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第13章 2度目の学園生活
66 想いを打ち明けるとき
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「コルネリアス。この後時間を貰えないかな?少し長い話になるのだけど……」
ローザリンデやカトレアと話した翌日。
生徒会活動が終わり他の役員が退室したタイミングを見計らってコルネリアスに声を掛けた。
「ああ。もちろん大丈夫だ」
「でしたらわたくしは先に帰りますね」
「ありがと……後でお礼は必ず」
近くで聞いていたアスカルテは気を利かせてくれたようだ。ニコリと笑みを浮かべて生徒会室を後にすると、この部屋に残ったのは私とコルネリアスの2人だけになった。
「告白の返事をしたいのだけど……その前に話しておかないといけないことがあるの。付いてきてくれない?」
「構わないが……ここでは駄目なのか?」
「私だけの言葉で信じてもらうのは難しいから」
私はそれだけ告げると生徒会室を出て目的の場所へと向かった。
コルネリアスは不思議そうにしながらも無言で付いてきてくれるが、私が立ち止まった場所を見て意味が分からないといった様子だった。
「……どうして学園長室に?」
「それも含めて説明するから」
ドアをノックして名前を告げて入室が許可されてから扉を開ける。ローザリンデは私とコルネリアスの顔を交互に見ると笑顔で出迎えてくれて応接用の椅子に通してくれた。
「お茶でもどうぞ」
「ありがとうございます」
「いただきます」
渡されたお茶を一口飲んで気持ちを落ち着かせると、改めてコルネリアスへと向き合う。
この秘密をラティアーナの頃を知らない誰かに打ち明けるのは初めてだと考えると胸がドキドキした。コルネリアスが私のことをどう思うか不安だが、彼に対して誠実に向き合うためには避けてはいけない。
「コルネリアス……今日この時間を設けてもらったのは私の秘密を告げるため。簡単には信じられないと思うからローザリンデ様にも協力をお願いしたわ」
「ティアの秘密を知る者は数少ないですからね。王立学園の中では、わたくしかカトレア様だけですが、家族であるわたくしのほうが良いだろうと」
その辺りは昨日のうちに相談して決めたことだった。教師と生徒の関係であるカトレアよりも伯母にあたるローザリンデのほうが受け入れやすいと考えたからだ。
「私には前世の記憶があるの」
「前世……確かに珍しいがありえない話ではないだろう?」
歴史書のような過去の文献でも前世の記憶については記載されているし、様々な国や領地を実際に訪れてみると意外と地球の文化の名残のようなものを感じ取ることができる。
だからコルネリアスがこのような反応をするのは想定内だった。問題はここから先だ。
「それが……私の前世がラティアーナ……ラティアーナ・エスペルトだったとしても?」
「……!?」
コルネリアスはラティアーナという名前を聞いて目を大きく見開いた。かなり驚いているようで言葉にもならないようだが、表情を見るかぎり嫌悪感などはないらしい。
相変わらず私の鼓動は大きく跳ねているが、少しだけ安堵することができた。
「驚いているところ悪いけれどティアの話は本当ですよ。彼女の前世はわたくしやリーファスのお姉さま。コルネリアスにとっては伯母にあたる前国王陛下のラティアーナなのですから」
「……正直なところ驚きが大きすぎて、なんて言っていいのか分からないですが……ティアとローザリンデ様がそう言うならそうなのでしょうね。ただ……いや、そう言われてみれば腑に落ちるか」
「どういうこと?」
コルネリアスは勝手に一人で納得したかのようにうんうんと頷いていた。
「ティアのことをどこか不自然だと感じていたんだ。他国で生まれて最近エスペルト王国にやってきたはずなのに王国のことに詳しいし貴族というものをよく知っている節がある。冒険者として貴族との付き合いがあったのかと思っていたが、ティアにラティアーナ様としての記憶があるのなら全てに説明がつく」
私の立ち振る舞いは商会長や礼儀がしっかりしている高位冒険者が王侯貴族と面会するときのものに合わせている。貴族でいえば男爵家などの下位貴族の所作と同等なもので相手が誰であっても不敬にとられない必要最低限のものだ。
「一応私の立場でも知ることできる範囲に留めていたのだけどね……」
「だとしても知ることができるというだけだ。その全てを網羅できる人が、それも成人すらしていない少女ができるわけがないだろう」
「お姉さまですからね。王族だとか関係なく常識が通じない人ですから」
「その言い方は、あんまりじゃないの!?」
常識にまとめているはずが反対のことを言われるのはどこか腑に落ちなくてローザリンデのことをじっと見つめる。
けれどローザリンデはくすりと笑みを浮かべるだけだった。
「コルネリアスがすぐに信じてくれて良かったです。後は、わたくしがいない方が良いでしょうから席を外しますね」
「……ありがと」
「ありがとうございます。伯母上」
ローザリンデは半刻ほどで戻りますねと言って学園長室を後にした。
これで部屋の中には私とコルネリアスの2人だけになった。
私はこの前の答えを言おうと改めてコルネリアスの方に身体を向けた。
「一応、私が伝えたかったことは全部なんだけど……」
「驚きはしたがそれだけだ。そもそも私はラティアーナ様のことを詳しく知らない。父上や母上もあまり話してくれなかったからな。だが私が好きになったのは、私が出会ってからずっと見てきたティアだ。君がラティアーナ様の記憶を持っていようと……こう言ったら失礼になるのかもしれないが、私にとっては関係がない。ティアのことはティアだと思っている」
「そっか……」
私は私なのだと言われて素直に嬉しかった。ラティアーナとしての生もティアとしてのも両方合わさったものが今の私だ。
それでも、だからこそ大抵の人のことを守るべき相手だと感じてしまう。今ではとても頼りになるローザリンデのことも私の中では守るべき妹から変わらない。頼ることはできても甘えることはできない。
けれど、私と一緒の場所で隣にいてくれようとするコルネリアスなら純粋に甘えることができる気がした。
やっぱり私は……
「貴方のことが好きみたい」
自然と自分の気持ちを言葉にすることができた。
「ティア……」
「でもいいの?私って自分が思っているよりも家族とか恋愛に強い執着があるから、かなり重い女だとは思うわよ?」
ラティアーナの母であるティアラが亡くなってから私は家族というものをどこかで強く欲していた。誰かと結ばれるのなら政略ではなくて誰か一人だけを恋焦がれてみたいと願っていた。30年の間、積み重ねてきた想いは、誰よりも深くて重くて、きっと面倒なことだろう。
「こちらこそ。君との恋も、王子としての使命も、両方叶えたい私はだいぶ欲張りで面倒な人間だろう……けれど、君の全てを守り幸せにすると誓おう」
コルネリアスはそう言うと膝を着いて手を差し出してきた。
「私たちの天命が尽きるまで隣にいてほしい」
「はい」
私はコルネリアスの手を取ると力強く引き寄せて唇を寄せた。
ローザリンデやカトレアと話した翌日。
生徒会活動が終わり他の役員が退室したタイミングを見計らってコルネリアスに声を掛けた。
「ああ。もちろん大丈夫だ」
「でしたらわたくしは先に帰りますね」
「ありがと……後でお礼は必ず」
近くで聞いていたアスカルテは気を利かせてくれたようだ。ニコリと笑みを浮かべて生徒会室を後にすると、この部屋に残ったのは私とコルネリアスの2人だけになった。
「告白の返事をしたいのだけど……その前に話しておかないといけないことがあるの。付いてきてくれない?」
「構わないが……ここでは駄目なのか?」
「私だけの言葉で信じてもらうのは難しいから」
私はそれだけ告げると生徒会室を出て目的の場所へと向かった。
コルネリアスは不思議そうにしながらも無言で付いてきてくれるが、私が立ち止まった場所を見て意味が分からないといった様子だった。
「……どうして学園長室に?」
「それも含めて説明するから」
ドアをノックして名前を告げて入室が許可されてから扉を開ける。ローザリンデは私とコルネリアスの顔を交互に見ると笑顔で出迎えてくれて応接用の椅子に通してくれた。
「お茶でもどうぞ」
「ありがとうございます」
「いただきます」
渡されたお茶を一口飲んで気持ちを落ち着かせると、改めてコルネリアスへと向き合う。
この秘密をラティアーナの頃を知らない誰かに打ち明けるのは初めてだと考えると胸がドキドキした。コルネリアスが私のことをどう思うか不安だが、彼に対して誠実に向き合うためには避けてはいけない。
「コルネリアス……今日この時間を設けてもらったのは私の秘密を告げるため。簡単には信じられないと思うからローザリンデ様にも協力をお願いしたわ」
「ティアの秘密を知る者は数少ないですからね。王立学園の中では、わたくしかカトレア様だけですが、家族であるわたくしのほうが良いだろうと」
その辺りは昨日のうちに相談して決めたことだった。教師と生徒の関係であるカトレアよりも伯母にあたるローザリンデのほうが受け入れやすいと考えたからだ。
「私には前世の記憶があるの」
「前世……確かに珍しいがありえない話ではないだろう?」
歴史書のような過去の文献でも前世の記憶については記載されているし、様々な国や領地を実際に訪れてみると意外と地球の文化の名残のようなものを感じ取ることができる。
だからコルネリアスがこのような反応をするのは想定内だった。問題はここから先だ。
「それが……私の前世がラティアーナ……ラティアーナ・エスペルトだったとしても?」
「……!?」
コルネリアスはラティアーナという名前を聞いて目を大きく見開いた。かなり驚いているようで言葉にもならないようだが、表情を見るかぎり嫌悪感などはないらしい。
相変わらず私の鼓動は大きく跳ねているが、少しだけ安堵することができた。
「驚いているところ悪いけれどティアの話は本当ですよ。彼女の前世はわたくしやリーファスのお姉さま。コルネリアスにとっては伯母にあたる前国王陛下のラティアーナなのですから」
「……正直なところ驚きが大きすぎて、なんて言っていいのか分からないですが……ティアとローザリンデ様がそう言うならそうなのでしょうね。ただ……いや、そう言われてみれば腑に落ちるか」
「どういうこと?」
コルネリアスは勝手に一人で納得したかのようにうんうんと頷いていた。
「ティアのことをどこか不自然だと感じていたんだ。他国で生まれて最近エスペルト王国にやってきたはずなのに王国のことに詳しいし貴族というものをよく知っている節がある。冒険者として貴族との付き合いがあったのかと思っていたが、ティアにラティアーナ様としての記憶があるのなら全てに説明がつく」
私の立ち振る舞いは商会長や礼儀がしっかりしている高位冒険者が王侯貴族と面会するときのものに合わせている。貴族でいえば男爵家などの下位貴族の所作と同等なもので相手が誰であっても不敬にとられない必要最低限のものだ。
「一応私の立場でも知ることできる範囲に留めていたのだけどね……」
「だとしても知ることができるというだけだ。その全てを網羅できる人が、それも成人すらしていない少女ができるわけがないだろう」
「お姉さまですからね。王族だとか関係なく常識が通じない人ですから」
「その言い方は、あんまりじゃないの!?」
常識にまとめているはずが反対のことを言われるのはどこか腑に落ちなくてローザリンデのことをじっと見つめる。
けれどローザリンデはくすりと笑みを浮かべるだけだった。
「コルネリアスがすぐに信じてくれて良かったです。後は、わたくしがいない方が良いでしょうから席を外しますね」
「……ありがと」
「ありがとうございます。伯母上」
ローザリンデは半刻ほどで戻りますねと言って学園長室を後にした。
これで部屋の中には私とコルネリアスの2人だけになった。
私はこの前の答えを言おうと改めてコルネリアスの方に身体を向けた。
「一応、私が伝えたかったことは全部なんだけど……」
「驚きはしたがそれだけだ。そもそも私はラティアーナ様のことを詳しく知らない。父上や母上もあまり話してくれなかったからな。だが私が好きになったのは、私が出会ってからずっと見てきたティアだ。君がラティアーナ様の記憶を持っていようと……こう言ったら失礼になるのかもしれないが、私にとっては関係がない。ティアのことはティアだと思っている」
「そっか……」
私は私なのだと言われて素直に嬉しかった。ラティアーナとしての生もティアとしてのも両方合わさったものが今の私だ。
それでも、だからこそ大抵の人のことを守るべき相手だと感じてしまう。今ではとても頼りになるローザリンデのことも私の中では守るべき妹から変わらない。頼ることはできても甘えることはできない。
けれど、私と一緒の場所で隣にいてくれようとするコルネリアスなら純粋に甘えることができる気がした。
やっぱり私は……
「貴方のことが好きみたい」
自然と自分の気持ちを言葉にすることができた。
「ティア……」
「でもいいの?私って自分が思っているよりも家族とか恋愛に強い執着があるから、かなり重い女だとは思うわよ?」
ラティアーナの母であるティアラが亡くなってから私は家族というものをどこかで強く欲していた。誰かと結ばれるのなら政略ではなくて誰か一人だけを恋焦がれてみたいと願っていた。30年の間、積み重ねてきた想いは、誰よりも深くて重くて、きっと面倒なことだろう。
「こちらこそ。君との恋も、王子としての使命も、両方叶えたい私はだいぶ欲張りで面倒な人間だろう……けれど、君の全てを守り幸せにすると誓おう」
コルネリアスはそう言うと膝を着いて手を差し出してきた。
「私たちの天命が尽きるまで隣にいてほしい」
「はい」
私はコルネリアスの手を取ると力強く引き寄せて唇を寄せた。
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