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第10章 元王族の囚われ生活
4 願いは叶えるものだから
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フォーリアは壁の近くまで吹き飛んでいた。それでも意識は失わなかったようで「痛いね……」と呟きながら起き上がろうとする。
かくいう私も右腕が痛かった。いくら身体強化を行使していても魔装が使えない状態で大人を殴り飛ばすのは負担が大きい。折れるまではいかなくてもヒビくらいは入っているかもしれない。
「……まさか反抗するとは思わなかったが、その首輪と腕輪を忘れているようだな」
グレオは小型の魔術具を私に向けると、手元でなにかの操作した。グレオの言葉が正しければ腕輪から強烈な痛みが走るか首輪が爆発するかのどちらかだろう。
「馬鹿な!?なぜ、何もおこらない!?」
「さぁ……壊れているんじゃない?」
私は惚けるような言葉を返す。けれど、実際は壊れているわけではなくグレオの魔術具による操作を妨害しているからだ。
魔術具による遠隔操作は通信魔術と同様に魔力を通して伝達している。当然、受信側の首輪や腕輪にも魔力を受信する部分があるわけだが、魔力を遮ってしまえば伝達は阻止できる。
今回であれば右手の魔封じの腕輪で受信部分を触れるようにしていた。
「ちっ……だが、武装している私たちを相手に、たった一人でどうこうできると思っているのか?」
「逆に聞くけど……私に目掛けて銃を撃ったらアイラにも危険が迫るけどいいの?」
グレオは少しだけ迷う様子を見せると銃をしまって剣を取り出した。遠くでは殴り飛ばされたフォーリアも起き上がったようで、私に睨み付けるような視線を送ってきている。
「ねぇアイラ……ここから一緒に逃げ出さない?」
アイラにだけ聞こえる程度の声でそっと問いかける。
「え……?」
「アイラが前に言ってたやりたいこと……故郷の街に向かうのも良いと思う。あとは他にやりたいことがあるなら好きにすれば良いと思う。どう?」
「いや、無理でしょ。ここから逃げられるわけないし……そもそも、どうして殴ったりしたの!?ティアが殺されちゃう……」
長いこと呆然としていたアイラは私の問いかけに様々な反応を見せる。驚いたような諦めたような悲しむような顔。最後には私の身を案じて泣きそうな表情をした。
「まぁ、あれだよ。一旦、現実的に可能かどうかは置いといて……したいか、したくないかならどっち?」
「それは、ここから逃げられるならそうしたいけど……それに!たとえ逃げられたとしても、あの子たちを見捨てることなんてできないもの」
「だったら全員助けるよ」
私は欲張りだ。助けたい人が複数いて、その中の誰かを犠牲に他を助けることはしたくない。たとえ困難だったとしても可能性があるなら諦めない。ラティアーナの頃から変わらない信念の一つだ。
私の自信たっぷりな言葉にアイラが何かを言おうと口を開きかけたその時。
扉が開いて10人くらいの人がなだれこんできた。
「グレオ卿……これは一体?」
「その二人を捕らえろ。生きてさえいれば傷は問わん」
10人の兵士は私たちを囲もうと剣を抜いて近付いてくる。ただ私たちのことを甘く見てくれているようで警戒感は低そうだった。
私はアイラを抱きかかえると誰もいない壁のほうへ一気に跳躍する。跳んだ瞬間にアイラが「わっ!?」と驚いた声を上げるが説明している時間はなさそうだ。
今の私は身体強化が使えるだけのただの少女。流石に身体強化のみでアイラを守りながら、10人近くの兵士に囲まれた状態で相手取るのは難しかった。アイラを危険に晒すリスクが増えるのと体力的な問題のせいだ。
「さて……アイラ、悪いけどここで少し待っててくれる?あぁ、目は瞑っておいたほうがいいかも」
「え……ティア!?」
私は抱えていたアイラを静かに床に下ろすと身体強化を最大まで強くする。そして壁に向かって右手を全力で叩きつけた。
その一撃は壁に大きな窪みを生み出し、ひび割れて、私の右手が綺麗にめり込む。
周りから見れば私の行動は奇行に映るかもしれない。実際兵士達は「は!?」と変なものを見たような声を上げている。フォーリアとグレオも目を点にして絶句しているようだった。
「そんなことしたら痛いというか大怪我するんじゃ?」
「そうだね。今ので右手の骨が砕けたみたい……でも狙い通りかな」
アイラは痛いものを見る目で……実際にかなり痛いわけだが、心配そうに声をかけた。けれど私の目的は達成したわけで、壁から手を抜くと血がぽたぽたと流れつつも砕けた腕輪がガタンと音を立てて落ちる。
「魔封じの腕輪が……だがお前のような、なんの教育も受けていないお前が、魔封じがなくなったくらいで何も変わらんさ……全員やれ!」
グレオは兵士たちに向かって指示を出す。兵士たちは一斉に私に斬りかかろうと足を踏み出そうとして
「遅い」
私の言葉と同時に兵士たちが10人同時に吹き飛んだ。
「なっ!?魔力弾だと……それも10発同時でこの威力!?」
「全く……厄介なことになったね……だが魔封じの腕輪がない今、君たちは首輪から守る物はないよ!」
グレオが驚きの声を上げて動きを止めるなか、フォーリアは魔術具を操作する。すると私の首輪が光り輝いて爆発を起こした。
「ティア!?」
「ふん……貴重な実験体が一つ減ったが補充すればいいだけだ。本来の実験体は無事だから良しとしようかね」
「誰が減ったって?」
アイラの泣き叫んだような声を上げて、オーフィアはイライラした態度で話す。どちらも私が力尽きたかのように感じているようだが、この程度は痛くも痒くもない。
この部屋の壁は魔力を通さない。その環境の中で魔術通信のようなものを使ったのだから魔力の向かう先を読むことは容易い。魔術具による首輪への干渉先がアイラでなく私だと気付けば、私は魔力を身に纏うだけでこの爆発くらいは無傷で受けきることができる。
「ちッ……グレオ隊長、早くそいつを殺せ!」
「わかっている!」
グレオは一気に私との距離をつめると剣を振り下ろしてきた。私はグレオの手首を持って足を払い、グレオの身体を床へと叩きつける。
そのまま身体強化した足で背中を叩きつけるように踏み締めると、グレオは「ぐっ…!」辛そうな悲鳴をあげた。それでも、隊長と呼ばれているだけのことはあるらしく、意識を保ちながら私を睨みつける。
仕方がないので、踏みつけた足から雷撃を放ち気絶させることにした。
「馬鹿め!5002号の方が手薄だよ!」
フォーリアはアイラを目掛けて走りながら手を伸ばす。だけど私がフォーリアの行動を許す理由はない。アイラに手が届く前に完全操作の魔力弾を5発ほど放って、アイラの元から吹き飛ばす。
「アイラには指一本触れさせない……変な行動をすれば躊躇なく撃つわ」
グレオが持っていた剣と銃を奪い、剣を鞘に戻して腰に刺す。左手でフォーリアに向けて銃を構え、右手には治癒魔術を行使した。
「言っておくけど……魔術具を操作してもアイラの首輪は作動しないよ。私が魔力を妨害しているからね」
ボロボロに砕けた右手を治していく。そして痛みで床に転がっているフォーリアを銃で脅しつつ質問を重ねた。
「この施設について知っていることを全て教えて」
ここからは私の番だ。
かくいう私も右腕が痛かった。いくら身体強化を行使していても魔装が使えない状態で大人を殴り飛ばすのは負担が大きい。折れるまではいかなくてもヒビくらいは入っているかもしれない。
「……まさか反抗するとは思わなかったが、その首輪と腕輪を忘れているようだな」
グレオは小型の魔術具を私に向けると、手元でなにかの操作した。グレオの言葉が正しければ腕輪から強烈な痛みが走るか首輪が爆発するかのどちらかだろう。
「馬鹿な!?なぜ、何もおこらない!?」
「さぁ……壊れているんじゃない?」
私は惚けるような言葉を返す。けれど、実際は壊れているわけではなくグレオの魔術具による操作を妨害しているからだ。
魔術具による遠隔操作は通信魔術と同様に魔力を通して伝達している。当然、受信側の首輪や腕輪にも魔力を受信する部分があるわけだが、魔力を遮ってしまえば伝達は阻止できる。
今回であれば右手の魔封じの腕輪で受信部分を触れるようにしていた。
「ちっ……だが、武装している私たちを相手に、たった一人でどうこうできると思っているのか?」
「逆に聞くけど……私に目掛けて銃を撃ったらアイラにも危険が迫るけどいいの?」
グレオは少しだけ迷う様子を見せると銃をしまって剣を取り出した。遠くでは殴り飛ばされたフォーリアも起き上がったようで、私に睨み付けるような視線を送ってきている。
「ねぇアイラ……ここから一緒に逃げ出さない?」
アイラにだけ聞こえる程度の声でそっと問いかける。
「え……?」
「アイラが前に言ってたやりたいこと……故郷の街に向かうのも良いと思う。あとは他にやりたいことがあるなら好きにすれば良いと思う。どう?」
「いや、無理でしょ。ここから逃げられるわけないし……そもそも、どうして殴ったりしたの!?ティアが殺されちゃう……」
長いこと呆然としていたアイラは私の問いかけに様々な反応を見せる。驚いたような諦めたような悲しむような顔。最後には私の身を案じて泣きそうな表情をした。
「まぁ、あれだよ。一旦、現実的に可能かどうかは置いといて……したいか、したくないかならどっち?」
「それは、ここから逃げられるならそうしたいけど……それに!たとえ逃げられたとしても、あの子たちを見捨てることなんてできないもの」
「だったら全員助けるよ」
私は欲張りだ。助けたい人が複数いて、その中の誰かを犠牲に他を助けることはしたくない。たとえ困難だったとしても可能性があるなら諦めない。ラティアーナの頃から変わらない信念の一つだ。
私の自信たっぷりな言葉にアイラが何かを言おうと口を開きかけたその時。
扉が開いて10人くらいの人がなだれこんできた。
「グレオ卿……これは一体?」
「その二人を捕らえろ。生きてさえいれば傷は問わん」
10人の兵士は私たちを囲もうと剣を抜いて近付いてくる。ただ私たちのことを甘く見てくれているようで警戒感は低そうだった。
私はアイラを抱きかかえると誰もいない壁のほうへ一気に跳躍する。跳んだ瞬間にアイラが「わっ!?」と驚いた声を上げるが説明している時間はなさそうだ。
今の私は身体強化が使えるだけのただの少女。流石に身体強化のみでアイラを守りながら、10人近くの兵士に囲まれた状態で相手取るのは難しかった。アイラを危険に晒すリスクが増えるのと体力的な問題のせいだ。
「さて……アイラ、悪いけどここで少し待っててくれる?あぁ、目は瞑っておいたほうがいいかも」
「え……ティア!?」
私は抱えていたアイラを静かに床に下ろすと身体強化を最大まで強くする。そして壁に向かって右手を全力で叩きつけた。
その一撃は壁に大きな窪みを生み出し、ひび割れて、私の右手が綺麗にめり込む。
周りから見れば私の行動は奇行に映るかもしれない。実際兵士達は「は!?」と変なものを見たような声を上げている。フォーリアとグレオも目を点にして絶句しているようだった。
「そんなことしたら痛いというか大怪我するんじゃ?」
「そうだね。今ので右手の骨が砕けたみたい……でも狙い通りかな」
アイラは痛いものを見る目で……実際にかなり痛いわけだが、心配そうに声をかけた。けれど私の目的は達成したわけで、壁から手を抜くと血がぽたぽたと流れつつも砕けた腕輪がガタンと音を立てて落ちる。
「魔封じの腕輪が……だがお前のような、なんの教育も受けていないお前が、魔封じがなくなったくらいで何も変わらんさ……全員やれ!」
グレオは兵士たちに向かって指示を出す。兵士たちは一斉に私に斬りかかろうと足を踏み出そうとして
「遅い」
私の言葉と同時に兵士たちが10人同時に吹き飛んだ。
「なっ!?魔力弾だと……それも10発同時でこの威力!?」
「全く……厄介なことになったね……だが魔封じの腕輪がない今、君たちは首輪から守る物はないよ!」
グレオが驚きの声を上げて動きを止めるなか、フォーリアは魔術具を操作する。すると私の首輪が光り輝いて爆発を起こした。
「ティア!?」
「ふん……貴重な実験体が一つ減ったが補充すればいいだけだ。本来の実験体は無事だから良しとしようかね」
「誰が減ったって?」
アイラの泣き叫んだような声を上げて、オーフィアはイライラした態度で話す。どちらも私が力尽きたかのように感じているようだが、この程度は痛くも痒くもない。
この部屋の壁は魔力を通さない。その環境の中で魔術通信のようなものを使ったのだから魔力の向かう先を読むことは容易い。魔術具による首輪への干渉先がアイラでなく私だと気付けば、私は魔力を身に纏うだけでこの爆発くらいは無傷で受けきることができる。
「ちッ……グレオ隊長、早くそいつを殺せ!」
「わかっている!」
グレオは一気に私との距離をつめると剣を振り下ろしてきた。私はグレオの手首を持って足を払い、グレオの身体を床へと叩きつける。
そのまま身体強化した足で背中を叩きつけるように踏み締めると、グレオは「ぐっ…!」辛そうな悲鳴をあげた。それでも、隊長と呼ばれているだけのことはあるらしく、意識を保ちながら私を睨みつける。
仕方がないので、踏みつけた足から雷撃を放ち気絶させることにした。
「馬鹿め!5002号の方が手薄だよ!」
フォーリアはアイラを目掛けて走りながら手を伸ばす。だけど私がフォーリアの行動を許す理由はない。アイラに手が届く前に完全操作の魔力弾を5発ほど放って、アイラの元から吹き飛ばす。
「アイラには指一本触れさせない……変な行動をすれば躊躇なく撃つわ」
グレオが持っていた剣と銃を奪い、剣を鞘に戻して腰に刺す。左手でフォーリアに向けて銃を構え、右手には治癒魔術を行使した。
「言っておくけど……魔術具を操作してもアイラの首輪は作動しないよ。私が魔力を妨害しているからね」
ボロボロに砕けた右手を治していく。そして痛みで床に転がっているフォーリアを銃で脅しつつ質問を重ねた。
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ここからは私の番だ。
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