1 / 1
五日目
蜘蛛
しおりを挟む
心臓が悲鳴を上げる中、走り続けるのは佳奈と優太の二人。その背後には蠢く何かが二人の事を追っていた。振り向いちゃ駄目だ。と佳奈の手を掴み、走り続ける。流石に俺も人間だ。体力は切れる。このまま走り続けても、いずれはあの気持ち悪いやつに捕まってしまう。何か無いかと辺りを見回す。すると十メートル先にトイレがある事に気付く。そこに上手く隠れればやり過ごせるかもしれない。一か八かやるしかない。
「次で曲がるよ! 」
と佳奈に指示を出す。佳奈はとっくにバテてているようで、足の動きが不自然だった。そんな佳奈を引っ張りトイレへと向かう。幸い、やつは小回りがきかない事。それに力が弱い事が分かっている。個室に入ってドアに鍵を掛ければ、襲うのを諦めるかもしれない。今はそれを信じるしかない。
トイレの個室に入り、そしてドアに鍵を掛ける。やつはトイレに入らず走り続けているようだった。
「はぁー助かった。」
と、佳奈が安堵の息をつく。すると、カタっと音を立てて何かが床に落ちる。その音は、まるで石を爪で叩く音に似ている。その落ちた物に目をやると、物の正体が分かった。
蜘蛛。そう言った方が分かり易かった。しかし、その姿は普通の蜘蛛とは違う。まず、足が七本でその内の一本は普通の蜘蛛なら口に当たる部分に生えていて、他の足とは質感が異なっていた。それに、胴体からは触覚のような物が有り、その先にギロリと胴体と同じ大きさの目玉が付いている。その目玉はアンテナのようにぐるっと回転している。その行動は周囲を確認しているようだった。目玉の回転が終わると、佳奈の姿を見たまま静止した。
その姿を見た佳奈は腰を抜かして、尻もちをついた。すると蜘蛛は佳奈のふくらはぎ部分に飛び乗る。佳奈は蜘蛛を払い落とそうと、蜘蛛を叩いたり、剥がそうとする。しかし蜘蛛の足は爪を持っており、それを皮膚に突き刺して体を固定している。その為無理に剥がそうとすと皮膚が裂け、血が滲み出る。それがかなりの激痛だったようで、佳奈は放心状態になり剥がそうとする手を止めた。蜘蛛は太ももまで上り、異質な足を針状に変化させ佳奈の皮膚に突き刺した。
「ぎゃぁー!! 」
と叫ぶ佳奈。蜘蛛の針は何かを産み付けるような動きをしたあと、その針を引き抜いた。刺された傷は不自然な事に一切血が出なかった。一方佳奈はパニックをも起こし、口をパクパクさせている。
用事を終えた蜘蛛は足から離れ、針状だった足を今度は鎌状に変化させた。蜘蛛はその足を使いにくそうに動かし、佳奈の足に産み付けた場所を切るように足を切断した。当然血が出ると思ったが、違った。傷周りの皮膚が盛り上がり傷口を閉じた。そして、膨れ上がった皮膚は沸騰するかのようにブクブクと音を立て、内側にあったと思われる目玉を表に出した。パニック陥った佳奈は、それを取ろうと目玉に触れる。すると、佳奈は一度身震いを起こした後意識を失い倒れ込んだ。それを見ていた蜘蛛は、再び佳奈の体に飛び乗り、今度は首の根本に針状の足を突き刺した。その針を引き抜くと、そこにもまた、目玉が出現した。
蜘蛛は佳奈から離れると、「次はお前だ」と俺に視線を向けてくる。腰を抜かしている体は逃げようと力を入れても、動かない。すると蜘蛛は自分の体に飛び乗り首の根本に佳奈と同様、針を突き刺した。しかし刺されていても痛みは無かった。その代わりに体に異物が入ってくる不快感が体に襲う。その後、針の先端から何か丸い物が出ている事が分かった。蜘蛛は針を引き抜き自分の体にも目玉を出現させる。すると、佳奈の血が付いた足を目玉に突き刺す。体には感じた事のない激痛が走った。意識が朦朧し何が起こっているか分からなくなる。蜘蛛は、切り離した佳奈の足を爪で引っ掻く。すると自分の足にも激痛が走る。その後、すぐに意識が飛んだ。
「起きて。起きてってば。」
と佳奈の声が聞こえる。目を開けると目の前に佳奈の顔がある。その首元にはやはり、あの目玉。しばらくして意識がはっきりすると自分に付いてる目玉を取ろうと目玉に触れる。するとやはり激痛が走る。
「イタタ。ちょっと目玉に触らないでよ。感覚が共有されてて、こっちも痛いんだから。」
え?
「次で曲がるよ! 」
と佳奈に指示を出す。佳奈はとっくにバテてているようで、足の動きが不自然だった。そんな佳奈を引っ張りトイレへと向かう。幸い、やつは小回りがきかない事。それに力が弱い事が分かっている。個室に入ってドアに鍵を掛ければ、襲うのを諦めるかもしれない。今はそれを信じるしかない。
トイレの個室に入り、そしてドアに鍵を掛ける。やつはトイレに入らず走り続けているようだった。
「はぁー助かった。」
と、佳奈が安堵の息をつく。すると、カタっと音を立てて何かが床に落ちる。その音は、まるで石を爪で叩く音に似ている。その落ちた物に目をやると、物の正体が分かった。
蜘蛛。そう言った方が分かり易かった。しかし、その姿は普通の蜘蛛とは違う。まず、足が七本でその内の一本は普通の蜘蛛なら口に当たる部分に生えていて、他の足とは質感が異なっていた。それに、胴体からは触覚のような物が有り、その先にギロリと胴体と同じ大きさの目玉が付いている。その目玉はアンテナのようにぐるっと回転している。その行動は周囲を確認しているようだった。目玉の回転が終わると、佳奈の姿を見たまま静止した。
その姿を見た佳奈は腰を抜かして、尻もちをついた。すると蜘蛛は佳奈のふくらはぎ部分に飛び乗る。佳奈は蜘蛛を払い落とそうと、蜘蛛を叩いたり、剥がそうとする。しかし蜘蛛の足は爪を持っており、それを皮膚に突き刺して体を固定している。その為無理に剥がそうとすと皮膚が裂け、血が滲み出る。それがかなりの激痛だったようで、佳奈は放心状態になり剥がそうとする手を止めた。蜘蛛は太ももまで上り、異質な足を針状に変化させ佳奈の皮膚に突き刺した。
「ぎゃぁー!! 」
と叫ぶ佳奈。蜘蛛の針は何かを産み付けるような動きをしたあと、その針を引き抜いた。刺された傷は不自然な事に一切血が出なかった。一方佳奈はパニックをも起こし、口をパクパクさせている。
用事を終えた蜘蛛は足から離れ、針状だった足を今度は鎌状に変化させた。蜘蛛はその足を使いにくそうに動かし、佳奈の足に産み付けた場所を切るように足を切断した。当然血が出ると思ったが、違った。傷周りの皮膚が盛り上がり傷口を閉じた。そして、膨れ上がった皮膚は沸騰するかのようにブクブクと音を立て、内側にあったと思われる目玉を表に出した。パニック陥った佳奈は、それを取ろうと目玉に触れる。すると、佳奈は一度身震いを起こした後意識を失い倒れ込んだ。それを見ていた蜘蛛は、再び佳奈の体に飛び乗り、今度は首の根本に針状の足を突き刺した。その針を引き抜くと、そこにもまた、目玉が出現した。
蜘蛛は佳奈から離れると、「次はお前だ」と俺に視線を向けてくる。腰を抜かしている体は逃げようと力を入れても、動かない。すると蜘蛛は自分の体に飛び乗り首の根本に佳奈と同様、針を突き刺した。しかし刺されていても痛みは無かった。その代わりに体に異物が入ってくる不快感が体に襲う。その後、針の先端から何か丸い物が出ている事が分かった。蜘蛛は針を引き抜き自分の体にも目玉を出現させる。すると、佳奈の血が付いた足を目玉に突き刺す。体には感じた事のない激痛が走った。意識が朦朧し何が起こっているか分からなくなる。蜘蛛は、切り離した佳奈の足を爪で引っ掻く。すると自分の足にも激痛が走る。その後、すぐに意識が飛んだ。
「起きて。起きてってば。」
と佳奈の声が聞こえる。目を開けると目の前に佳奈の顔がある。その首元にはやはり、あの目玉。しばらくして意識がはっきりすると自分に付いてる目玉を取ろうと目玉に触れる。するとやはり激痛が走る。
「イタタ。ちょっと目玉に触らないでよ。感覚が共有されてて、こっちも痛いんだから。」
え?
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
公開凌辱される話まとめ
たみしげ
BL
BLすけべ小説です。
・性奴隷を飼う街
元敵兵を性奴隷として飼っている街の話です。
・玩具でアナルを焦らされる話
猫じゃらし型の玩具を開発済アナルに挿れられて啼かされる話です。
保育士だっておしっこするもん!
こじらせた処女
BL
男性保育士さんが漏らしている話。ただただ頭悪い小説です。
保育士の道に進み、とある保育園に勤めている尾北和樹は、新人で戸惑いながらも、やりがいを感じながら仕事をこなしていた。
しかし、男性保育士というものはまだまだ珍しく浸透していない。それでも和樹が通う園にはもう一人、男性保育士がいた。名前は多田木遼、2つ年上。
園児と一緒に用を足すな。ある日の朝礼で受けた注意は、尾北和樹に向けられたものだった。他の女性職員の前で言われて顔を真っ赤にする和樹に、気にしないように、と多田木はいうが、保護者からのクレームだ。信用問題に関わり、同性職員の多田木にも迷惑をかけてしまう、そう思い、その日から3階の隅にある職員トイレを使うようになった。
しかし、尾北は一日中トイレに行かなくても平気な多田木とは違い、3時間に一回行かないと限界を迎えてしまう体質。加えて激務だ。園児と一緒に済ませるから、今までなんとかやってこれたのだ。それからというものの、限界ギリギリで間に合う、なんて危ない状況が何度か見受けられた。
ある日の紅葉が色づく頃、事件は起こる。その日は何かとタイミングが掴めなくて、いつもよりさらに忙しかった。やっとトイレにいける、そう思ったところで、前を押さえた幼児に捕まってしまい…?
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる