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第12章 私を見つけるための旅
54 コルネリアスの役目
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私たちは人目に付かないように気を付けつつも最速で城の地下に向かっていた。たまに巡回している衛兵をやり過ごし階段を降り続け、およそ30分くらい経った頃一つの大きな扉の前にでた。
「この先に結界があります。それから例の暗殺者もいるようですね」
扉を一瞥したアスカルテは嫌そうな表情で言葉にする。前に私を襲ってきた暗殺者に仕掛けられている魔術は、術者にしか分からない波長を発しているようでおおよその位置を判別することができた。
だが、結界のせいか通常の魔力感知は通さないようで、暗殺者以外にどれだけの人がいるかが分からない。
「戦い自体は問題ないが人質にされることは避けたいものだな……アスカルテ、あれを頼む」
「わかりました。コルネリアスが扉を斬ると同時に発動させるのでティアさんは囚われている人たちを助けてあげてください」
コルネリアスが剣に魔力を纏わせる傍らでアスカルテが杖を構えて魔術を展開する。複雑に絡み合う術式が多重に広がって聖属性の魔力によって編まれた文様が空中に浮かび上がり発動直前で停止した。
これは聖属性の最上級魔術。術者が敵と認識した者にのみ魔力による攻撃を行う広域殲滅魔術だ。
「行くぞ!」
次の瞬間、コルネリウスの剣が振り下ろされて静かに扉がズレ落ちていく。ガタンと扉が地面に倒れた時には、中にいた複数の人の視線が私たちに向けられた。
けれど、中にいた人たちが反応できたのはそこまでだった。声を上げる間もなく、アスカルテが行使した魔術の光を浴びて静かに崩れ落ちていく。
牢の外にいて自由に動き回っていた人間の中で、いまだに動けるのは前に襲ってきた暗殺者の男だけのようだ。
「やはり唯者ではなさそうだな!」
だが、暗殺者もアスカルテの魔術を受けて万全な状態ではなく動きが鈍っている。コルネリアスが続けて放つ斬り上げた斬撃を暗殺者がとっさに短剣で受け止めようとするが、防ぎきれずに短剣が砕け散った。暗殺者は顔を顰めながらも空中へ跳んで致命傷だけは避けようとする。
「ぐっ……」
「短剣が砕けた瞬間に避けたか。なかなか、いい腕をしているが……そこまでだ」
コルネリアスは剣を振り上げたまま魔術による雷撃を放ち、空中で跳んだ暗殺者を目掛けて襲い掛かる。暗殺者は空中で避けようもなく雷撃をまともに受けて奥の壁へと叩きつけられた。煙を上げて身を焦がしながら床へと崩れ落ちて沈黙する。
「しかし……趣味がいいとは言えないな」
一足先に部屋の中に踏み入れたコルネリアスは、周りを見渡しながら呟いた。その言葉には侮蔑するような感情が乗っていて表情も少し固い。
続いて入ったアスカルテもあまりの惨状に言葉が出ないようだった。
「惨いですね……人の扱いじゃない」
扉の向こうは大きな空間になっていて一部が牢屋のように檻で区切られた個室になっていた。そこには私の同年代から30歳くらいまでと幅広い年代の男女8人が拘束されているようだった。
そして、もう一方の檻は綺麗な造りになっていて、薄手の恰好をした3人の若い女性たちが横たわっていた。
誰もが元気がなく目に光が灯っていないような状態だ。
この空間に漂う独特な匂いが、この場所で何があったのかを物語っている。
「む……援軍か?一人一人は強くなさそうだがどうにも不気味だな」
部屋の外には全身を黒の装束で纏った人たちの姿が見えている。全員が不気味な魔力と邪気を放っていて短剣を持ったままゆらゆらと近づいてくる。
「連中の相手は私がしよう。城の外にはブラッド……私たちの協力者が待機している。アスカルテとティアは皆を解放して彼らの元に連れて行ってほしい」
コルネリアスは部屋の中に誰も入れないようにと扉の近くに立ち塞がって剣を敵に向ける。
「ティアさん。急いで助けましょうか」
「わかりました」
私とアスカルテは急いで牢の方へ向かうと、片っ端から牢屋を壊して人質を助け出すことにした。
一方のコルネリアスは、人質を助け出すアスカルテとティアの気配を感じつつ少し安心したように息を吐く。
幼いころから様々なことを教えられてきたコルネリアスであっても、この光景は気持ち悪く感じるものだ。ある程度の耐性があるアスカルテはもちろんのこと、耐性がないであろうティアにとっては、とても酷なものだったと思う。
そのようなことを考えていると、ゆらゆらとした装束を纏った人たちの中から見知った顔の男が近づいてきた。
「侵入者が子供だったとは意外ですね……それにあの子までいるとは」
「筆頭魔術士のヘルケか。平民とはいえ、お前の立場であれば皆を守ることができただろう。どうしてこのような事ができる?」
平民であれば貴族の命令を拒否することはできない。ましてや領主ともなれば、その命令は絶対に等しいだろう。けれど領地の中でも最高峰の魔術士である彼ならやりようがあるはずだった。
「この研究は力あるものにさらなる力を与えるすばらしいもの。領主の命令という大義名分もあるのに、なぜ拒否しなければいけないのですか?」
「貴族は民を守る義務があり、王国や領地に仕える力ある者は弱き者を守る責務がある。これはエスペルト王国の道義に……法に反することだからだ」
「その考え方には賛同できかねますね……この世界は力が全てです。力なくては生きていくことすらままならないのに、どうして私が力なきものを助けて配慮すると言うのです」
ヘルケはそう言葉にすると同時に注射器のような物を首筋に刺した。邪気が混じった黒い魔力がヘルケを包み込むと僅かに全身が強く蠢いた。
後ろにいた揺ら揺らと歩いている人たちも同じように注射器を首に刺して放っている魔力と邪気が膨れ上がる。
「あの少年を殺しなさい!」
ヘルケに指示に従って装束を纏った人たちはゆっくりとコルネリアスとの距離を詰めてきた。
「私がこちらに来て正解だったようだな」
コルネリアスの信条として、犯罪を犯した相手であっても生きたまま捕らえて罪を詳らかにして裁くというものがある。
だが、目の前のヘルケ以外の人からは思考や感情といったものが一切感じることができない。もはや息をしているだけで生きているとは言えないものだった。
「どういう意味です?」
「私でも向こうの二人でもお前たちを倒すことは簡単だ。だが……」
アスカルテとティアに人質たちの解放をお願いしたのは、子どもとはいえ男であるコルネリアスよりも二人の方が安心できるだろうという理由もある。
だが、なによりもアスカルテやティアには、このような戦いで背負って欲しくないと思っていた。
「これは私の役目だと言うことだ」
コルネリアスは短く言葉にすると剣に魔力を纏わせて斬撃を放った。
「この先に結界があります。それから例の暗殺者もいるようですね」
扉を一瞥したアスカルテは嫌そうな表情で言葉にする。前に私を襲ってきた暗殺者に仕掛けられている魔術は、術者にしか分からない波長を発しているようでおおよその位置を判別することができた。
だが、結界のせいか通常の魔力感知は通さないようで、暗殺者以外にどれだけの人がいるかが分からない。
「戦い自体は問題ないが人質にされることは避けたいものだな……アスカルテ、あれを頼む」
「わかりました。コルネリアスが扉を斬ると同時に発動させるのでティアさんは囚われている人たちを助けてあげてください」
コルネリアスが剣に魔力を纏わせる傍らでアスカルテが杖を構えて魔術を展開する。複雑に絡み合う術式が多重に広がって聖属性の魔力によって編まれた文様が空中に浮かび上がり発動直前で停止した。
これは聖属性の最上級魔術。術者が敵と認識した者にのみ魔力による攻撃を行う広域殲滅魔術だ。
「行くぞ!」
次の瞬間、コルネリウスの剣が振り下ろされて静かに扉がズレ落ちていく。ガタンと扉が地面に倒れた時には、中にいた複数の人の視線が私たちに向けられた。
けれど、中にいた人たちが反応できたのはそこまでだった。声を上げる間もなく、アスカルテが行使した魔術の光を浴びて静かに崩れ落ちていく。
牢の外にいて自由に動き回っていた人間の中で、いまだに動けるのは前に襲ってきた暗殺者の男だけのようだ。
「やはり唯者ではなさそうだな!」
だが、暗殺者もアスカルテの魔術を受けて万全な状態ではなく動きが鈍っている。コルネリアスが続けて放つ斬り上げた斬撃を暗殺者がとっさに短剣で受け止めようとするが、防ぎきれずに短剣が砕け散った。暗殺者は顔を顰めながらも空中へ跳んで致命傷だけは避けようとする。
「ぐっ……」
「短剣が砕けた瞬間に避けたか。なかなか、いい腕をしているが……そこまでだ」
コルネリアスは剣を振り上げたまま魔術による雷撃を放ち、空中で跳んだ暗殺者を目掛けて襲い掛かる。暗殺者は空中で避けようもなく雷撃をまともに受けて奥の壁へと叩きつけられた。煙を上げて身を焦がしながら床へと崩れ落ちて沈黙する。
「しかし……趣味がいいとは言えないな」
一足先に部屋の中に踏み入れたコルネリアスは、周りを見渡しながら呟いた。その言葉には侮蔑するような感情が乗っていて表情も少し固い。
続いて入ったアスカルテもあまりの惨状に言葉が出ないようだった。
「惨いですね……人の扱いじゃない」
扉の向こうは大きな空間になっていて一部が牢屋のように檻で区切られた個室になっていた。そこには私の同年代から30歳くらいまでと幅広い年代の男女8人が拘束されているようだった。
そして、もう一方の檻は綺麗な造りになっていて、薄手の恰好をした3人の若い女性たちが横たわっていた。
誰もが元気がなく目に光が灯っていないような状態だ。
この空間に漂う独特な匂いが、この場所で何があったのかを物語っている。
「む……援軍か?一人一人は強くなさそうだがどうにも不気味だな」
部屋の外には全身を黒の装束で纏った人たちの姿が見えている。全員が不気味な魔力と邪気を放っていて短剣を持ったままゆらゆらと近づいてくる。
「連中の相手は私がしよう。城の外にはブラッド……私たちの協力者が待機している。アスカルテとティアは皆を解放して彼らの元に連れて行ってほしい」
コルネリアスは部屋の中に誰も入れないようにと扉の近くに立ち塞がって剣を敵に向ける。
「ティアさん。急いで助けましょうか」
「わかりました」
私とアスカルテは急いで牢の方へ向かうと、片っ端から牢屋を壊して人質を助け出すことにした。
一方のコルネリアスは、人質を助け出すアスカルテとティアの気配を感じつつ少し安心したように息を吐く。
幼いころから様々なことを教えられてきたコルネリアスであっても、この光景は気持ち悪く感じるものだ。ある程度の耐性があるアスカルテはもちろんのこと、耐性がないであろうティアにとっては、とても酷なものだったと思う。
そのようなことを考えていると、ゆらゆらとした装束を纏った人たちの中から見知った顔の男が近づいてきた。
「侵入者が子供だったとは意外ですね……それにあの子までいるとは」
「筆頭魔術士のヘルケか。平民とはいえ、お前の立場であれば皆を守ることができただろう。どうしてこのような事ができる?」
平民であれば貴族の命令を拒否することはできない。ましてや領主ともなれば、その命令は絶対に等しいだろう。けれど領地の中でも最高峰の魔術士である彼ならやりようがあるはずだった。
「この研究は力あるものにさらなる力を与えるすばらしいもの。領主の命令という大義名分もあるのに、なぜ拒否しなければいけないのですか?」
「貴族は民を守る義務があり、王国や領地に仕える力ある者は弱き者を守る責務がある。これはエスペルト王国の道義に……法に反することだからだ」
「その考え方には賛同できかねますね……この世界は力が全てです。力なくては生きていくことすらままならないのに、どうして私が力なきものを助けて配慮すると言うのです」
ヘルケはそう言葉にすると同時に注射器のような物を首筋に刺した。邪気が混じった黒い魔力がヘルケを包み込むと僅かに全身が強く蠢いた。
後ろにいた揺ら揺らと歩いている人たちも同じように注射器を首に刺して放っている魔力と邪気が膨れ上がる。
「あの少年を殺しなさい!」
ヘルケに指示に従って装束を纏った人たちはゆっくりとコルネリアスとの距離を詰めてきた。
「私がこちらに来て正解だったようだな」
コルネリアスの信条として、犯罪を犯した相手であっても生きたまま捕らえて罪を詳らかにして裁くというものがある。
だが、目の前のヘルケ以外の人からは思考や感情といったものが一切感じることができない。もはや息をしているだけで生きているとは言えないものだった。
「どういう意味です?」
「私でも向こうの二人でもお前たちを倒すことは簡単だ。だが……」
アスカルテとティアに人質たちの解放をお願いしたのは、子どもとはいえ男であるコルネリアスよりも二人の方が安心できるだろうという理由もある。
だが、なによりもアスカルテやティアには、このような戦いで背負って欲しくないと思っていた。
「これは私の役目だと言うことだ」
コルネリアスは短く言葉にすると剣に魔力を纏わせて斬撃を放った。
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