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【22】-2
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「シンデレラが見つかったって本当?」
「確かな筋の情報みたいよ」
「いつもの、あの人?」
「そう。いつもの……」
二人が向かう先にはカメラやマイクを構えた人たちがいた。全員が車寄せに止まる高級車の一台一台に目を光らせている。
(シンデレラ……?)
何かの間違いだろうと、玲は思った。周防が「レイ」を見つけたはずがない。
「来た!」
けれど、ざわりと揺れる声を聞くと、自然に正面玄関を振り返っていた。
黒塗りのリンカーンが静かに滑り込んでくる。パチパチと数回、まばらにフラッシュが焚かれた。
助手席のドアが開く
長身の男性が降りてくるのが見えた。今度は一斉にフラッシュが焼かれた。何本ものマイクが男性に向けられる。
そこに立っているのは周防だった。六時に人に会うと言っていたので、時間的にはピッタリ合っている。
玲はすぐにでも、トモと周防が同一人物だと確かめたかった。
きっとそうだと、間違いないと確信はしている。けれど、玲の知らない何かがまだどこかに隠れていて、トモはやはり亡くなっているのだと、周防はトモとは別人なのだと言われるかもしれない。そう思うと、怖かった。
メインロビーの真ん中に立ち、大きく扉が開かれた正面玄関の入り口を見ていた。そこからなら周防の姿がよく見える。
周防が玲に気づいた。
にこりと嬉しそうに笑う。
「確かな筋の情報みたいよ」
「いつもの、あの人?」
「そう。いつもの……」
二人が向かう先にはカメラやマイクを構えた人たちがいた。全員が車寄せに止まる高級車の一台一台に目を光らせている。
(シンデレラ……?)
何かの間違いだろうと、玲は思った。周防が「レイ」を見つけたはずがない。
「来た!」
けれど、ざわりと揺れる声を聞くと、自然に正面玄関を振り返っていた。
黒塗りのリンカーンが静かに滑り込んでくる。パチパチと数回、まばらにフラッシュが焚かれた。
助手席のドアが開く
長身の男性が降りてくるのが見えた。今度は一斉にフラッシュが焼かれた。何本ものマイクが男性に向けられる。
そこに立っているのは周防だった。六時に人に会うと言っていたので、時間的にはピッタリ合っている。
玲はすぐにでも、トモと周防が同一人物だと確かめたかった。
きっとそうだと、間違いないと確信はしている。けれど、玲の知らない何かがまだどこかに隠れていて、トモはやはり亡くなっているのだと、周防はトモとは別人なのだと言われるかもしれない。そう思うと、怖かった。
メインロビーの真ん中に立ち、大きく扉が開かれた正面玄関の入り口を見ていた。そこからなら周防の姿がよく見える。
周防が玲に気づいた。
にこりと嬉しそうに笑う。
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