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約束(2)
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「ステファン……」
すがるように視線を上げるとステファンもフランの目をじっと覗き込んできた。
黒い瞳がキラキラしていて、なんだかとても綺麗だ。ヒートを宥めてくれた時にも、ステファンの目はこんなふうにキラキラしていた。
そんなことを考えたらカーッと頬が熱くなって、お腹の下のほうがさらにもぞもぞしてきた。
ステファンがにやりと笑う。
(なんで、笑うの?)
「フラン、出したほうがすっきりするぞ。気持ちもいいし……」
「でも……」
下腹部の違和感と一緒に頭の中に浮かぶのは、淫らな想像ばかりなのだ。本当にオメガなのかと、値踏みするようにフランを見下ろしていた知らない大人たちの目と、それはどこか重なる気がして、身体がこんなふうになってしまうのは、きっとフランがオメガだからだと思って、怖かった。
「何がそんなに嫌なんだ」
「だって……」
もごもごと言葉足らずに、どうしてもいやらしいことを考えてしまうことや、その時の後ろめたさを口にする。ステファンはなぜか奇妙なものを見るような、どこか面白そうな目でフランを見ていた。
けれど、フランが「これって、僕が、オメガだからなんだよね……」と涙目で唇と噛むと、「それは違う」と言ってキッパリと首を振った。
「みんな、同じだ。アルファもベータも第一性が男に生まれた者は、それを定期的に処理する」
「え……?」
ステファンも? と聞くと、「そうだ」と頷く。
「レンナルトは?」
「同じだ。オメガもアルファもベータも関係ない」
「本当に……?」
「俺が嘘を教えたことがあるか?」
フランは首を振った。
「そうだったんだ……」
オメガの身体のせいではなかったのだと知って、急に安心した。ほうっと息を吐くと、「で? 何を考えてた?」と聞かれる。
「え……」
「後ろめたくなるような、いやらしいことを考えていたんだろう? 何を想像してたんだ?」
ドキドキと心臓が騒ぎ始め、頬はさらに熱くなる。
「そ、そんなの……」
言えない、と顔を真っ赤にしてふるふると首を振る。ステファンが声を立てて笑った。
「笑わないで」
「悪い。だが、何も考えずに、手を使って処理することもあるが、性的な刺激を利用して吐き出すことのほうが多いし普通だと思うぞ。そのほうが気持ちいいし、本来それは子を作るために大切な種を含むものだ。夜の行為を想像しながら吐き出すのは理に適っている」
何も恥ずかしいことではないのだと、ひどく真面目な顔で説明する。けれど、瞳の奥には、まだ面白そうな光が瞬いていた。
ずい、とステファンが身を乗り出してきた。
「よし。手伝ってやろう」
腰を抱かれて、心臓が飛び出しそうになる。キュロットの前ボタンに手を掛けられると、もぞもぞはさらにひどくなった。
「しっかり膨らんでいるな」
「や……。触っちゃ……」
ダメ、と声にならない吐息で訴える。ステファンの手に触れられたら、どんどんあそこが大きくなって、きっとすぐに弾けてしまう。
潤んでしまった青い目をステファンが見つめる。絵のように美しい顔が近づいてきて、いつかのような優しいキスが唇に落ちてきた。
「ん……」
「フラン、本当に、俺がしてもいいのか?」
唇を重ねる合間にステファンが聞いた。頭がぼうっとして、フランはどう答えるべきなのかがよくわからなかった。ステファンの手が触れている足の間がくすぐったくてもどかしい。はやく、とか、もっと、とか、そんな言葉で脳がいっぱいになる。
「して……」
短く訴えると、ステファンが「え?」と目を丸くする。また何かヘンなことを言ったのだとわかったけれど、もう我慢ができなかった。
「もっと、触って……。はやく、びゅって、したい……」
涙目になって思ったままを口にした。なぜか低く「ううん……」と呻かれて、不安になる。
「ステファン……」
「知らないぞ」
キュロットの下のタイツの紐に手を掛けながら、ステファンは「泣くなよ、フラン……」と囁いた。フランを抱き寄せ、蟀谷にキスを落としながらタイツの下に手を滑り込ませる。
「あ……っ」
直接触れられた感触にビクッと身体が跳ねる。チラリと視線を向けると、金色に光るかすかな体毛と、形を変えてステファンの手の中に包まれた自分の中心が目に入った。フランは慌ててぎゅっと目を閉じた。
ステファンの指の感触がはっきりと伝わる。
「あ、あ……、ん……」
耳を噛まれて、きゃっと悲鳴を上げた。
すがるように視線を上げるとステファンもフランの目をじっと覗き込んできた。
黒い瞳がキラキラしていて、なんだかとても綺麗だ。ヒートを宥めてくれた時にも、ステファンの目はこんなふうにキラキラしていた。
そんなことを考えたらカーッと頬が熱くなって、お腹の下のほうがさらにもぞもぞしてきた。
ステファンがにやりと笑う。
(なんで、笑うの?)
「フラン、出したほうがすっきりするぞ。気持ちもいいし……」
「でも……」
下腹部の違和感と一緒に頭の中に浮かぶのは、淫らな想像ばかりなのだ。本当にオメガなのかと、値踏みするようにフランを見下ろしていた知らない大人たちの目と、それはどこか重なる気がして、身体がこんなふうになってしまうのは、きっとフランがオメガだからだと思って、怖かった。
「何がそんなに嫌なんだ」
「だって……」
もごもごと言葉足らずに、どうしてもいやらしいことを考えてしまうことや、その時の後ろめたさを口にする。ステファンはなぜか奇妙なものを見るような、どこか面白そうな目でフランを見ていた。
けれど、フランが「これって、僕が、オメガだからなんだよね……」と涙目で唇と噛むと、「それは違う」と言ってキッパリと首を振った。
「みんな、同じだ。アルファもベータも第一性が男に生まれた者は、それを定期的に処理する」
「え……?」
ステファンも? と聞くと、「そうだ」と頷く。
「レンナルトは?」
「同じだ。オメガもアルファもベータも関係ない」
「本当に……?」
「俺が嘘を教えたことがあるか?」
フランは首を振った。
「そうだったんだ……」
オメガの身体のせいではなかったのだと知って、急に安心した。ほうっと息を吐くと、「で? 何を考えてた?」と聞かれる。
「え……」
「後ろめたくなるような、いやらしいことを考えていたんだろう? 何を想像してたんだ?」
ドキドキと心臓が騒ぎ始め、頬はさらに熱くなる。
「そ、そんなの……」
言えない、と顔を真っ赤にしてふるふると首を振る。ステファンが声を立てて笑った。
「笑わないで」
「悪い。だが、何も考えずに、手を使って処理することもあるが、性的な刺激を利用して吐き出すことのほうが多いし普通だと思うぞ。そのほうが気持ちいいし、本来それは子を作るために大切な種を含むものだ。夜の行為を想像しながら吐き出すのは理に適っている」
何も恥ずかしいことではないのだと、ひどく真面目な顔で説明する。けれど、瞳の奥には、まだ面白そうな光が瞬いていた。
ずい、とステファンが身を乗り出してきた。
「よし。手伝ってやろう」
腰を抱かれて、心臓が飛び出しそうになる。キュロットの前ボタンに手を掛けられると、もぞもぞはさらにひどくなった。
「しっかり膨らんでいるな」
「や……。触っちゃ……」
ダメ、と声にならない吐息で訴える。ステファンの手に触れられたら、どんどんあそこが大きくなって、きっとすぐに弾けてしまう。
潤んでしまった青い目をステファンが見つめる。絵のように美しい顔が近づいてきて、いつかのような優しいキスが唇に落ちてきた。
「ん……」
「フラン、本当に、俺がしてもいいのか?」
唇を重ねる合間にステファンが聞いた。頭がぼうっとして、フランはどう答えるべきなのかがよくわからなかった。ステファンの手が触れている足の間がくすぐったくてもどかしい。はやく、とか、もっと、とか、そんな言葉で脳がいっぱいになる。
「して……」
短く訴えると、ステファンが「え?」と目を丸くする。また何かヘンなことを言ったのだとわかったけれど、もう我慢ができなかった。
「もっと、触って……。はやく、びゅって、したい……」
涙目になって思ったままを口にした。なぜか低く「ううん……」と呻かれて、不安になる。
「ステファン……」
「知らないぞ」
キュロットの下のタイツの紐に手を掛けながら、ステファンは「泣くなよ、フラン……」と囁いた。フランを抱き寄せ、蟀谷にキスを落としながらタイツの下に手を滑り込ませる。
「あ……っ」
直接触れられた感触にビクッと身体が跳ねる。チラリと視線を向けると、金色に光るかすかな体毛と、形を変えてステファンの手の中に包まれた自分の中心が目に入った。フランは慌ててぎゅっと目を閉じた。
ステファンの指の感触がはっきりと伝わる。
「あ、あ……、ん……」
耳を噛まれて、きゃっと悲鳴を上げた。
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