Wild Frontier

beck

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第一章

実技

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 イアンとの巡回ルートについては何日か先まで既に決めてあった。
 それは村のみんなにも周知している。
 今日は俺が西側ルートを担当する日だったので、西の出口あたりまで先に来て、ブリジットさんを待っていた。

「ヒースさーん! 待ったー?」

 なぜか遠くのほうから手を振りながら走って来た。
 あれ? ブリジットさん、着替えてないか!?

 そもそも親子なだけあってブリジットさんも相当な美人だし、姉と呼べるくらい本当に見た目が若い。
 そう言えば日本では美魔女なんて言葉が流行っていたが……

 こちらは正真正銘、本物の魔女だ。

「いえ、大丈夫です」

 絶対に「ううん、今来たところ」とは言わない事にした。
 今回はそういうミッションではない。

「魔法を教えてくれっていう約束だけど、なんだかデートに誘われたみたいでちょっと嬉しいわね!」
「!!!」

 なんという破壊力。
 表現がストレートなだけにかなり防御力が削られる。
 彼女が未婚だったらきっととっくに撃沈……しているような気がした。

「え、えっと、どこらへんで魔法を使いましょうか……」
「ああそうね。この先の道から北の方に行くと、草地が広がっているのでそのあたりがいいわね。」

 その場所に到着すると、とりあえず一通りの荷物を下ろした。

「そしたら攻撃系の魔法の基本知識をざっと教えるわね」
「はい、よろしくお願いいたします」

 表情はそれほど変わらないのだが、先程までとは全く雰囲気が変わっていた。
 きっと職業軍人モードに入っているのだろう。

「まず攻撃系の魔法と言うのは、全て詠唱えいしょうともなう魔法です。必要なものは詠唱する呪文、魔法のイメージ、そしてマナの3つです」

 ベァナに聞いた知識を合わせると、詠唱を伴わない共通コモン魔法の場合は、呪文詠唱の代わりに秘薬が必要になる。
 魔法を使うためには必ず3つの要素が必要になるという事だろう。

「攻撃系の魔法というのは魔法の研究者が勝手に付けた大きな分類で、その中でもまた分類が分かれるの。中分類っていうのかな。四大精霊魔法と、精神魔法、あとこれは文献ぶんけんにしか残ってないけど武装魔法ってのがあるわ」

 正規に学習していただけあって、座学は得意ではないと言うものの結構詳しい。

「この中で武装魔法は今まで使えた人が居ないので割愛します。あと精神魔法は……昔は闇魔法って呼ばれていて、使うと面倒な事になるので止めておいたほうがいいわ。多分教えてくれる人を見つけるほうが難しいと思うけど」
「もしかして禁止されているとかですか?」
「まぁある意味はそうね。一応魔法協会っていう組織があって、そこが現在ある魔法を整理したり魔導書の作成を管轄したりしているの。そしてその協会が精神魔法を禁止リストに入れている、という感じね。協会はどの国にもあって国の魔法組織にも関与しているので、使用した事がバレると捕まって問いただされるわね」
「まるで異端審問ですね……という事はバレないように使っている人もいると?」
「そう。使っているのは大抵は犯罪組織とか魔神信奉しんぽう者とかね。でも一般的にも闇魔法って呼ばれていてものすごく毛嫌いされているから、もし仮に覚えたとしても使わないほうが身のためよ。だって人の精神をコントロールする魔法を使う人なんて信用出来ないでしょう?」

 魔法の行使こうしにはイメージが必要なはずだ。
 精神魔法を行使する際のイメージ……
 俺はすぐにおぞましさを感じ、考えるのを止めた。

「そうですね……そもそも自分には使える気がしません」
「そうよね。使おうとする人の気持ちなんて全然わからないわね」

 彼女の性格からして、間違いなく俺と同意見だろう。

「それで、残りは四大精霊魔法になるんだけど……まぁ敢えて一般的な分類で説明するわね。もし魔法分類について詳しく知りたかったら……ダンケルドのティネに聞いてください! 彼女そういうの好きなので」

 つまりブリジットさんはあまり好きじゃないという事ですね。

「四大なので四つあります。火、水、土、風です。一般的にはこの四つが攻撃系魔法って言われているものです。私は水と風を扱います」

 攻撃系の魔法を一つ使えるだけでも珍しい存在だと言うのに、複数の属性を使えるなんてすごい事だよな……
 ベァナが落ち込むのも無理はない。

「でもその二つは、攻撃系の中ではあまり喜ばれない属性ね。特に風魔法については……一般的な評価はかなり低いですね……」
「攻撃魔法で評価が低いという事は、つまり攻撃力が低いという事ですか?」
御明算ごめいさん。ヒースさんは私と違って賢いわね! 論理的思考……って奴かしら? 是非ティネとお話して欲しいわ」

 一般的な評価と言う事は、違う評価をする人もいるのかもしれない。

「それでどのグループの魔法にも基礎となる魔法があって、それを使えるかどうかでどの属性に適性があるのか調べるの。丁度ウィスプを使って魔法適正があるかどうかを調べた感じね」
「なるほど……」
「それじゃそろそろ実際にやってみましょうか。さっきも言った通り、私が使えるのは水と風なの。水のほうが得意なので、水の基本魔法『アクア』からでいいかしら?」
「お願いします!」
「はい、それではウィスプを出す時のようにてのひらを前に出します。ただし掌は必ず自分と反対の方向に向けてね。掌を向けた方向に飛んでいく魔法も結構あるのよ。まぁ自分のほうに向けても多分発動しないとは思うけれど」

 ウィスプを生成する場合も掌の上に出来ていたので、魔法は基本的にこの位置に生成されるのだろう。

「次にイメージね。これは後で呪文を教えるので、それを詠唱しながらイメージしてくださいね」

 そう言うとブリジットさんにしてはかなり珍しく、少し自慢気に話をした。

「実はこのイメージはね、私が発見したの! 私、水魔法を最初に習った時に一般的なイメージを教わったんだけど、全っ然成功しなかったのね。でもある時この方法でイメージしたら一発で成功したのよ! すごいでしょう?」

 かなりテンションが高い。

「今からそれを教えちゃいます!」

 やはりイメージは大事なようだ。俺も一度失敗しているので納得だ。

「えっと雨が振った翌日の朝とかに、山の合間に雲海が広がるでしょう? その雲海のイメージなの!」

 ん!?
 それって結露けつろでは?

 結露は空気中の水蒸気が水に、つまり気体が液体として凝縮ぎょうしゅくする現象だ。
 たまにお湯から立ち上る湯気や空に浮かぶ雲を指して「水蒸気」と呼ぶ人がいるが、それは完全な間違いだ。
 水蒸気は気体なので目には見えない。

「そんな説明でも大丈夫?」
「大丈夫です。問題ありません」
「ほんと!? それは嬉しいわ! ずっと回りから『なんで雲を思い浮かべるだけで発動するの!?』って言われててなんか自信無かったの。ちょっとだけ自信回復したわ。ありがとう、ヒースさん!」

 雲のイメージだけで発動しないとなると……
 結果をイメージしただけでは駄目だという事なのだろうか?

ちなみに普通はどんなイメージで教わるんですか?」
「えっと、コップに付いた水滴って言ってたわね。全然意味がわからないわ」

 なるほど。
 結局それも結露だ。
 冷えたコップに空気が触れて露点に達し、見えない水蒸気が水滴としてあらわれる。
 先程のイメージはただの水滴ではなく、結露した水滴のイメージなのだろう。

「そうしたら呪文を詠唱しますよ? 覚えてくださいね!」

 ブリジットさんは気を良くしたのか、テンションが高めだった。
 俺としても、こちらに来てから初めて聞く魔法の呪文だ。期待に胸が高まる。



── ᚣᚨᛈᚱ ᚨᛚ ᛚᚴᚣᚨ ᚠᚨᚱ ──



 ん??
 今なんて言った?
 ヴぁぷぁるくばふぁー?

「あれ聞き取れなかった? もう一回ゆっくり言いますね」



── ᚣᚨᛈᚱ ᚨᛚ ᛚᚴᚣᚨ ᚠᚨᚱ ──



「ヴァプァ アル ルクヴァ ファア」 

 俺は呪文と思われるその言葉を繰り返すと同時に、先程の結露のイメージを強く、より具体的に思い浮かべた。

「……」

 彼女の服は風をまとったように揺れている。
 そしててのひらにはいつも通り小さな光の粒子が集まり、そしてその先にまるで水道管でもあるかのように水が涌き出していた。
 但し出現した水は物理法則に従い、現れると同時に滝のように落下していく。

 一方俺はというと……何かの宗教儀式とも選手宣誓とも微妙に異なる、中途半端な姿勢でその場に立ち尽くしていた。

「残念ね……私の教えたイメージがダメだったのかしらね……」

 ブリジットさんは先程までのテンションから一転、ひどく落ち込んでしまった。

「いやいやいや! きっと元々私に素質が無かったのです!」

 魔法を使えなかった俺が、なぜ慰める側に回っているのか……

 ああそうか。魔法が使える事に対して、俺には全くこだわりが無いからだ。
 そもそも使えないのが当たり前の世界で育ったのだ。

 詠唱している最中、試しにコップへ水滴が付くイメージに切り替えて思い浮かべてみたが、やはり『アクア』の魔法は発現しなかった。

「そ、そうよね。誰でも使えるようなものではないものね。ベァナの件であんなに悩んでいたのに、ヒースさんにまで過度な期待でプレッシャーを……」
「ぜんっぜん、そんな事無いですからね!?」

 ベァナも結構感情の起伏が激しい気がするが……
 そもそもブリジットさん譲りなのではないか?

 そう言えばベァナの講談の時に一番話に入り込んでいたのって……

「こんなではいけないわね! それじゃ気分を切り替えて、次は風魔法の『ブリーズ』に行きましょうか!」

 切り替えの早い人で良かった。
 基本的に明るい人だから、内にこもる事はほとんど無いのだろう。

「ブリーズのイメージは、そうね……これも私のオリジナルイメージでいい?」

 アクアを失敗した事に凝りてはいるようだが、やはり自分のオリジナルイメージで貫き通したいようだ。

 ブリジットさん。ベァナに頑固な所があるって感じるのは、きっとあなたの娘さんだからですよ……

「大丈夫です。問題無いっす」
「そしたら私はね……薪ストーブの鉄板の上に顔を近づけると熱ぅい!ってなるじゃない? そんなイメージ」

 今回も少しアバウトで、しかも自信が無さそうに言っているが、これは明らかに上昇気流って事だな。

「ちなみにあくまで参考なんですけれど、一般的にはどんなイメージなんですか?」
「普通教え方だと、焚火の煙をイメージするみたいよ……」

 俺が別のイメージについて質問すると、明らかに低いテンションで答えが返って来た。どっちも上昇気流だと思うが、これは全力で薪ストーブで発動させるべきだ。

「それじゃ呪文行くわね。てのひらを構えて」



── ᚣᚨᛈᚱ ᛈᛚᛁᚷ ──



 さっきよりも呪文が随分短かった。

「ヴァプァ ピリグ」

 イメージはバッチリ、ストーブ上の鉄板を覗き込むイメージだ。
 あれめっちゃ熱いんだよな。小学生の頃、学校の古いガスストーブの上に糸くずとかを載せ、急上昇させて遊んでいた事があった。
 そのうち先生見つかってよく怒られたっけな。

 そんな事を思い出していると、ウィスプの時と同様、俺のにほのかな光が集まり始め、じきにそれは一陣いちじんの風となった。


「……スさん!! ……きたじゃない!!」


 二人で同時に発生させている風のせいで、声が良く聞こえない。


「ありがとうございますっ、ブリジットさん!」


 俺は感謝の気持ちを伝えながら、彼女の方を振り向いた。

 そして俺はそこで、感謝の気持ちよりも優先して伝えねばならない事実を知った。



「とりあえずっ、!!」



 俺がそう言うと彼女は下を向き、手の空いている左手で慌てて長めのキルトを押さえた。
 少し太もも見えてましたよ……

 ふとブリジットさんの顔に目を戻すと……

 こちらを見ながら満面の笑みでウインクをしていた。
 本当にお茶目な人だ。

 暫くすると魔法は途切れた。
 効果時間はある程度決まっているようだ。

「はぁ~~お疲れ様~~。攻撃魔法、使えたわね!!」
「はい。ありがとうございます。一番評価の低い、風魔法が使えました」

 俺はほぼ棒読みで返答をした。
 結構疲れているようだが、これは……

 マナの使い過ぎというよりも、気の使い過ぎだろう。

「うーん。確かにダメージを与えるような魔法ではないけど、私は使い方だと思うんだよねー」

 評価が低い理由はやはり攻撃性という事か。確かに火の魔法だったら相手にぶつけるだけでダメージを与えられそうだ。

「しかしあの魔法発動速度は……やっぱり多分ヒースさんは以前から魔法を使ってたわね」
「わかるのですか?」
「そうね。初めて使う魔法の場合って発動タイミングが少し遅くなるって話なのよね。確かに私も新しい魔法を使った時にそう感じたわ」

 これも何か意味があるのかもしれない。

「ちなみにどんなイメージで発動した?」

 ブリジットさんは期待のこもった目で俺を見つめた。

「……ストーブです」
「よっしゃ~っ!!!」

 彼女はその場で小さくガッツポーズをした。
 もしかしたら元からこんなキャラだったのかもしれない……

「あ、ごめんなさいね。妹弟子のティネにね、いっつもからかわれてたのよ。ブリジットは色々とおかしいって」
「いえ、確かに色々と面白いです」
「もうっ! そうじゃなくて! さっきも言ったけど私、魔法のイメージの仕方が他の人と全然違うのよね。それに他にもいろいろとおかしいって言われてたから、今日ヒースさんが私と同じように魔法を発動してくれてとても嬉しいのよ!」

 何が色々おかしかったのか、結構気になって来た。

「あーでもごめんなさいね。私、土と火は全然ダメだったから呪文も覚えなかったの……なので教えられるのはここまでかな……」
「いえいえ、これで十分です」

 今回のこの講義でかなり色々な事がわかった。
 魔法を使うには呪文詠唱か秘薬、マナ、そして魔法のイメージが必須である事。

 そして魔法イメージは、決して

 今はまだ何の役に立つかすらわからないが、頭の片隅に置いておくことにした。





    ◆  ◇  ◇





 魔法の実技演習の成果で頭が一杯だったのかもしれない。

 村を出る時にあれだけ気を使っていた大事な事をすっかり忘れ、俺は普通にブリジットさんと話しながら村に戻った。

 そして村の入り口を過ぎた辺りで、二人の少女に出会った。
 エレノアと……ベァナだ。

「あっ」
「ヒースさん……どういう事ですか」

 普段見ないような冷ややかな表情。

「いや、ほら今日は西側の巡回をね……」
「そんなの村の人全員知っています」
「あらあらベァナ。今日はヒースさんに魔法の……」
「ママは黙ってて!」

 ベァナって普段『お母さま』とか呼んでたよな……

 という事はいつもとは明らかに何かが違う状況だという事だ。

 これはガチでやばいパターンだ……

「ヒースさんは巡回に出る、とみんなに伝えていましたよね」
「あ、ああ」
「お母さまは私より色々な魔法を使えるし、そのうち教える事もあるだろうって勿論思ってましたよ……なんでみんなに内緒で村の外に出てたんですか?」

 急に都合が付いたので急遽、魔法の訓練をお願いした、という事でも全然おかしくはないだろう。

 別にやましい事は本当に何もしていない。
 そう言おうと思った瞬間だった。

 ブリジットさんが自分の魔法でキルトをめくり上がらせている姿が思い浮かんだ。

 くっそ!
 なぜにこのタイミングで!!

「え、えっと……」

 完全に失敗だ。
 言葉に詰まった時点でもう、クロ確定じゃないか……
 もうこれは何を言っても言い訳にしかならなそうだ。

 ふと横に居たエレノアを見る。
 彼女はなぜか頬を膨らませながら、俺にこう告げた。


「で、で、デートに行くならっ! ベァナちゃんとだけにしてください!!!」


 え?


 その直後、エレノアはべそをかきながらくるっと後ろを振り返り、走って行ってしまった。

 ベァナに視線を戻す。
 顔が真っ赤だ。

 そして俺と目が合った瞬間、彼女もまたエレノアを追って走って行ってしまった。

 なんだったのだろう、今のは……

 俺が頭をひねっていると、ブリジットさんは『女の子にも色々と事情があるんですよ』とだけ言って、くすくすと笑っていた。


 いや、ほんともう笑いごとじゃないですから……
 




    ◇  ◆  ◇





 結局どうにかベァナに事情を聞いてもらい、最終的に納得してはもらったが……


「というわけで私も明日から巡回に出ます! 宜しくヒースさん!」


 俺とブリジットさんに反論出来る術はなかった。

 いくら正当な事情があったとしても、今の彼女にとっては格好の交渉材料だ。
 それで機嫌が直るのならば、交渉結果としては上々だろう。

 ただ全く事情を知らない村長の説得交渉についてはかなり難航した。

 ベァナは一度、村の外で魔物に襲われそうになった事もある。
 村長としてはこれ以上、孫を危険な目に遭わせたくないのだ。


 ところがそれについては俺では無く、ベァナ自身が条件を出して合意に至った。
 条件の内容はこうだ。


『危険なので一人での巡回は絶対にせず、する』


 その言葉を村長に伝えるときのベァナはとても真剣だった。
 危険な任務だという事を十分自覚しているのだろう。
 孫の成長を感じてか、村長も最終的にはその条件で折り合いをつけた。


 ただベァナが村長を説得している最中さなか……



 ブリジットさんだけがずっと笑いをこらえていた。





    ◇  ◇  ◆





<四元素説>
 現代の科学を語る際にこの説を持ち出す学者はだれ一人としていないと思うが、万物の元となる物質が「四元素」であるという考えは、なんと約2000年以上もの間科学者の間で引き継がれ、影響を与えてきた。
 古代ギリシアでは万物の根源として「アルケー」という言葉が使われていたが、アルケーが何であるのかという見解は学者によってまちまちであった。
 哲学の祖でありギリシャ七賢人の一人であるミレトスのタレス(紀元前624年頃~前546年頃)は、アルケーを「水」と考えた。同じミレトス学派のアナクシマンドロスはアルケーを「無限なるものアベイロン」として考え、「水」や「土」といった有限のものはそこから生まれたものに過ぎない、と論じた。さらにその弟子のアナクシメネス(紀元前585年頃~前525年頃)は「火」「水」「土」は全て「空気」が薄くなったり濃くなったりする事で生まれ、生命に必要な「空気」こそがアルケーであると断言した。他にもクセノファネス(紀元前535年頃)は「土」が、エフェソスのヘラクレイトス(紀元前535年頃~前475年頃)は「火」がアルケーであるといったように様々な理論が唱えられていたが、こうしたいくつもの説の統一理論を唱えたのがアクラガスのエンペドクレス(紀元前490年頃~前430年頃)である。彼はこれらを取りまとめ、「土」「空気」「火」「水」が原始の四元素だと提唱した。
 彼は様々な先進的な考えを持っていた学者で、太陽が巨大な火の塊である事、月が反射光により輝いている事、聴覚は耳の内部の軟骨が空気の振動で叩かれる事によって生まれるといった、数多くの現代的な考察を残している。
 彼の考察の中でも目を見張るのが「光の速さ」についての考察だ。
 彼は自身の推理力により光の速さが有限であることを論じたが、この事実が実際に理解され始めるのは、アインシュタインの「光量子仮説」が主張された20世紀初頭の事だった。
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仕事しながらなので大体土日に更新してます。
そしていつも眠いので誤字脱字大量にあるかも。ごめんなさぃぃ

現在プロットの大枠はほぼ終了し、各章ごとの詳細プロットを作成中です。
読んでいただいて本当にありがとうございます。

※ 11/20追記
年末に向けて本業が忙しく、ちょっと更新が滞るかも知れません。なるべく毎週一回は追加していきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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