異世界のんびり料理屋経営

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第1章 様々な出会いと別れ!

第6話 料理人vsオークエンペラー!

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午前7時

「まだ7時かよ。それにしても15も若返ると、これだけ違うんだな。すこぶる調子がいい」

朝早いし家の周りでも探索するか。とりあえず、昨日作ったおにぎりでも食べるかな。

「美味いなぁぁ。日本にいた時は、こんなうまい紅鮭食えなかったしな。少しくらい贅沢してもバチは当たらんだろう」

その後、おかかと昆布のおにぎりを食べて、剣も鎧もないので、使っていない包丁を持ち外へ出た。

「本当に、辺り一体は魔物を寄せ付けないんだな。これだけいないと危険な場所か疑わしくなるなぁぁ」

神様の話だと、かなりの強敵がいるみたいだし慎重に行動しよう。帰れるようにちゃんと木に印をつけておかないとな。

グオー! ドカーン!!

15分程歩いていると、いきなり雄叫びと激しくぶつかる音が響き渡った。

「うわぁぁぁ!なんだよ急に、これ異世界ものでよくあるパターンだわ。絶対やばい目に合うフラグ...」

冷静沈着のおかげで驚きはするものの恐怖などの精神異常はすぐ落ち着く拓哉。

これは気配を極力消しつつ歩くしかないな。あわよくば出会いませんように。出会うならモフモフな獣人にしてください。

「あ!目があったわ。なんで、お前頭上から降ってくるんだよぉぉ」

拓哉のモフモフの夢は早くも散るのだった!

とりあえず鑑定!

種族 オークエンペラー

魔法 土魔法

スキル 超回復 剛力 覇王 跳躍 状態異常無効 気配察知

概要 王に相応しく丁度よく脂が乗っておりとてもおいしい!鹿児島の黒豚の100倍は美味

あぁぁ気配察知されて、跳躍で頭上からきたのね。異世界のオークってDランク冒険者くらいが狩るイメージなんだが、こいつは全く笑えんな。 え?それよりも概要が気になって仕方ないわ。 絶対食いたい。

「おい!豚!ブヒブヒ泣いてないでかかってこい!生姜焼きか焼き豚にしてくれるわ」

「矮小な人間風情が。我に向かって豚などと、その減らず口を叩けなくしてくれるわ。スキル覇王」

ぐっ....!ふぅぅ危ねぇ~な。冷静沈着がなければ死んでたぞ。それにしても喋れることにビックリしたわ。知能あるとか厄介過ぎる。まず身体強化で一気に近寄り斬りつけるか。

おりゃっ

殴られたが絶対防御の影響で、こっちには届かず身体強化で一気に距離を縮めて斬りつける。

「ダメだな。少し切れた程度か...」

エンペラーは、急に近づかれて斬られたことに???なる。

何が起こった?我のパンチが弾かれただと、しかもかなりの速さだ。だが、攻撃力はそこまでだ。焦る必要はない。

「なかなかやるではないか人間。だが我もそろそろ本気でいくぞ!土魔法アースバインド!スキル剛力」

ドカーン!

拓哉はアースバインドにより動きを封じられ、そのまま剛力でパワーアップされたパンチをまともに受ける。ドゴーン!!
だが次の瞬間、オークエンペラーの頭部がなくなっていた。
拓哉は、絶対防御でオークエンペラーの攻撃を完全に防ぎ、身体強化により見えない速さで頭部を破壊した。

「ふむ~。やっぱり6割の力でも爆散したか。とりあえずアイテムボックスに回収して帰るか」

あぁぁ。これ人外確定とか言われるんだろうなぁぁ。爆散は流石に素材勿体無いし、鉱物が取れたらドワーフあたりに剣の作成を依頼しなきゃな。

帰り道は一切魔物に出くわすことなく帰宅できた。

「こいつの血抜きをしないとな。血抜き終わってから一晩放置した方がうまいんだが我慢できないし、足を解体して少し生姜焼きで食うか」

明日のメニューにオークエンペラーの生姜焼きを加えるのもありだな!異世界には、他にどんな食材があるんだろうなぁ。

そんなことを考えながら血抜き作業と足の解体が終わった。

「凄い綺麗な断面だな。豚の霜降りなんて初めてみたぞ」

あまりにも綺麗なピンク色の霜降り肉に思わず目を奪われる拓哉。

これはまず塩胡椒で焼いて味見だな。

「おぉぉいい匂いだ!さっそく...んんん!?こりゃすげ~わ!血抜き直後でこれか」

口に入れた瞬間に溢れんばかりの肉汁と脂の甘みと、濃い豚の旨味が一気に押し寄せ気づいたら口から消えていた。

「これは恐ろしい肉だな。鑑定の100倍美味いは事実だったわ。よし生姜焼き作ろう」

ジュッジュワジュワー

めちゃくちゃいい匂い。匂いだけで飯3杯はいけそうだな。 わかめと豆腐の味噌汁も完成したし、ご飯も炊け上がった。 

「いただきます。まずは、味噌汁で口を清めてから。うん。久々の味噌汁うまい! よし!メインの生姜焼きをいただきます」

え?全然パサつくことなく噛んだら次々に溶けて行き、生姜焼きの味付けに負けない肉の旨味が溢れ出る。これはもう普通の豚食えないな。ご飯を掻きこむとわかるけど、米の旨味と生姜焼きの味とオークのもつ旨味が合体して素晴らしい味わいになっていく。止まらんぞ。

「ぷはぁぁ食った食った。めちゃめちゃ美味かったな。もしかしたら、血抜きして即食えるのか?それか熟成させた方がいいのか要検討だな」

まだ開店まで時間あるし、半分をアイテムボックスに入れて、もう半分を熟成させるか。

あとはメニュー表作成だな!  

言ってなかったが、お店の名前は憩い亭だ。趣きがあるような気がして、あえて看板は変えずにそのままにしている。

カランカラン

え?まだ開店前だし誰だろ?
ん?人が倒れてるぞ!

「おい!大丈夫か?しっかりしろ」

息はしてるけど服はボロボロで、擦り傷だらけの獣人の女の子であった。

息はあるし、とりあえず傷口の消毒をしてベッドで寝かすか。

「これは娘として養う流れのやつかな」

『妙に異世界ものを読んでいる拓哉は詳しいのだ。これからも見事にフラグ回収していくだろう』

おい!天の声やめろ!フラグ回収のフラグを立てるな~!

天の声は悪くはない。なぜならオークに会った際に、出会うならモフモフな獣人にしてください。と言ったのは拓哉本人である。自らフラグに足を踏み入れているにもかかわらず、気づくことがない拓哉だった。
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