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第11章 壊れかけのラメルシェル
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「さて、ここはどこでしょうか?」
部屋を出た私を待ち受けていたのは、白い壁が長く続く廊下だった。辺りはとても静かなもので誰の気配もなく、私の声が静かに響く。
『ここは病棟みたいなところ。奥にある階段を下りると出られるはずよ』
『ありがとう……そういえば契約している精霊ってどれくらい自由に動けるの?』
私が意識を失って眠っている間に確認したのだろうなと感じた所で、一つ疑問が浮かんでくる。
私とプレアデスの間には契約を交わしていて魂同士の繋がりがある。
そして契約によって交わした理は条件を厳しくすればするほど強大な力を得やすいそうだ。だが、その分だけ理を破ったときにくる反動も比例して大きくなるらしい。
私とプレアデスの間にある理は力を借りるという弱いもの。
けれど、遠く離れていては力を借りることは難しくなるだろうし、理による契約の基準が想像できない。
『ティアとの契約は強制力が少ないのよね。基本的にはティアが望んだときに力を貸せば契約どおりという形かしら』
『遠くにいるときってどうなるの?今は一緒に居るけど……たとえば里帰りしたくなって桜花皇国に帰省するとか』
『ふふふ……さ、里帰りって……』
実体化していないためプレアデスの姿は見えない。
けれど、もしも姿が見えるのならお腹を抱えて笑っているんじゃないだろうかというくらいに笑いを堪えている気配が伝わってくる。
思わずジト目でプレアデスがいるであろう場所に視線を向けると『ごめんごめん』と笑いながら謝ってきた。
『精霊相手に……少なくとも私は里帰りなんて言われたの始めてだから……なんか面白くて。で、質問の答えだけどね。魂同士の繋がりがあれば距離なんて関係ないわ。念話ならどこでも通じるし力を貸すこともできる。魂だけなら転移も簡単だからすぐに駆けつけることもできるのよ』
『そうなのね……だったら安心かな』
プレアデスの力は借りたいができる限り対等でいたい。それに意思のある存在を無闇に縛りつけたくないと伝えると『本当に面白い子ね』と笑いながら答えてくれた。
そうして、プレアデスと会話しながら階段を降りる。
すると、ここの治療区画を管理する人に出会うことができた。
ついさっきまで意識がなかった私がいきなり現れたことに驚いていたが事情を説明すると二つ返事でお願いを聞いてくれた。
元々、輸送部隊として来た私たちには、ちょっとした個室が宛てがわれているらしく部屋の場所を教えてもらう。さらに紫陽やアイラ、クリス、アルケーノたちの居場所を聞くことができた。
各々がバラバラの用事で動いているらしく昼過ぎくらいに一度集まるらしい。
皆に伝言をお願いした私は薬を受け取って宛てがわれた部屋に向かう。
集まるまでの時間に少し余裕があるので、ゆっくりとお風呂に入って汗を流してから着替えることにした。
そして昼が過ぎた頃。
私は皆が集まる部屋に向かった。
扉を開けて中に入ると「ティア!」と呼ぶ声と共に全身が包まれる。
「……いきなり抱きついたら危ないって」
勢いよく駆け寄ってきたのはアイラだった。苦笑しながら見上げると少し赤くなっている瞳が向けられる。
「もう起きて大丈夫なの!?」
「大丈夫だよ。怪我もなかったし……ね」
今の私はぱっと身では元気に見えるだろう。お風呂で体を温めたことで血色は良くなっていて、もらった薬のおかげで熱も下がっている。
アイラは少し胡乱な目を向けているが何も言わなかった。周りにいる紫陽や黒羽もプレアデスから事情を聞いているはずだが、何も言わないことにしてくれたらしい。
「全員集まっているようだな」
そうしているうちにアルケーノがやってきた。
私たちは適当に空いている席に座るとアルケーノが前に立った。
「今回集まってもらったのは他でもない。今後のことについての話、と言っても各々から前もって聞いてはいるがな。全員である程度共有できればと考えている。そして本題に入る前にだが……ティア殿。西部方面部隊の指揮官として此度の物資の運搬と防衛を、アイラの父として娘に会わせてくれたことを、本当に感謝する」
アルケーノは途中から私に視線を向けて感謝を告げて頭を下げた。
「私にとってアイラは友人ですから……笑顔を見ることができて良かったと思っています」
公の場ではないにしろ貴族が平民相手に頭を下げることがないのは全世界共通だ。
それなのに頭を下げるということは、アルケーノにとってよほど嬉しいことなのだろう。
二人が話しているところは見ることができてないが、互いの視線には確かに家族としての情愛を感じることができる。
「今は礼を返すことはできない。だが、いずれは何らかの形で礼をすることを約束する……では本題に入らせてもらおう」
アルケーノは視線を戻すとコホンと咳払いをした。
「まずは西部戦線についての報告だ。クリスには詳細を伝えていて作戦を開始しているが、ここ西部戦線の破棄が決まった。ドルバイド帝国が再侵攻してくる前に我々ラメルシェル王国の人員は南部まで撤退する」
元々西部戦線は前線基地のようなもの。
ミタナハル王国の軍相手では均衡を保っていたが宗主国でもある帝国が相手となると分が悪すぎる。
仮に戦闘になって防衛に成功したとしても物資の補給や生産ができないため篭城戦も不可能だ。
それらを鑑みると撤退は理にかなっている。
「我々は二日後に撤退を開始する予定だ。アイラやクリスたちには編成した部隊に加えるつもりでいる。紫陽殿、黒羽殿、ティア殿。三人の意見……今後どうするかを聞きたい」
アイラは家族の元に帰ることができたのだから当然。クリスたちもラメルシェル王国の部隊としているのだから当然といえる。
そして残る紫陽たちだが
「まず私と黒羽ですが南部戦線まで共に戦うことは難しいです。ミタナハル王国だけであれば猶予期間の間、力を貸すこともできました。しかしドルバイド帝国が相手となると、あの大国が動きを見せたのであれば急いで帰国する必要があります」
と答えた。
紫陽の話では桜花皇国としてはドルバイド帝国とは中立関係で多少の交流もあるそうだ。しかし、過去には何度か小競り合いも起きていて警戒すべき相手でもあるらしい。
「ですが、私たちとしてもドルバイド帝国がより強大になるのを見過ごすことはできませんし、こうして縁を得たラメルシェル王国を見捨てる決断もしたくありません。なので……最終的には皇帝陛下次第ではありますが同盟を含めた何らかの支援を提案するつもりです」
「っ!それはとても助かる!」
恐らくここで離脱することは聞いてたのであろうが同盟の模索については初耳だったらしい。
「ティア殿はどうするつもりだ?」
アルケーノはとても安堵した様子を見せると私に対して問いかけてくる。
「アイラを送り届けた後のことはあまり考えていませんでしたが紫陽たちとの約束もあるので桜花皇国に同行しようかと考えています」
約束自体は紫陽ではなくプレアデスとだが内容は紫陽も知っているので誤差の範囲だろう。
言葉にするのは初めてだったが紫陽たちも異論は内容で無言で頷いてくれた。
「やはりそうか……となると桜花皇国までの帰路が問題になりそうだな」
アルケーノは私の答えも予想できていたらしく特に何も言わなかった。
「海は敵の船が多い……かといって飛行船は一隻しかないから貸すことはできないし……」
アルケーノは桜花皇国まで安全に移動できる手段があるかなと考えを纏めようとしたときだった。
カンカンと甲高い音が響き渡る。
部屋を出た私を待ち受けていたのは、白い壁が長く続く廊下だった。辺りはとても静かなもので誰の気配もなく、私の声が静かに響く。
『ここは病棟みたいなところ。奥にある階段を下りると出られるはずよ』
『ありがとう……そういえば契約している精霊ってどれくらい自由に動けるの?』
私が意識を失って眠っている間に確認したのだろうなと感じた所で、一つ疑問が浮かんでくる。
私とプレアデスの間には契約を交わしていて魂同士の繋がりがある。
そして契約によって交わした理は条件を厳しくすればするほど強大な力を得やすいそうだ。だが、その分だけ理を破ったときにくる反動も比例して大きくなるらしい。
私とプレアデスの間にある理は力を借りるという弱いもの。
けれど、遠く離れていては力を借りることは難しくなるだろうし、理による契約の基準が想像できない。
『ティアとの契約は強制力が少ないのよね。基本的にはティアが望んだときに力を貸せば契約どおりという形かしら』
『遠くにいるときってどうなるの?今は一緒に居るけど……たとえば里帰りしたくなって桜花皇国に帰省するとか』
『ふふふ……さ、里帰りって……』
実体化していないためプレアデスの姿は見えない。
けれど、もしも姿が見えるのならお腹を抱えて笑っているんじゃないだろうかというくらいに笑いを堪えている気配が伝わってくる。
思わずジト目でプレアデスがいるであろう場所に視線を向けると『ごめんごめん』と笑いながら謝ってきた。
『精霊相手に……少なくとも私は里帰りなんて言われたの始めてだから……なんか面白くて。で、質問の答えだけどね。魂同士の繋がりがあれば距離なんて関係ないわ。念話ならどこでも通じるし力を貸すこともできる。魂だけなら転移も簡単だからすぐに駆けつけることもできるのよ』
『そうなのね……だったら安心かな』
プレアデスの力は借りたいができる限り対等でいたい。それに意思のある存在を無闇に縛りつけたくないと伝えると『本当に面白い子ね』と笑いながら答えてくれた。
そうして、プレアデスと会話しながら階段を降りる。
すると、ここの治療区画を管理する人に出会うことができた。
ついさっきまで意識がなかった私がいきなり現れたことに驚いていたが事情を説明すると二つ返事でお願いを聞いてくれた。
元々、輸送部隊として来た私たちには、ちょっとした個室が宛てがわれているらしく部屋の場所を教えてもらう。さらに紫陽やアイラ、クリス、アルケーノたちの居場所を聞くことができた。
各々がバラバラの用事で動いているらしく昼過ぎくらいに一度集まるらしい。
皆に伝言をお願いした私は薬を受け取って宛てがわれた部屋に向かう。
集まるまでの時間に少し余裕があるので、ゆっくりとお風呂に入って汗を流してから着替えることにした。
そして昼が過ぎた頃。
私は皆が集まる部屋に向かった。
扉を開けて中に入ると「ティア!」と呼ぶ声と共に全身が包まれる。
「……いきなり抱きついたら危ないって」
勢いよく駆け寄ってきたのはアイラだった。苦笑しながら見上げると少し赤くなっている瞳が向けられる。
「もう起きて大丈夫なの!?」
「大丈夫だよ。怪我もなかったし……ね」
今の私はぱっと身では元気に見えるだろう。お風呂で体を温めたことで血色は良くなっていて、もらった薬のおかげで熱も下がっている。
アイラは少し胡乱な目を向けているが何も言わなかった。周りにいる紫陽や黒羽もプレアデスから事情を聞いているはずだが、何も言わないことにしてくれたらしい。
「全員集まっているようだな」
そうしているうちにアルケーノがやってきた。
私たちは適当に空いている席に座るとアルケーノが前に立った。
「今回集まってもらったのは他でもない。今後のことについての話、と言っても各々から前もって聞いてはいるがな。全員である程度共有できればと考えている。そして本題に入る前にだが……ティア殿。西部方面部隊の指揮官として此度の物資の運搬と防衛を、アイラの父として娘に会わせてくれたことを、本当に感謝する」
アルケーノは途中から私に視線を向けて感謝を告げて頭を下げた。
「私にとってアイラは友人ですから……笑顔を見ることができて良かったと思っています」
公の場ではないにしろ貴族が平民相手に頭を下げることがないのは全世界共通だ。
それなのに頭を下げるということは、アルケーノにとってよほど嬉しいことなのだろう。
二人が話しているところは見ることができてないが、互いの視線には確かに家族としての情愛を感じることができる。
「今は礼を返すことはできない。だが、いずれは何らかの形で礼をすることを約束する……では本題に入らせてもらおう」
アルケーノは視線を戻すとコホンと咳払いをした。
「まずは西部戦線についての報告だ。クリスには詳細を伝えていて作戦を開始しているが、ここ西部戦線の破棄が決まった。ドルバイド帝国が再侵攻してくる前に我々ラメルシェル王国の人員は南部まで撤退する」
元々西部戦線は前線基地のようなもの。
ミタナハル王国の軍相手では均衡を保っていたが宗主国でもある帝国が相手となると分が悪すぎる。
仮に戦闘になって防衛に成功したとしても物資の補給や生産ができないため篭城戦も不可能だ。
それらを鑑みると撤退は理にかなっている。
「我々は二日後に撤退を開始する予定だ。アイラやクリスたちには編成した部隊に加えるつもりでいる。紫陽殿、黒羽殿、ティア殿。三人の意見……今後どうするかを聞きたい」
アイラは家族の元に帰ることができたのだから当然。クリスたちもラメルシェル王国の部隊としているのだから当然といえる。
そして残る紫陽たちだが
「まず私と黒羽ですが南部戦線まで共に戦うことは難しいです。ミタナハル王国だけであれば猶予期間の間、力を貸すこともできました。しかしドルバイド帝国が相手となると、あの大国が動きを見せたのであれば急いで帰国する必要があります」
と答えた。
紫陽の話では桜花皇国としてはドルバイド帝国とは中立関係で多少の交流もあるそうだ。しかし、過去には何度か小競り合いも起きていて警戒すべき相手でもあるらしい。
「ですが、私たちとしてもドルバイド帝国がより強大になるのを見過ごすことはできませんし、こうして縁を得たラメルシェル王国を見捨てる決断もしたくありません。なので……最終的には皇帝陛下次第ではありますが同盟を含めた何らかの支援を提案するつもりです」
「っ!それはとても助かる!」
恐らくここで離脱することは聞いてたのであろうが同盟の模索については初耳だったらしい。
「ティア殿はどうするつもりだ?」
アルケーノはとても安堵した様子を見せると私に対して問いかけてくる。
「アイラを送り届けた後のことはあまり考えていませんでしたが紫陽たちとの約束もあるので桜花皇国に同行しようかと考えています」
約束自体は紫陽ではなくプレアデスとだが内容は紫陽も知っているので誤差の範囲だろう。
言葉にするのは初めてだったが紫陽たちも異論は内容で無言で頷いてくれた。
「やはりそうか……となると桜花皇国までの帰路が問題になりそうだな」
アルケーノは私の答えも予想できていたらしく特に何も言わなかった。
「海は敵の船が多い……かといって飛行船は一隻しかないから貸すことはできないし……」
アルケーノは桜花皇国まで安全に移動できる手段があるかなと考えを纏めようとしたときだった。
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