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ヒート(2)
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どうやって運ばれたのかわからないまま、ステファンのベッドの上にいた。身体が熱くて服を着ているのが苦しくて、もがくようにボタンやリボンを自分の手で外して、ジレや薄いシャツの胸元をはだける。
肌があらわになるにつれて花の匂いが濃くなっていった。
「フラン……、フラン、悪い……」
呻くようにステファンが囁く。
自分でしたことなのか、それともステファンの手でそうされたのか、いつの間にかすべての服が剥ぎとられ、床に投げ捨てられていた。
身体があらわになる。少しは成長したとはいえ、オメガのフランは小柄で骨も細い。ステファンの目の前に晒される姿がみすぼらしくないかと心配したのは、けれど、ほんの一瞬で。
同じように肌を晒したステファンの身体が目に入ると、頭の芯がズキンと痛んだ。はやく触れてほしい、触れたいと、欲望が眩暈となって脳を狂わせる。焼けるような渇望が全身を支配する。
「ステファン……」
手を伸ばすと、願った通りにたくましい身体が落ちてくる。
熱くなった身体を重ねて、きつく抱きしめられて安堵するのに、すぐにそれだけでは足りないと、もっと欲しいと、何も知らない身体が疼き始める。
どうにかしてして、お願いだから、どうにかしてくださいと、半分、泣きながら懇願するフランを、ステファンは苦し気に見下ろした。
「余裕なんか、ないからな……、こんな……」
ヒートのオメガを前にして、アルファがどうなるか。そんな知識などなくとも、制御のきかない強い力にステファンも支配されているのがわかった。
本能、という言葉が頭の隅に浮かんだ。
手のひらに、唇に、身体中を撫でられて甘い匂いの息が零れる。
「あ、あ……」
白くて平らな胸の二つの花びらを吸われると、下肢に熱が溜まってゆく。ステファンの夢を見て粗相をした時と同じ、もどかしくて苦しくて、なのに甘美な欲望がフランの足の間で膨らんでゆく。爆ぜる時の恍惚とした愉悦の甘さを思い出し、はやく、と急かすように腰を浮かせた。
「ああ……っ」
ステファンの手で包まれただけで、それは弾けた。白い液体が溢れ出て、ステファンの指を濡らす。
荒い息を吐いていると、ステファンにきつく抱きしめられた。熱くて硬いものが腿に当たり、まだ身体の内側に疼きがあるのを知る。弾けた熱よりも濃くて深い欲望が燃えている。
膝が左右に開かれる。
一度小さくなってしおれていたフランの中心が、再び勃ちあがってゆっくり揺れ始めた。
二つの丸いもののもっと後ろ側、ふだんは出すためにある孔が熱くなって何かを求めている。蕾が開くように勝手にほころび、とろりとしたものがそこから溢れ出す。
熟れた果実のように開いた場所を、ステファンが指で触れた。やわらかく開いた粘膜が、長い指を簡単にのみ込んでゆく。
深く。
「あ、あ……」
もっと、と腰が揺れ、フランの小さな雄が再び芯を持つ。ステファンが苦しげに目を眇めた。
「フラン……、怖くは、ないか……」
かすれる声で聞、わけもわからないままこくこくと頷いた。
何も怖いことはなかった。
ステファンが欲しかった。
硬質な体躯を挟むように脚が大きく開かれる。右の脚を掴まれて高く上げさせられた。
熱い楔が押し当てられ、一息にフランを貫く。
「あああ……っ」
意識が真っ白に弾けた。
肌があらわになるにつれて花の匂いが濃くなっていった。
「フラン……、フラン、悪い……」
呻くようにステファンが囁く。
自分でしたことなのか、それともステファンの手でそうされたのか、いつの間にかすべての服が剥ぎとられ、床に投げ捨てられていた。
身体があらわになる。少しは成長したとはいえ、オメガのフランは小柄で骨も細い。ステファンの目の前に晒される姿がみすぼらしくないかと心配したのは、けれど、ほんの一瞬で。
同じように肌を晒したステファンの身体が目に入ると、頭の芯がズキンと痛んだ。はやく触れてほしい、触れたいと、欲望が眩暈となって脳を狂わせる。焼けるような渇望が全身を支配する。
「ステファン……」
手を伸ばすと、願った通りにたくましい身体が落ちてくる。
熱くなった身体を重ねて、きつく抱きしめられて安堵するのに、すぐにそれだけでは足りないと、もっと欲しいと、何も知らない身体が疼き始める。
どうにかしてして、お願いだから、どうにかしてくださいと、半分、泣きながら懇願するフランを、ステファンは苦し気に見下ろした。
「余裕なんか、ないからな……、こんな……」
ヒートのオメガを前にして、アルファがどうなるか。そんな知識などなくとも、制御のきかない強い力にステファンも支配されているのがわかった。
本能、という言葉が頭の隅に浮かんだ。
手のひらに、唇に、身体中を撫でられて甘い匂いの息が零れる。
「あ、あ……」
白くて平らな胸の二つの花びらを吸われると、下肢に熱が溜まってゆく。ステファンの夢を見て粗相をした時と同じ、もどかしくて苦しくて、なのに甘美な欲望がフランの足の間で膨らんでゆく。爆ぜる時の恍惚とした愉悦の甘さを思い出し、はやく、と急かすように腰を浮かせた。
「ああ……っ」
ステファンの手で包まれただけで、それは弾けた。白い液体が溢れ出て、ステファンの指を濡らす。
荒い息を吐いていると、ステファンにきつく抱きしめられた。熱くて硬いものが腿に当たり、まだ身体の内側に疼きがあるのを知る。弾けた熱よりも濃くて深い欲望が燃えている。
膝が左右に開かれる。
一度小さくなってしおれていたフランの中心が、再び勃ちあがってゆっくり揺れ始めた。
二つの丸いもののもっと後ろ側、ふだんは出すためにある孔が熱くなって何かを求めている。蕾が開くように勝手にほころび、とろりとしたものがそこから溢れ出す。
熟れた果実のように開いた場所を、ステファンが指で触れた。やわらかく開いた粘膜が、長い指を簡単にのみ込んでゆく。
深く。
「あ、あ……」
もっと、と腰が揺れ、フランの小さな雄が再び芯を持つ。ステファンが苦しげに目を眇めた。
「フラン……、怖くは、ないか……」
かすれる声で聞、わけもわからないままこくこくと頷いた。
何も怖いことはなかった。
ステファンが欲しかった。
硬質な体躯を挟むように脚が大きく開かれる。右の脚を掴まれて高く上げさせられた。
熱い楔が押し当てられ、一息にフランを貫く。
「あああ……っ」
意識が真っ白に弾けた。
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