異世界のんびり料理屋経営

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第1章 様々な出会いと別れ!

第10話 キマイラvs拓哉 銀狼族の生き残り!

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おかしいなぁぁ。俺料理人なのに何でキマイラと相対しているんだろうか?
吹き飛ばしたキマイラが、ゆっくりこちらに向かってくるのを見ながらそう嘆く拓哉。

死にたくないし、気合い入れますか。

まずは鑑定。

種族 キマイラ上位種

魔法 火魔法 毒魔法

スキル 自然治癒 幻惑 威圧 状態異常無効

概要 肉は赤身!さっぱりしている!赤身だが柔らかく濃厚な味わい!ピリッとした辛さがあるのが特徴。10段階評価で6点(うまいがピリ辛嫌いな神の評価が低く6点)

ん~正直オークエンペラーの方が、俺には脅威だったな。厄介なのは3っ首を破壊しないといけないことと、同時に襲いかかってくることだな。 

にして評価低いな。ピリ辛嫌いな神、クソ低い点数つけただろ。絶対この神ってロリのじゃ神だな。 (妾は辛いのが嫌いなのじゃ!甘い物が食べたいのだ~)こんな感じのやつ。
冗談はこのくらいにしてサクッとヤっちゃいますか!キマイラのピリ辛丼とか美味そうだしな。

グォー!ギャオーーン

キマイラの威圧と炎の息吹が拓哉を襲う。

後ろにエルドレッドがいる為、回避できずそのまま受け止める。後ろを見たら木が炭と化し、至る所が焦土となっている。

ひぇぇマジかよ!俺は平気だけど、2人が死ぬから早めに決着つけないとな。

プシュー ドカドカドカ!

威圧も息吹も効かないと悟り、拓哉に毒霧を放ち突撃してくる。
拓哉は瞬時にエルドレッドを抱きかかえ、毒を回避しながら3っ首の1つの蛇頭に蹴りを入れる。すぐに爆散し余波で、もう1つの羊の首ももげた。キマイラは痛みに苦しみながらも、近づけさせまいと炎の息吹を放ち牽制する。
身体強化をすることで空気弾のようなものが発生し、横の首も爆散させることができたみたいだ。
エルドレッドを抱きかかえている為、回避する。拓哉の結界は、体に纏わりつくタイプで拓哉以外は結界を張れないからだ。
避ける拓哉を追うかのように、炎の息吹を連発と前足で攻撃してくる。
身体強化により凄い速さで近づく拓哉。炎の息吹を吐こうとするその下顎に蹴りを入れて爆散させる。
キマイラはそのまま横たわり身動き1つ取らなくなった。
エルドレッドを抱きかかえたままラリサの元に向かう。

「待たせてごめんな。ラリサ無事でよかった」

「うぇ~ん拓哉さん怖かったです」

抱きついてくるラリサの頭を撫でながら慰める拓哉。10分くらい経った時にエルドレッドが我慢できずに

「拓哉...すまんが俺のこと忘れないでくれ。腰のとこのポーチにある緑色のポーションを飲ませてほしい。腕が折れて動かせなくてな」

慌ててラリサから離れ、エルドレッドを土の上に横たわらせる。

「あ!悪かった。これでいいかな。口をあけてくれ」

ゴクゴクゴク。

飲むとエルドレッドの体は淡く光を放ち、みるみるうちに傷跡や変な方向に曲がった手足が元通りに戻っていく。

「拓哉助かった。それにしても強すぎるだろ! 途中目覚めた時は焦ったぞ。平然とあの攻撃をかわして、蹴りを打ち込んで爆散だからな。とにかく本当にありがとう」

あははは。戦いを完全に見られてたか。まぁエルにならバレても大丈夫だろう。

「うぅぅ...私びっくりして立てなくなって、2人に迷惑をかけてしまいました。ごめんなさい」

しょぼんとするラリサに、拓哉とエルドレッドが慰める。

「あれは仕方ない。多分だけど騎士や冒険者でも苦戦するんじゃないかな?」

「ラリサよ。あれは災害級いや厄災級。あの魔物はSランクパーティーが何パーティーかで相手をする敵だ。気にするな。もし、気になるなら強くなることだ」

「はい!私強くなります」

ラリサはそのままでいいとは思うが、決断を無下にできない拓哉は黙っている。

「ラリサ帰ったら鑑定で見てやるから伸ばすものを決めよう。人には得手不手があるからさ」

頭を撫でながら拓哉が言う。

「拓哉さんありがとうございます」

「拓哉とラリサそろそろ辺りを捜索しよう。この戦いで、当分は魔物が近寄ってこないだろうが、長居はしたくない。あとラリサは汚れたみたいだなクリーンをかけておく」

害獣忌避剤をかけられたことを知らないエルは、臭いけどラリサに言いづらく汚れたと表現した。
その間に、拓哉は立ち上がりキマイラの元に向かおうとする。

「そうだな。俺はキマイラを収納するから2人で捜索しといてくれ。俺は魔法の才がないからクリーンが羨ましい」

魔法いいなぁぁと素直に思う拓哉。

「エルさん綺麗にしてくれてありがとうございます。この匂いキツくて...助かりました」

魔物を寄せ付けない為に、拓哉がしてくれたとわかっていながらも、獣人にも匂いがキツく思わず拓哉の方を見ながら頬を膨らます。

拓哉は全く気付く様子はなく、エルドレッドは心の中で拓哉の仕業かと笑うのだった。

「ではキマイラは頼む。ラリサ行くとしようか」

「はい」

拓哉はキマイラの元に向かった。

それにしてもデカいな。よくこんな化け物倒せたよ。神様様様だな。結界と身体強化本当にありがとうございます!キマイラをアイテムボックスに収納完了と。

「お待たせ。そっちはなんか見つかったか?」

「あぁー!馬車の下敷きになってる銀狼の女の子がいた。とりあえず中級ポーションを飲ませたから、大丈夫そうだが気を失っているな」

「エル貴重なポーションだろ?悪いな...金はすぐ返せないから代わりに何か渡すよ」

異世界のポーションが高いのは、前世の知識からわかる拓哉はそう答える。

「いや、気にしないでくれ。俺も見捨てては置けないし、拓哉がいなきゃ今頃俺はキマイラの腹の中でだろう」

「そう言ってくれると助かるが気持ち程度の返しはする」

そのようなやりとりをしていたらラリサが声をかけてくる。

「拓哉さん、この子は一緒の集落にいた子です。助けて頂けないでしょうか?」

元々こんな小さな子(6歳くらい)を見殺しにする気はない拓哉は答える。

「放っておくわけないだろ。仕方ないし、ウチで面倒みるか。他に生き残りはいなさそうだし、この子おぶって帰るかぁぁ」

「はい!拓哉さん本当にありがとうございます」

優しい拓哉に感動するラリサ。

「ほら拓哉。傷んではいるが、こいつらの使えそうな武器と防具と金だ。俺はポーション代にいくらか貰ったから残りは拓哉が貰えばいい」

いつの間にか盗賊から物品と金銭を回収するエルドレッド。

「本当にいいのか?俺からしたら助かるけど」

異世界だな~。盗賊からは回収してもお咎めなしか。

「ほとんどは拓哉の活躍だしな。そろそろ帰るか」

「いや~。エルがいいやつで助かったよ。帰ったら昼飯にしよ~」

「おう」 「はい」

2人が元気よく答える。

そのあと幼女を背負い森を抜ける。

戦闘の影響なのか。魔物が襲ってくることはなく、店にたどり着いた。
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