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第9章 ターニングポイント
30 海の怪物
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高台から飛び降りた私は、換装用の魔術具を使い戦闘用の衣装へと切り替える。そして身体強化を使って屋根の上を足場代わりにし、港へと向かった。途中街の様子を探っていると、領軍が住民の避難を行っているようで海に近いところは避難が完了しているようだった。
港へ着くと魔術士と弓兵を中心とした部隊が集結していた。ほとんどは領地の紋章を刻んでいるが中には国章を刻んだ兵もいる。恐らく国境に配備されている部隊の一部だろう。
「この部隊の指揮官は誰かしら?」
「…!?は、はい!私、ザヴィヤが指揮を取ることになっております!」
私がいることに驚いたのか少し噛みながら一人の男が前に出てきた。その人は私も会ったことのある人でフルネームはザヴィヤ・ポートクリフ。ポートクリフ伯爵家の長男にして次期当主、スピカの三つ年上になる兄だ。
「久しぶりねザヴィヤ。それでこの後はどう動くつもり?」
「クラーケンは巨体による直接攻撃が厄介と聞きます。そのため弓や魔術による遠距離戦を仕掛けます。また領内にある他の軍港から巡洋艦が出撃していますので、射程に入り次第砲撃による支援を行います」
クラーケンの主な攻撃手段は触手による物理攻撃らしい。それこそ強固な船であってもクラーケンと遭遇した時は逃げる選択肢しかないくらいだそうだ。けれど届かない距離からであれば一方的に砲撃できる。そもそも海上ということで剣士は戦い辛いだろうから魔術や弓による射撃戦は無難な手だろう。
「良いと思うわ……クラーケンが浅瀬や陸上でどれくらい動けるのかは分からないけれど、港の外にいる間に対処したい。ここはザヴィヤ、貴方に任せます」
「ありがとうございます……弓兵隊、撃て!」
ザヴィヤは私にお礼を告げると部隊に向かって指示を出す。すると一斉に矢が放たれてクラーケンたちに降り注いだ。けれど触手に当たった矢は弾かれて海へと落下していく。
「なっ…!?矢が刺さらないなんて!だったら魔術士隊、魔力弾展開。撃て!」
クラーケンに矢が通用しないと感じたザヴィヤは、魔術による攻撃を加えようとする。魔術士たちによる魔力弾の斉射を行いイカ状のクラーケンに命中すると、多少効果があったのか声を上げた。それでも有効打にはなってはいないようで、クラーケンは街の方に目を向けると口を開く。
「魔術士隊!全員で障壁を、攻撃を街に通すな!」
イカ型のクラーケンの口からは圧縮された水が放たれる。恐らく海水を取り込んで放ったのであろう攻撃は、鋭い刃のように軌道上にある物を斬り裂こうとする。
その大半は魔術障壁に弾かれるが、障壁にヒビを入れて打ち砕かれていく。防ぎきれなかった分は街の防壁に命中し、壁を破壊していった。
「ザヴィヤ!イカのクラーケンの相手をしなさい!わたくしがタコの方を受け持つわ」
タコ型のクラーケンは、まだ見つめているだけで攻撃をしようとしていない。イカ型に任せておけば良いと思っているのかも知れないが、追い詰めてしまうと攻撃に参加してくる可能性が高い。領軍だけで二頭のクラーケンを同時に相手をしながら街を守るのは厳しいだろう。
「ですがっ!陛下に、もしものことがあったら…」
「大丈夫よ。わたくしは強いもの。それに王は国の全てを守らないとね」
私はザヴィヤに「任せたわよ!」と言った後、障壁を足場にして海の上を走る。手前にあるイカ型の触手を躱して通り抜けると、タコ型のクラーケンに接近した。
「まずは二頭を引き離すわ!」
宝石を砕いて魔力を集めた私は海上に手を翳して水属性と氷属性の魔術を行使する。発動した魔術は、水を壁状に隆起させ二頭の間に巨大な水の壁を生み出し、凍結させることによって氷の巨壁を作り出した。
そして氷の巨壁をタコ型のクラーケンに叩きつけて、強引に沖の方向へとずらした。更に私自身も跳躍しクラーケンを飛び越え、魔力弾を放って注意を引きつける。
これにはクラーケンも無視できないようで、私のことを睨みつけて触手で襲ってきた。
「作戦通り……ね!」
襲ってきた触手は四本。それをギリギリのところで避けると魔力を纏わせた辰月で斬りかかる。すると触手に纏わりついている粘液みたいなもので斬撃がずらされてしまった。
通りで矢が通らないわけだ。この粘液はヌルヌルとしていて物理的な攻撃をいなす効果があるのだろう。
刀が通りにくいと感じた私は、上空へと跳躍し距離を取った。刀に纏わせた魔力を斬撃として飛ばすが、触手に命中しても弾かれてしまう。
「物理的だけじゃなくて魔力への耐性もありそうね……」
全力の魔力を乗せた一撃もしくは、夜月の力を解放した一撃であれば通るかもしれない。そのためにもクラーケンの隙を作る必要がある。
「長丁場になるかもしれないけれど、付き合ってもらうわよ!」
私はクラーケンの隙を作るために触手を避けながら刀を振るうのだった。
一方その頃。シリウスたちはスピカが滞在している屋敷の警護に当たっていた。表向きはポートクリフ伯爵家に仕える騎士が警備をしていて、スピカの部屋にはアルキオネが共にいる状態だ。シリウス、フレア、カレナの三人は屋敷の中で侵入者がいないか見回っている。
その中でスピカはアルキオネに不安な表情で問いかけた。
「街は大丈夫でしょうか?海から魔物が襲っているのですよね……」
街が魔物に襲われることは珍しいわけではない。領軍も魔物との戦闘経験は豊富だ。それでも魔物が海からやってくると話は変わってくる。
「船の天敵と言われるクラーケンが二頭襲っているようですね。ラティアーナ様の話では、二頭を引き離し片方を領軍がもう一方をラティアーナ様が相手しているようです」
「ラティアーナ様もお兄様も怪我をしなければ良いですが……何もできないというのは、もどかしいものですね」
スピカも二人の実力が高いのは知っているが心配はするものだ。なにより今回の件が一連の事件に関係している可能性が高いことは分かっていて、どうしても責任を感じてしまう。
「スピカ様は気にせずにどーんと構えていれば良いと思いますよ。それに今回の件を無事解決すればしばらく安泰でしょうし……あら。噂をすれば影ということでしょうか」
シリウスもアルキオネも風魔術が得意なため、自身を中心に一定範囲の空間を感知することができる。それは目に見える見えない関係なく、空気の流れによって物体が存在しているか判断しているようなものだ。
「三人ほど屋敷の中に侵入したようです。正規の道筋でありませんし十中八九、敵でしょうね」
「アルキオネはスピカ様を守ることだけ考えてくれ。俺とフレア、カレナの三人で屋敷に侵入した敵を相手にする。理想は捕らえることだが無理であれば手加減しなくていい」
シリウスは魔術通信で指示をだした。最優先事項は逃がさないことだ。
「街全体を警戒していたら敵の司令塔らしき者を発見したよ。どうやら屋敷の中を遠距離から狙っているみたいだね。屋敷内の敵を無力化次第、捕らえるから注意して」
外で気配と姿を消して見回りをしていたブラッドからも通信が入る。ブラック・ヘロンとの本格的な戦いが伯爵邸を中心に起きようとしていた。
港へ着くと魔術士と弓兵を中心とした部隊が集結していた。ほとんどは領地の紋章を刻んでいるが中には国章を刻んだ兵もいる。恐らく国境に配備されている部隊の一部だろう。
「この部隊の指揮官は誰かしら?」
「…!?は、はい!私、ザヴィヤが指揮を取ることになっております!」
私がいることに驚いたのか少し噛みながら一人の男が前に出てきた。その人は私も会ったことのある人でフルネームはザヴィヤ・ポートクリフ。ポートクリフ伯爵家の長男にして次期当主、スピカの三つ年上になる兄だ。
「久しぶりねザヴィヤ。それでこの後はどう動くつもり?」
「クラーケンは巨体による直接攻撃が厄介と聞きます。そのため弓や魔術による遠距離戦を仕掛けます。また領内にある他の軍港から巡洋艦が出撃していますので、射程に入り次第砲撃による支援を行います」
クラーケンの主な攻撃手段は触手による物理攻撃らしい。それこそ強固な船であってもクラーケンと遭遇した時は逃げる選択肢しかないくらいだそうだ。けれど届かない距離からであれば一方的に砲撃できる。そもそも海上ということで剣士は戦い辛いだろうから魔術や弓による射撃戦は無難な手だろう。
「良いと思うわ……クラーケンが浅瀬や陸上でどれくらい動けるのかは分からないけれど、港の外にいる間に対処したい。ここはザヴィヤ、貴方に任せます」
「ありがとうございます……弓兵隊、撃て!」
ザヴィヤは私にお礼を告げると部隊に向かって指示を出す。すると一斉に矢が放たれてクラーケンたちに降り注いだ。けれど触手に当たった矢は弾かれて海へと落下していく。
「なっ…!?矢が刺さらないなんて!だったら魔術士隊、魔力弾展開。撃て!」
クラーケンに矢が通用しないと感じたザヴィヤは、魔術による攻撃を加えようとする。魔術士たちによる魔力弾の斉射を行いイカ状のクラーケンに命中すると、多少効果があったのか声を上げた。それでも有効打にはなってはいないようで、クラーケンは街の方に目を向けると口を開く。
「魔術士隊!全員で障壁を、攻撃を街に通すな!」
イカ型のクラーケンの口からは圧縮された水が放たれる。恐らく海水を取り込んで放ったのであろう攻撃は、鋭い刃のように軌道上にある物を斬り裂こうとする。
その大半は魔術障壁に弾かれるが、障壁にヒビを入れて打ち砕かれていく。防ぎきれなかった分は街の防壁に命中し、壁を破壊していった。
「ザヴィヤ!イカのクラーケンの相手をしなさい!わたくしがタコの方を受け持つわ」
タコ型のクラーケンは、まだ見つめているだけで攻撃をしようとしていない。イカ型に任せておけば良いと思っているのかも知れないが、追い詰めてしまうと攻撃に参加してくる可能性が高い。領軍だけで二頭のクラーケンを同時に相手をしながら街を守るのは厳しいだろう。
「ですがっ!陛下に、もしものことがあったら…」
「大丈夫よ。わたくしは強いもの。それに王は国の全てを守らないとね」
私はザヴィヤに「任せたわよ!」と言った後、障壁を足場にして海の上を走る。手前にあるイカ型の触手を躱して通り抜けると、タコ型のクラーケンに接近した。
「まずは二頭を引き離すわ!」
宝石を砕いて魔力を集めた私は海上に手を翳して水属性と氷属性の魔術を行使する。発動した魔術は、水を壁状に隆起させ二頭の間に巨大な水の壁を生み出し、凍結させることによって氷の巨壁を作り出した。
そして氷の巨壁をタコ型のクラーケンに叩きつけて、強引に沖の方向へとずらした。更に私自身も跳躍しクラーケンを飛び越え、魔力弾を放って注意を引きつける。
これにはクラーケンも無視できないようで、私のことを睨みつけて触手で襲ってきた。
「作戦通り……ね!」
襲ってきた触手は四本。それをギリギリのところで避けると魔力を纏わせた辰月で斬りかかる。すると触手に纏わりついている粘液みたいなもので斬撃がずらされてしまった。
通りで矢が通らないわけだ。この粘液はヌルヌルとしていて物理的な攻撃をいなす効果があるのだろう。
刀が通りにくいと感じた私は、上空へと跳躍し距離を取った。刀に纏わせた魔力を斬撃として飛ばすが、触手に命中しても弾かれてしまう。
「物理的だけじゃなくて魔力への耐性もありそうね……」
全力の魔力を乗せた一撃もしくは、夜月の力を解放した一撃であれば通るかもしれない。そのためにもクラーケンの隙を作る必要がある。
「長丁場になるかもしれないけれど、付き合ってもらうわよ!」
私はクラーケンの隙を作るために触手を避けながら刀を振るうのだった。
一方その頃。シリウスたちはスピカが滞在している屋敷の警護に当たっていた。表向きはポートクリフ伯爵家に仕える騎士が警備をしていて、スピカの部屋にはアルキオネが共にいる状態だ。シリウス、フレア、カレナの三人は屋敷の中で侵入者がいないか見回っている。
その中でスピカはアルキオネに不安な表情で問いかけた。
「街は大丈夫でしょうか?海から魔物が襲っているのですよね……」
街が魔物に襲われることは珍しいわけではない。領軍も魔物との戦闘経験は豊富だ。それでも魔物が海からやってくると話は変わってくる。
「船の天敵と言われるクラーケンが二頭襲っているようですね。ラティアーナ様の話では、二頭を引き離し片方を領軍がもう一方をラティアーナ様が相手しているようです」
「ラティアーナ様もお兄様も怪我をしなければ良いですが……何もできないというのは、もどかしいものですね」
スピカも二人の実力が高いのは知っているが心配はするものだ。なにより今回の件が一連の事件に関係している可能性が高いことは分かっていて、どうしても責任を感じてしまう。
「スピカ様は気にせずにどーんと構えていれば良いと思いますよ。それに今回の件を無事解決すればしばらく安泰でしょうし……あら。噂をすれば影ということでしょうか」
シリウスもアルキオネも風魔術が得意なため、自身を中心に一定範囲の空間を感知することができる。それは目に見える見えない関係なく、空気の流れによって物体が存在しているか判断しているようなものだ。
「三人ほど屋敷の中に侵入したようです。正規の道筋でありませんし十中八九、敵でしょうね」
「アルキオネはスピカ様を守ることだけ考えてくれ。俺とフレア、カレナの三人で屋敷に侵入した敵を相手にする。理想は捕らえることだが無理であれば手加減しなくていい」
シリウスは魔術通信で指示をだした。最優先事項は逃がさないことだ。
「街全体を警戒していたら敵の司令塔らしき者を発見したよ。どうやら屋敷の中を遠距離から狙っているみたいだね。屋敷内の敵を無力化次第、捕らえるから注意して」
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