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第一章
自己と過去
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「ベァナ、右前方を攻撃。なるべく引き付けて二発」
「はい」
俺は前方にいるゴブリンを牽制しながら、木々の間から見え隠れしているベァナの獲物を横目で確認した。
ヘッドショットだった。素晴らしい。
それを視認した直後、すぐに前方の魔物へ打ち掛かる。
一合もせずに敵を屠った。
戦いが終わり、後ろからベァナが近づいて来た。
「ヒースさん、お疲れ様です」
俺たちは丘一つ越えた、かなり離れた場所ではぐれゴブリンに遭遇した。
村の近辺の警戒はイアンとショーンに任せている。
村の迎撃態勢が整ってきた事と、一人よりは二人のほうがいざという時に安心だというのが建前である。
実際は普通の村娘が村周辺の警戒に当たっているのに、兵士が村にいて何もしていないというのもおかしな話なので、前から巡回に出たいと言っていたショーンの希望を受け入れたというのが現実だ。
俺は元々、村からなるべく離れた場所の警戒に当たっていたため、ベァナが合流した後も引き続き同様の任務を担当している。
奴らは一度行った事のある土地の情報を何らかの手段でかなり正確に伝える手段を持っているようで、村に近付く前に叩いておく必要があったからだ。
クロスボウの練習のために鹿や猪などを狩りながら、ついでに出会った魔物の掃討も行っている。
ここ十日ほどでゴブリンとの遭遇戦は二度あった。
全て一体~三体程度だったため『巣分け』グループの一員である可能性は低い。
しかしそれでも例年に比べるとすこし頻度が高いらしい。
「お疲れベァナ。ますます腕が上がっているな」
「はい! 今のは撃った瞬間に狙い通りだってわかりました!」
止まった標的を狙うのであれば結構誰でも出来るようになるが、戦闘で扱うとなると話は別だ。敵に襲われるという恐怖心をうまく誤魔化しながら、動きのある敵に冷静に狙いを付けなければならない。
焦ったり自暴自棄になって敵に狙いを付けても、結局それは自分の死期を早めるだけなのだ。
その点彼女はとても優秀だ。戦闘時は普段とは別人のように行動する。
「いや本当に驚きだよ。村長には条件付きで許可をもらったけど、正直そんな条件要らないくらいじゃないかって」
「それは絶対にダメです!! 魔物との戦闘を甘く見てはいけないと、いつも仰っているのはヒースさんではありませんか」
「そうだな。そういう点も含めて、ベァナは本当に優秀だ」
初めて会った時の事が嘘のようだ。
もしかしたら彼女は自分が攻撃魔法を使えない事で、自分は戦いには向いていないと思い込んでいたのかもしれない。
魔法が使えないならば剣や弓で戦わなければならない。
個人差はあると思うが、やはり女性には物理武器で戦うのは厳しいだろう。
しかし実際の戦闘で最も重要なのは力ではない。
冷静さと判断力だ。
「そろそろ休憩に入ろうか。この先の見晴らしの良い場所のほうが安全だな」
ベァナと共に巡回するのは、村長との約束だからという事もある。しかしその事を村人達に話をすると、なぜかみんなショーンを憐れんでいるようだった。
以前ならば巡回に出られなかったし可哀そうに思うのも分かるのだが……今はイアンと一緒に回れているし……
「なぁベァナ。村の人にベァナと巡回に出ているって話をすると、なぜかショーンが可哀そうだっていう話になるんだが、何の事か分かるか?」
「えっ、ショーン? さ、さぁ……」
「いやさ、結局ショーンもイアンに同行という形で巡回に行けるようになっただろう? それで対魔物戦のレクチャーとかしてあげたいと思ってるんだが……彼、なぜか俺を嫌ってるんだよね。」
「へぇー。そうなんですねー。なんででしょう……ああ。ヒースさん剣技が上手いから嫉妬してるんじゃないんですかね?」
「そうなのかなぁ。別に剣の練習くらい付き合ってあげてもいいんだけど……俺の事避けるからそれも出来ないし」
ショーンの態度は俺に対してだけなんだろうか?
「なぁ、ベァナはショーンどう思う?」
普通に聞いたつもりだったのだが、彼女は少しびくっとした。
「えっ、えぇと……悪い人じゃぁないんですけど、私より年上なのに子供っぽいし、人の話聞かないくせに自分の事ばっかり話すので、私はちょっと……」
「いやー彼にそんな面があるんだねぇ。うーん……なんでだろう」
何か原因があるのか悩んでいた所……
「そろそろ陽も高いようですし! ここでお昼にしちゃいましょう!」
という事でその話は一旦お開きにして、近くの木陰で昼食を摂った。
村に来てから一か月半程度経っていた。
村の人達の話によるとそろそろ夏も終盤に差し掛かる頃で、例年だと夏祭りを行う時期にあたるそうだ。
ただ今年はこういった事情であるため、夏祭りの準備がそのまま魔物を撃退する準備に置き換わってしまっていた。
それでも祭りというのはその土地の人々にとっては大切な行事である。
日本でも夏には各地で色々な祭りが行われていたが、この村の祭りは主にこれから来る収穫の時期……つまり秋へ向けての豊穣を、神とご先祖様達に祈願する意味が込められているそうだ。
そういった事情があるため、規模は小さくなったとしても必ず行うらしい。
実際、村周辺をほぼ毎日警戒していた甲斐もあってか、対策の時間が十分取れ、かなり準備も整っていた。
扱い易く強力な武器の存在と、それを利用した迎撃訓練を何度か行っている事から、村人達の間に当初の絶望感は無い。
ただし村人たちの気が緩まないように、村長は定期的に集会を行い、村の防衛対策や訓練状況などをお互いに報告させるようにしていた。
その報告の中には俺達やイアン達による魔物の掃討実績も含まれている。
「魔物、いなくなればいいんですけどね」
食事後の休憩時間、仰向けになっている俺にベァナがそう語りかける。
「村長の話だと秋を越せば、次の年の初夏頃まで奴らは動かないそうだよ」
「そうなんですか。そしたら今が頑張り時ですね!」
奴らがどんな生態を持つ生き物なのかは全く分からないが、とにかく冬にまで活発
に行動する事は無いらしい。
毛皮を着ている熊ですら冬眠をするくらいだから当然かもしれない。
冬はあまり好きではないが、魔物が来ない冬ならそれもいい。
……いや待て。
そもそも俺は冬までここにいるつもりなのか?
決して嫌ではない。
村の生活はむしろ、俺がずっと夢見ていた暮らしそのものだ。
日本で生活していた頃よりも間違いなく充実している。
ただ気になる事は沢山ある。
元の世界の俺が一体どうなっているのか?
シロの事も気がかりだし、親や友人たちに迷惑をかけているかも知れない。
現状どうにもならないからと言って、その心配が全く無くなるわけではない。
そしてもっと問題なのはこの俺……ヒースの事だ。
俺は間違いなく何らかのトラブルに巻き込まれていた可能性が高い。
出身がほぼ北のメルドラン王国であるらしいというのに、目覚めた時にいた国が南のフェンブル公国。
しかもここはフェンブルの中でも南西の端にある村で、もう少し南に行けばもうそこはトーラシア連邦だ。
更にこの世界で目覚めた時のあの疲労困憊具合……
普通に移動しているだけでは、あんな疲れ方はしない。
どう考えても何かから必死に逃げていたか、または全力で戦っていたとしか考えられない。
つまりは次のどちらかだった可能性が高い。
何らかの原因で悪者に追われていたか。
または俺自身が悪者であったか。
どちらにせよ村に迷惑を掛けてしまう事は明白だ。
俺はこの村に残り続けていいのだろうか?
「ヒースさん、今日はこの後どうしますか? まだ時間はありそうですが」
俺の脳内に止め処無く流れて来る不安はベァナが断ち切ってくれた。
周囲をゆっくりと見渡す。
青々と繁る木々が、風にそよいで微かに揺れていた。
そして俺の傍らには、この世界で初めて出会い、助けとなってくれた少女が居る。
今はまだ村を去るわけにはいかない。
いつもならもう少しだけ遠出をしている所だが、俺たちは今日既にゴブリンに遭遇し二体討伐している。
それにイアン達の巡回予定ルートからすると、今日は既に哨戒活動を終わらせているかも知れない。
たまには早く帰るのもいいだろう。
「そうだな……今日は早めに戻ろうか。」
帰りは進めば進むほど見慣れた場所に戻って行くので、気分的に少し安心だ。
食材をいくつか入手出来た事もあり、俺はベァナと談笑しながら帰途についた。
そしてその頃、村に災いが降りかかろうとしていた事など、今の俺たちには知る由も無かった。
「はい」
俺は前方にいるゴブリンを牽制しながら、木々の間から見え隠れしているベァナの獲物を横目で確認した。
ヘッドショットだった。素晴らしい。
それを視認した直後、すぐに前方の魔物へ打ち掛かる。
一合もせずに敵を屠った。
戦いが終わり、後ろからベァナが近づいて来た。
「ヒースさん、お疲れ様です」
俺たちは丘一つ越えた、かなり離れた場所ではぐれゴブリンに遭遇した。
村の近辺の警戒はイアンとショーンに任せている。
村の迎撃態勢が整ってきた事と、一人よりは二人のほうがいざという時に安心だというのが建前である。
実際は普通の村娘が村周辺の警戒に当たっているのに、兵士が村にいて何もしていないというのもおかしな話なので、前から巡回に出たいと言っていたショーンの希望を受け入れたというのが現実だ。
俺は元々、村からなるべく離れた場所の警戒に当たっていたため、ベァナが合流した後も引き続き同様の任務を担当している。
奴らは一度行った事のある土地の情報を何らかの手段でかなり正確に伝える手段を持っているようで、村に近付く前に叩いておく必要があったからだ。
クロスボウの練習のために鹿や猪などを狩りながら、ついでに出会った魔物の掃討も行っている。
ここ十日ほどでゴブリンとの遭遇戦は二度あった。
全て一体~三体程度だったため『巣分け』グループの一員である可能性は低い。
しかしそれでも例年に比べるとすこし頻度が高いらしい。
「お疲れベァナ。ますます腕が上がっているな」
「はい! 今のは撃った瞬間に狙い通りだってわかりました!」
止まった標的を狙うのであれば結構誰でも出来るようになるが、戦闘で扱うとなると話は別だ。敵に襲われるという恐怖心をうまく誤魔化しながら、動きのある敵に冷静に狙いを付けなければならない。
焦ったり自暴自棄になって敵に狙いを付けても、結局それは自分の死期を早めるだけなのだ。
その点彼女はとても優秀だ。戦闘時は普段とは別人のように行動する。
「いや本当に驚きだよ。村長には条件付きで許可をもらったけど、正直そんな条件要らないくらいじゃないかって」
「それは絶対にダメです!! 魔物との戦闘を甘く見てはいけないと、いつも仰っているのはヒースさんではありませんか」
「そうだな。そういう点も含めて、ベァナは本当に優秀だ」
初めて会った時の事が嘘のようだ。
もしかしたら彼女は自分が攻撃魔法を使えない事で、自分は戦いには向いていないと思い込んでいたのかもしれない。
魔法が使えないならば剣や弓で戦わなければならない。
個人差はあると思うが、やはり女性には物理武器で戦うのは厳しいだろう。
しかし実際の戦闘で最も重要なのは力ではない。
冷静さと判断力だ。
「そろそろ休憩に入ろうか。この先の見晴らしの良い場所のほうが安全だな」
ベァナと共に巡回するのは、村長との約束だからという事もある。しかしその事を村人達に話をすると、なぜかみんなショーンを憐れんでいるようだった。
以前ならば巡回に出られなかったし可哀そうに思うのも分かるのだが……今はイアンと一緒に回れているし……
「なぁベァナ。村の人にベァナと巡回に出ているって話をすると、なぜかショーンが可哀そうだっていう話になるんだが、何の事か分かるか?」
「えっ、ショーン? さ、さぁ……」
「いやさ、結局ショーンもイアンに同行という形で巡回に行けるようになっただろう? それで対魔物戦のレクチャーとかしてあげたいと思ってるんだが……彼、なぜか俺を嫌ってるんだよね。」
「へぇー。そうなんですねー。なんででしょう……ああ。ヒースさん剣技が上手いから嫉妬してるんじゃないんですかね?」
「そうなのかなぁ。別に剣の練習くらい付き合ってあげてもいいんだけど……俺の事避けるからそれも出来ないし」
ショーンの態度は俺に対してだけなんだろうか?
「なぁ、ベァナはショーンどう思う?」
普通に聞いたつもりだったのだが、彼女は少しびくっとした。
「えっ、えぇと……悪い人じゃぁないんですけど、私より年上なのに子供っぽいし、人の話聞かないくせに自分の事ばっかり話すので、私はちょっと……」
「いやー彼にそんな面があるんだねぇ。うーん……なんでだろう」
何か原因があるのか悩んでいた所……
「そろそろ陽も高いようですし! ここでお昼にしちゃいましょう!」
という事でその話は一旦お開きにして、近くの木陰で昼食を摂った。
村に来てから一か月半程度経っていた。
村の人達の話によるとそろそろ夏も終盤に差し掛かる頃で、例年だと夏祭りを行う時期にあたるそうだ。
ただ今年はこういった事情であるため、夏祭りの準備がそのまま魔物を撃退する準備に置き換わってしまっていた。
それでも祭りというのはその土地の人々にとっては大切な行事である。
日本でも夏には各地で色々な祭りが行われていたが、この村の祭りは主にこれから来る収穫の時期……つまり秋へ向けての豊穣を、神とご先祖様達に祈願する意味が込められているそうだ。
そういった事情があるため、規模は小さくなったとしても必ず行うらしい。
実際、村周辺をほぼ毎日警戒していた甲斐もあってか、対策の時間が十分取れ、かなり準備も整っていた。
扱い易く強力な武器の存在と、それを利用した迎撃訓練を何度か行っている事から、村人達の間に当初の絶望感は無い。
ただし村人たちの気が緩まないように、村長は定期的に集会を行い、村の防衛対策や訓練状況などをお互いに報告させるようにしていた。
その報告の中には俺達やイアン達による魔物の掃討実績も含まれている。
「魔物、いなくなればいいんですけどね」
食事後の休憩時間、仰向けになっている俺にベァナがそう語りかける。
「村長の話だと秋を越せば、次の年の初夏頃まで奴らは動かないそうだよ」
「そうなんですか。そしたら今が頑張り時ですね!」
奴らがどんな生態を持つ生き物なのかは全く分からないが、とにかく冬にまで活発
に行動する事は無いらしい。
毛皮を着ている熊ですら冬眠をするくらいだから当然かもしれない。
冬はあまり好きではないが、魔物が来ない冬ならそれもいい。
……いや待て。
そもそも俺は冬までここにいるつもりなのか?
決して嫌ではない。
村の生活はむしろ、俺がずっと夢見ていた暮らしそのものだ。
日本で生活していた頃よりも間違いなく充実している。
ただ気になる事は沢山ある。
元の世界の俺が一体どうなっているのか?
シロの事も気がかりだし、親や友人たちに迷惑をかけているかも知れない。
現状どうにもならないからと言って、その心配が全く無くなるわけではない。
そしてもっと問題なのはこの俺……ヒースの事だ。
俺は間違いなく何らかのトラブルに巻き込まれていた可能性が高い。
出身がほぼ北のメルドラン王国であるらしいというのに、目覚めた時にいた国が南のフェンブル公国。
しかもここはフェンブルの中でも南西の端にある村で、もう少し南に行けばもうそこはトーラシア連邦だ。
更にこの世界で目覚めた時のあの疲労困憊具合……
普通に移動しているだけでは、あんな疲れ方はしない。
どう考えても何かから必死に逃げていたか、または全力で戦っていたとしか考えられない。
つまりは次のどちらかだった可能性が高い。
何らかの原因で悪者に追われていたか。
または俺自身が悪者であったか。
どちらにせよ村に迷惑を掛けてしまう事は明白だ。
俺はこの村に残り続けていいのだろうか?
「ヒースさん、今日はこの後どうしますか? まだ時間はありそうですが」
俺の脳内に止め処無く流れて来る不安はベァナが断ち切ってくれた。
周囲をゆっくりと見渡す。
青々と繁る木々が、風にそよいで微かに揺れていた。
そして俺の傍らには、この世界で初めて出会い、助けとなってくれた少女が居る。
今はまだ村を去るわけにはいかない。
いつもならもう少しだけ遠出をしている所だが、俺たちは今日既にゴブリンに遭遇し二体討伐している。
それにイアン達の巡回予定ルートからすると、今日は既に哨戒活動を終わらせているかも知れない。
たまには早く帰るのもいいだろう。
「そうだな……今日は早めに戻ろうか。」
帰りは進めば進むほど見慣れた場所に戻って行くので、気分的に少し安心だ。
食材をいくつか入手出来た事もあり、俺はベァナと談笑しながら帰途についた。
そしてその頃、村に災いが降りかかろうとしていた事など、今の俺たちには知る由も無かった。
0
仕事しながらなので大体土日に更新してます。
そしていつも眠いので誤字脱字大量にあるかも。ごめんなさぃぃ
現在プロットの大枠はほぼ終了し、各章ごとの詳細プロットを作成中です。
読んでいただいて本当にありがとうございます。
※ 11/20追記
年末に向けて本業が忙しく、ちょっと更新が滞るかも知れません。なるべく毎週一回は追加していきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
そしていつも眠いので誤字脱字大量にあるかも。ごめんなさぃぃ
現在プロットの大枠はほぼ終了し、各章ごとの詳細プロットを作成中です。
読んでいただいて本当にありがとうございます。
※ 11/20追記
年末に向けて本業が忙しく、ちょっと更新が滞るかも知れません。なるべく毎週一回は追加していきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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