服装の方が好きですよ。 貴族の服装は偉そうな感じがするけど、スーツはカッコいいです」
「パパ~カッコいいの。 貴族様みたい」
「スーツの方がいいんだよ。シュッとしてカッコいいよ。 それと、見てるのは好奇心と敵意のどっちかだよ。 あるじ気をつけて」
桜花が警告してくる。
拓哉は、心の中でめんどくさいなぁと思うのだった。
「みんな、大人しくしておこう。 あと、全てが終わって食事の時間になったら自由にしていいけど、なるべく離れないようにな」
3人が「は~い」と返事をする。
そんな話をしていると、綺麗な女性が前に立って新郎新婦の入場のコールを始める。
「皆様、新郎新婦のご入場の準備が整ったようでございます。
お2人のお顔が見えましたら、皆様どうぞ大きな拍手でお迎えください。
それでは、会場後方扉にご注目ください。
新郎新婦、ご入場です!
皆様どうぞ、お2人に更なる祝福をお送りください。
今、メインテーブルへご到着しました。新郎新婦に、今一度大きな拍手をお願い致します!
ただいまよりアドルフ様・ヘルカ様の結婚お披露目パーティを開宴とさせて頂きます。
開宴に先立ち、新郎アドルフ様より、皆様にご挨拶でございます。」
白いタキシードを着たアドルフと綺麗なドレスを着たヘルカが入場する。
会場にいる招待客全員が盛大な拍手で迎え入れる。
いつもと違い、真面目な顔をしたアドルフが挨拶を始める。
「本日はお忙しい中、私たちアドルフとヘルカの結婚披露宴にご出席くださいましてありがとうございます。 本日、アドルフとヘルカは晴れて夫婦となりましたことを 皆様にご報告いたします。 ささやかではございますが、日頃私たち2人を見守ってくださっている皆様に感謝の気持ちをお伝え致したく、このような会をご用意させて頂きました。 それでは、短いお時間ではございますが、どうぞごゆっくりおくつろぎ頂けたらと存じます。本日はありがとうございます」
アドルフが完璧な挨拶をする。
拓哉は、思わず本人なのか疑いの眼差しを投げかける。 それと、新郎新婦が入場してから1番前の席に座っているガタイのいい中年の男が、強烈なドス黒いオーラを発している。拓哉は、思わず大丈夫か?ヤバいだろうと思う。
その予感は、この後見事に的中するのだ。
「ここで両家を代表致しまして、新婦の父ゼーラン様より、ご挨拶でございます」
そのゼーランは案の定、先程からドス黒オーラを放っている中年の男であった。 ゼーランは、凄い勢いで立ち上がり、「お、おまえなんかに娘はやらんぞ~」と言いながら、アドルフに向かって殴りかかる。 その拳を、間一髪のところでヴァレリーが止める。
「おい! ゼーラン! 娘の晴れ舞台だぞ。 わかっているのか?」
ヴァレリーが、低い声で言う。
「邪魔をするな~」
怒りで周りが見えないゼーランは、魔王とは気づかず、もう一方の手で殴りかかる。
ヴァレリーが負けるはずもなく、カウンターを顎に食らわせてゼーランを気絶させる。
「こいつを、縛り付けて牢屋にぶち込んでおけ、また式中に暴れられても困る」
ヴァレリーがそう言うと兵士達がゼーランを担ぎ上げて退場して行く。
「皆の者、大変見苦しいところを見せたな。 アドルフとヘルカは、お似合いの夫婦だ。ずっと幸せであろう。 それに、魔王である俺が結婚を承諾したのだ。異論のある者は、今すぐ出てこい」
誰も異論を唱える者はおらず静まり返る会場。
「これで、完璧に2人は夫婦だ。 では、あとは頼んだぞ」
司会の女性に視線を送り、席に戻るヴァレリー。 会場からは溢れんばかりの拍手が鳴り響く。
司会の女性が話しだす。
「え~色々ございましたが、先程の魔王様のご挨拶を持ちまして、お2人の結婚披露宴をお開きとさせていただきます。それでは、この後は、魔王様より乾杯の音頭をとっていただき新郎新婦が退場した後、立食形式のお食事パーティーとなっております。 魔王様乾杯の音頭をお願い致します」
ヴァレリーが立ち上がり話しだす。
「では皆の者、立ってグラスを持ってくれ。
俺は、長い挨拶は苦手だ。短く済ませるぞ。アドルフ、ヘルカ、本日は本当におめでとう。乾杯」
乾杯と会場のみんながグラスを掲げて言う。
「それでは、新郎新婦の退場です。 新たな人生の第一歩、皆様どうぞ今日一番の大きな祝福でお見送りください!おめでとうございます」
盛大な拍手の元、退場する新郎新婦。 新郎新婦は、タキシードとドレスから少しラフな服装に着替える為に退場した。
司会の女性が話しだす。
「これより中央のテーブルにはお食事・お酒のご用意を進めさせていただきます。
お2人から大切なお客様へのおもてなしでございます。どうぞごゆっくりとお寛ぎくださいませ」
その後すぐに、メイドと執事が料理と酒を持って中央の縦長のテーブルへと置き始める。
「みんな、好きな料理を取りに行くぞ」
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